オフサイドはなぜ反則か
都営地下鉄の駅におかれているスポーツゴジラという無料冊子がなかなか面白い事は以前アップした通りだ(2016年5月26日 スポーツゴジラ 31号 たかがスポーツ紙 されどスポーツ紙)。その最新版35号の巻頭にスポーツライターの玉木正之氏による「2020年東京オリンピック『体育』から『スポーツ』へ」というテーマの話が載っていて興味深かった。玉木氏は日本の「体育」の由来や「スポーツ」と「体育」の違いなどを踏まえて、次回の東京オリンピックを機に「体育の日」を「スポーツ」の日にしようと提案しており、テレビでよく見る氏のスポーツを愛する話しっぷりが誌面から伝わって来そうな企画であった。
玉木氏は文中で、スポーツと関わるうちに中村敏雄著の「オフサイドはなぜ反則か」という本に出会い、お祭りを終わらせないためにオフサイドルールなどができた事を知って驚いたとしている。じつは私もこの本を20数年前に近所の図書館からたまたま借り出して読み、著者である中村氏の話の展開にひどく感心したものだった。その時の印象がよほど強かったのだろうか、読後数年たった1999年2月に業界紙のリレーエッセイ欄に「オフサイドと3ボール」と題する小文まで載せたほどである。という事で今回スポーツゴジラの玉木氏の話から昔の拙文を思い出し、スクラップブックにとってあった当時のコピーを取り出して読んでみた。
それによると「サッカーやラグビーなどヨーロッパ系の球技で厳格に適用されるオフサイド、球より前でプレーしてはいけないというルールの起源は、敵のゴール前で待ち伏せするのは汚いということだけではないようだ」「その昔、欧州で行われたサッカーの原型は、ある村とある村の城門をそれぞれゴールにしたお祭りの球技」で「大勢の村人が参加して球技を楽しむために、球を前に投げたり蹴ったり運んだりするのを禁じ、ゲームをすぐに終わらせないようにしたそうだ」と書いている。「球の場所をゲームの最前線にし、お互いが球をおしいただき一進一退でエキサイトし、お祭りをゆっくり楽しむルールがオフサイドであった」とわがリレーエッセイは結んでいる。さて玉木氏が今回スポーツの意味をみんなで考えようとスポーツゴジラで言っているとおり、スポーツも見たり参加するだけでなくその由来や歴史を考察するのも楽しいものだ。
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