2017年春 東京六大学野球 見よや十字の旗かざす がんばれ立教健児
8週間に亘る東京六大学野球2017年春季リーグ戦も、第5週まで東大を除く5校が勝ち点2で並ぶまれに見る大混戦であった。先週末の第6週では慶應が明治に連勝するとともに、立教が早稲田に2勝1敗で競り勝ち、これにより立教は今週末の明治戦で連勝すれば1999年秋以来17年ぶりに優勝する事になった。ここで立教が明治戦に1敗または勝ち点を落とせば母校慶應のほか他の大学にも優勝の望みが出てくるので、本当は明治の応援をしたいところだが、21世紀になって初めての自力優勝にあと一歩と迫った立教を応援したい気持ちも湧いてくる。
そもそも東京六大学野球は、お互い尊敬できる相手として認めた固定の学校同志のリーグで、対校戦でもあるから、入れ替え戦を行っている他のリーグとやや性質が異なる。ゲームの運営はもとより応援のマナーに至るまで、固定メンバーで培った永年の伝統の上にリーグが成り立っているのだから、自分の母校だけが強ければ良いというものでもない。こうしたリーグ全体の繁栄を望む観点からすると、東大の奮起を期待するとともに、次週の明ー立戦では立教の連勝があっても良いかと云う気持ちにもなるのである。
という事で、立教が前回優勝した1999年秋は、いったいどういう選手たちが活躍していただろうかという興味がにわかに湧いてくる。さっそく何十年も神宮球場に足を運んでは、春と秋のリーグ戦に一部づつ買っていた50円のメンバー表の1999年秋版をスクラップブックから取り出してみた。すると立教は投手にこの秋のベストナインだった3年生の上野裕平(金沢辰己ヶ丘)、ちょっと変わった投げ方でその後プロに行っても何かと話題だった多田野(八千代松蔭)、今ではアナウンサーとしてテレビで活躍している上重(PL学園)などが1年生投手としてメンバーに名を連ねている。その他2塁手ではやはりPL出の石田選手なども立大では記憶に残る選手であった。他の学校はと頁をくると早稲田の藤井(今治西)や鎌田(秋田経法大附属)、慶應の山本省吾(星陵)、明治は木塚(浦和学院)や的場(上宮)、阪神で活躍する安藤(大分雄城台)などが法政にいたシーズンである。
こうしたメンバーを眺めていると当時の雰囲気や各選手のプレーぶりが鮮やかに脳裏に蘇るが、同時にわが身を振り返ると、会社の合併やら出張など極めて忙しかったその頃の出来事が頭に浮かんでくる。学生野球の思い出と、我が記憶の糸はかなりシンクロしているようだ。さて、もし今春このまま立教が優勝すれば、いま現役で学校に通う立大生には神宮球場の優勝場面や祝賀パレードの事が、大学時代の他の思い出とともに永く記憶に残る事になるだろう。17年間もそういうチャンスがなかったのだから、素敵な思い出を彼らにプレゼントしたい気持ちになるとともに、「いや待てよ、立教が負ければ慶應にもチャンスが出てくるし」という思いもまだあって、なにやら複雑な心境で週末の戦況を見つめる事になるだろう。
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