町の中華料理屋2
以前にもアップしたとおり日本人のオヤジが大鍋を振って料理をこさえるような街の中華料理店が減ってきた。もっとも閉店したそのような店を中国人が継ぎ、玄関に大きなサンプル写真を飾っているような中華料理屋もあるが、そんなお店には何かしらのものたりなさを感じて(たとえば料理が熱々でないとか)入る気があまりおきない。そんな中、最近わが家からちょっと歩いた隣の駅に昔風な”日本の中華の店”を見つけて妻と時々顔を出すようになった。
先日も訪れたが、そのお店の中ではハエが一匹飛びまわり、出前に行く店の兄ちゃんが入り口から出入りしていて、その何とも言えぬ光景が昭和の中華メシヤ風である。こちらは入るなり「ビール!」と一声頼むと「生ですか?瓶ですか?」と即座に答えが返ってくるのも気持ちがよい。「お、瓶もあるの。中瓶?」と問えば「大瓶も中瓶も小瓶もありますよ。キリンとアサヒどちら?」と店員が言う。最近は生ばかり、それも特定のビールメーカーのひも付きのような飲み屋が多いのに、さすが昔風の中華は何でもありである。
ここは野球場に近くプロ野球の選手、それも長嶋や王の時代の名選手たちのサインが壁にさりげなくかかっているのが老舗っぽい。まずはビールの大瓶に餃子、酢豚、チンジャオロースとお約束のメニューを味わうが、大鍋から繰り出される料理は、ところどころ塩が他の場所よりほんのちょっと濃い場所があったりして、そのグラデーションがカジュアルで好ましい。〆には半チャーハンと焼きそば、それも固焼きとソース味を頼めるところが何とも贅沢である。ビールの後に紹興酒も飲んで、”日本の中華”を二人でたらふく食べ6000円もしないと、なんだかひどく得した気持ちになってくる。日本人が料理する町の中華料理店よ、ガンバレ!。
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