e-learning
定年後の人材再雇用で、嘱託として勤めた現在の会社を3月末でやめる。世界一周クルーズを楽しんだ期間はお休みをしたが、それでも考えてみると在籍は5年半以上になり、軽い気持ちで2~3年くらいかと思っていた当初の予想をはるかに越えてしまった。この間、主な仕事と云えば若手社員への教育の他、船の運航・契約に関するさまざまなトラブルの対処やその指導などであった。
永い間勤めてきた前の会社では、後半は上司として部下に指示すればよかったが、他社へ再就職した嘱託のオヤジの身とすれば、若い社員に混じって同じ目線で業務を進める必要がある。現代の若者の感性に触れつつ、IT化された今の時代の仕事の進め方をかじったり、中国が海運業界に入った後のさまざまな新しい事象に接する事ができ、それはそれで少し脳が活性化されたような気がしていた。
もっともそんな中で嫌だったのが、役員・社員や嘱託も含め社内全員が受講しなければならないeラーニングであった。このeラーニングたるもの、「コンプライアンス」やら「環境」「インサイダー取引」など社会の先端をいく題目についてパソコンで学習するシステムなのである。本来の船舶営業とはあまり関係ない課題が多いし、かつて船屋の仕事とは儲かってナンボのもの、まず接待やゴルフだと我々は教えられてきたものだ。いくら時代の要請とは云えど、心のうちでは「ケッ!!」「時間の無駄」などと思わず悪態をつきそうなeラーニングの分野である。
これがもし講習会だったらイヤイヤの強制参加でも会場で居眠りをしていればよい。しかしパソコンをひらき次々に現れる画面に対応したうえ、最後の卒業テストに合格しないと解放してもらえないのがeラーニングの辛いところだ。難行苦行のあげく、やっと卒業かと思って画面を閉じると一箇所クリックし忘れた箇所があり、最初からやり直し!の羽目に陥る事も幾度か。「メシおごってやるから誰か俺の代わりにこのパソコンでテスト受けてくれ~!」と若者に何度弱音を吐こうとした事であろうか。我々の年代はネットに弱いのだ。
今回退職にあたり何が嬉しいかと問われれば、永久にeラーニングとお別れする事と答えたくなってくる。これで「あなたはまだ受講していません」などとシステムから警告される事もなくなるのである。もっとも一緒に働いた若者たちが開いてくれた送別会では、私に対して 「5年半前、当時の取締役の紹介、それもその取締役よりずっと年上の人が会社に来ると聞いて、正直めんどうくさ~、と思いました。」「でも一緒にやっているうちにそんな気持ちもなくなりましたし…、」「会社を辞めても一緒に飲みに行きましょう。誘っていいですか?」などと彼らが言ってくれ、例えそれがお世辞であっても嬉しかったのであった。
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退職、お疲れ様でした。
これで何の気兼ねなく飛鳥に乗れますね。
投稿: 親スズメ | 2017年3月30日 (木) 03時16分
親スズメさん
いつもコメントありがとうございます。
退職すると急にケチになるのでは、と妻が危惧しています。
そうならない様にしたいものだと思いつつ、明日の最終日を迎えます。
投稿: バルクキャリアー | 2017年3月30日 (木) 22時03分