セレブリティ・ミレニアム日本一周春色クルーズ(6)まとめ
本船はその後、青森・仙台と寄港し横浜へ戻って8泊のクルーズが終了した。青森では港から約5キロ離れた合浦(ガッポ)公園までジョギングして満開の桜を満喫、仙台は妻に付き合って三井仙台新港アウトレットでショッピングをした。日ごろ妻がアウトレットに行くなどというと「妹と行ってこい、俺はウチにいるから」と拒否するところ、クルーズ中だと「まあ付き合ってみるか」という心境になるのは、非日常が我が心境に変化を及ぼすのだろうか。
このクルーズは終日航海日に雨天が一日あった他は天気に恵まれ、海も「春の海ひねもすのたりのたりかな」と凪ぎ、穏やかな日々を過ごす事ができた。セレブリティーは2008年夏にアラスカクルーズで乗船した際、食事も良く満足した思い出があるので、今回の日本発着では同社初の「自主クルーズ」に乗船する事にしたが、予想にたがわず楽しいクルーズであった。思いつくまま今回のクルーズをまとめてみたい
- 旅行会社のチャーターではないものの、船内紙(セレブリティ・トゥデイ)の日本語版発行や日本語の船内放送の他、各所に日本の総代理店ミキ・ツーリストの係員が配置され、頑張って日本語の対応をしていた。
- メシがうまいと云われるセレブリティー船の評判通り、フランス人の総料理長の下、各レストランでは味付けがしっかりなされており、外国船としては料理は総じて美味しかった。ただしディナーで一度選んだラビオリはちょっと味が薄く感じた。
- 甲板部や機関部の職員(上級船員)はギリシャ人、サービスクルーはバトラーがフィリピン、部屋係りがインド、そのほかロシアや東欧のクルーも目だったが、どのクルーもフレンドリーかつ日本語の挨拶を試みてくれて気持ちがよかった。マイケルズ・クラブのインド人サービス掛が最初ひどくぶっきら棒かと感じたが、ただシャイだけだったようで、何回も酒の補給に通ううちに「これも飲め、これはうまいぞ」と勧めてくれたものだ。
- 船内の内装についてはコンテンポラリー調というのか、好感のもてる近代的なデザインが特徴的だった。同じプレミアムクラスであるホーランド・アメリカ船のちょっと華美なオランダ調装飾、プリンセスクルーズ船のやや小ざっぱりした意匠と比べると、私には本船のデザインが過不足なくモダンな感がした。
- 洋上を航海だけする日々は少なかったが、船内で催されるイベントは多すぎず少なすぎずで、特にショーは大がかりで本格的だった事が印象深い。やはり船が大きくなるほど、船内ショーにはお金がかけられるのだろう。
- 本船はアジポッド推進のため機動性に優れ、各港でのタグ手配は一パイ、それもタグラインを繰り出すわけでなくスタンバイして緊急時に備えているだけである。船体中央部では乗船している事さえ忘れるくらい振動が少ないのも、この推進システムによるものだろう。
- ただし細かい点では幾つか気になった点はある。たとえばバスタブで湯につかり頭の上の換気扇をふと見ると、ホコリが換気扇周りにびっしりで掃除をしていなかった(外国人はバスタブにゆっくり使って天井などあまり見上げないのだろう・・・)。そのほか本船の位置を知らせるテレビスクリーンが全船で航海中まったく作動していなかった。下船時のアンケートではその旨指摘しておいたが、飛鳥Ⅱやにっぽん丸など日本船のきめ細かいサービスと比すのは値段の上からもちょっと酷であろうか。
という事で、2度目の乗船でセレブリティクルーズが気に入った私達は、思わず来年の地中海の同社のクルーズを船上予約してしまった。もっとも船上予約は変更・取り消し・延期可能なのだが、この快適さなら日本の旅行社のツアーに頼らずとも、自分達で試してみようかという気になったのだった。
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