マイ・インターン
せっかく最新型の大型テレビを買ったのだから、その多彩な機能の一部でも使わないともったいない。という事でアマゾンから配信される動画レンタルを我が家で楽しむ事にした。なにしろ新しい映画が一本399円で、48時間以内なら何回でも見る事ができるのである。これでレンタルビデオ屋に行く必要もなく、TVのリモコン一つでカウチポテトが楽しめるのだから便利な時代になったものだ。さっそく先週末には「マイ・インターン」をためしに選んで視聴してみた。「マイ・インターン」は2015年秋のリリースだからちょっと時間が経っているが、人づてにとても面白いと聞いていた作品である。
話はアパレル販売で成功するワーキングマザー(アン・ハザウエイ)率いる会社に、シニア研修生として70歳のベン(ロバート・デニーロ)が応募するところから始まる。わが国では最近「きれる老人」が問題になっているが、主人公ベンは永年培った社会人としての経験をいかし周囲に穏やかに接し、次第に皆の信頼を得ていくのである。電話帳をつくるという古い会社に永年勤続していたベンが、時代の先端を行く企業に勤めるという設定や、ネットにやや戸惑いつつも仕事を忠実にこなすという映画のプロットにはとても共感を覚える。とくに彼が「なぜ、みんなシャツのすそを(ズボンに)しまわないの?」と職場の若者に言うセリフは思わず拍手したくなってしまった。
それにしてもふだんは悪役かちょっとふざけた役柄が多いのに、今回は年齢に似合わない前向き、かつ誠実な役のデニーロで、アン・ハザウエイ扮するやりての女社長と『友情』で結ばれる展開が粋である。カジュアルな職場ながら、びちっと背広を着て上品なネクタイをしめているデニーロを見ているうち、思わず「俺もああいう老人になりたいなあ」などと口走ると、傍らの妻は「是非そうしてね、お願いだから」となにやらニヤニヤ笑っていたわが家のリビングであった。ベンの人柄や人情の機微によって、周囲が順風になるさまを見ると、こちらも何だか幸せな気分になって、「イヤー!映画って面白いですねえ」とかつて淀川長治氏が言っていた言葉を胸に思い出したのだった。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!
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