「ただ一つ旗かげ高し」 東大15年ぶり勝ち点
東京六大学野球も第5週といよいよ佳境である。この週末は天気も良いし神宮球場にでも行こうかと思ったが、母校はすでに法政に勝ち点を落として調子は今一歩。最近はネットによる無料動画配信という便利なものもあり、家に居ながらにして試合が見られるとあって、東大-法政、明治-慶應のカードはパソコン観戦と無精を決め込む事にした。慶應のスラッガー・岩見君(4年比叡山)のホームラン記録もさる事ながら、やっと力を発揮してきた東大のエース・宮台君(4年湘南)と好調な東大打線が、法政の野球エリートたちにどう戦うのかがの今週の見どころだ。
7日(土)はその宮台君の好投で9対2と法政に快勝した東大だが、1勝はできても2つ先に勝って勝ち点を得るのはそう簡単な事ではない。宮台君は土曜日に完投しており日曜日に最初から投げるのは無理とあって、東大が勝ち点を挙げるには2番手以下の投手や打撃陣のふんばりなどが試される場面である。まあ、いくらなんでも今日は法政が勝つのだろうと内心で思いながらネットの動画を眺めていると、東大は初回から適時打が出て4点をとり、なんと4回には2本の本塁打で8対3とリードを広げるではないか。こうなるとひょっとすると今日は東大の勝ち点、それも法政相手の歴史的な瞬間が見られるのではないか、とパソコンの前から離れられなくなってしまう。
しかし高校時代に甲子園などで活躍した実力ある選手を集める法政もそう簡単には引き下がるわけがない。6回からマウンドに上がった宮台君を法政はじわじわと攻め、9回には8対7と一点差まで追い詰める。なお逆転のランナーが塁上に出た状況とあって画面を見ていてもハラハラ、ドキドキの連続である。宮台君が最後の打者をどうにか外野フライに打ち取った瞬間には、他校ながら思わずパソコンに向かって拍手をし、画面から流れる応援歌「ただ一つ」を一緒に口ずさんでいたのだった。リーグのホームページによると、東大が勝ち点を挙げるのは2002年秋以来15年ぶり、連勝での勝ち点は1997年春以来20年ぶり、法政からの勝ち点は24年ぶり、法政から連勝での勝ち点はなんと1928年秋以来89年ぶりだそうだ。
そういえば最後の勝ち点を挙げた2002年には松家君、最後の連勝勝ち点の97年には遠藤君といずれも好投手がいたが、今回は宮台君の他に打撃陣の活躍が見逃せない。一方の法政は最近いったいどうしてしまったのだろうか。あの山中-田淵の時代や江川と黄金軍団の憎たらしいほど強かった法政を知る身としては、拍子抜けする東大戦の連敗だった。もっとも実績ある選手が多数いるからといって、必ずしも勝てないのが大学野球の面白さとも言えるのだろう。さて今までもこのブログでもアップしたとおり、入れ替え戦を行わず東大も含め固定した六校で行うのが東京六大学野球の六大学たるゆえんである。メンバーの一角がこうして奮起する事はリーグの発展にとても喜ばしいとファンの一人として思うのだ。
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