2017秋 慶應野球部優勝おめでとう
三田山上での優勝祝賀会に行くのは昭和47年以来45年ぶり。早稲田に勝った時だけ歌える「丘の上」が爽快だった。
慶応野球部が東京六大学野球で7季ぶりに優勝して、昨夜は晩酌の酒がひときわうまかった。今季は初カードの東大初戦でまず敗戦、私が神宮球場に足を運んだ翌週の法政戦は初回に法政・4番の中山(3年履正社)に大きな3ランをくらうなど投手陣が崩壊、打線も繋がらずという有様だった。正直言って昨年までの大黒柱・加藤(現・広島カープ)が抜けたあと、春に続いて一体だれが投の軸になるのかと心配していたが、当初はまさにその危惧どおりの展開である。リーグ序盤でスタンド観戦しながら「ああ、これは秋はあかんな」というのが正直な思いであった。
ところが法政に勝ち点を奪われた後は、その日に一番調子よいのが投げると云う日替わり投手陣の踏ん張りと見事な打線の粘りで明治、立教、早稲田に競り勝ち、ついに6連勝して35回目の優勝をとげる事ができた。その中で特に目立ったのは都立・公立高校や慶応志木高・湘南藤沢高校といった特に野球に力をいれているわけではない学校からきた投手陣であろう。早慶戦の1年生投手の関根君(都・城東)の踏ん張り、同じ1年生の佐藤君(県・大館鳳鳴)の快投、最後に志木高出の2年生石井君による見事な投球は、まさに今季の慶応投手陣の底上げを象徴しているかのようだった。
打線も楽天にドラフトされた岩見君(4年比叡山)のホームランがよいところで出た一方、明治戦以後は僅差のゲーム展開が多いなかで、逆転や延長戦をしぶとく制して勝利をものにしたものである。主将の照屋君(4年沖縄尚学)や岩見君は一浪、2塁手の倉田君(4年浜松西)は二浪、3塁手の瀬尾君(4年早稲田佐賀)は理工学部の学生である。野球の強豪校から注目されて来た部員と普通の高校から頑張って入学した部員、一貫教育の塾内各高校から上がってきた部員たちそれぞれが切磋琢磨して戦うという慶応らしい布陣だが、彼らをここまで育てあげた大久保監督や各コーチの手腕には敬意を表したい。
さて天皇杯は一つの競技に一つだけ下賜されるものだ。相撲で言えば大相撲本場所の優勝力士が授与されるが、野球ではプロ野球の日本一チームでも甲子園優勝校でもなく、東京六大学野球の春・秋の優勝校に送られる。その重みを感じつつ、11月10日からの明治神宮大会で全国の代表と戦ってほしいと野球部には期待する。今日は私も昭和47年秋の優勝パレード以来45年ぶりに、三田山上での優勝祝賀会に参加して青春の喜びが蘇った気がした。一方で我が競走部も5年後の箱根駅伝本選出場を目指して、強化策やスカウト活動を開始したばかりである。野球部の優勝をみると、彼らから選手育成やスカウトについて学ぶ事が多いという気がしてならない。
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