安倍首相の真珠湾訪問
安倍首相が年末に我が国の現役首相として初めて真珠湾を訪問し、オバマ大統領とともに犠牲者の慰霊をする事になったと云う。開戦75年目にあたる12月7日(現地時間)ではないものの、このニュースを聞いて、とても喜ばしいことだと安倍首相の行動を素直にたたえたくなった。これについてはオバマ大統領の広島訪問に際し、今年5月30日に私はこのブログで次の様に書いている。
引用始め
『こうして私は、オバマ大統領の事をやや見直したところだが、さて今年12月で75周年になる真珠湾に安倍首相は行くのだろうか。オバマ氏の広島訪問が必要ないと考えていたのと同じく、私は安倍総理も真珠湾の行事へは参加すべきでないと思っていた。しかしここで誰が次の米国大統領になるかに係らず、オバマ氏の広島訪問に次いで安倍首相が真珠湾に行く事によって、日米の絆がゆるぎない事を世界に示す事ができるのではないだろうか。中国の無法な振る舞いが地域の脅威になりつつある今、これによってかつての敵同士であった日米が世界で最も信頼できる同盟国になり、その間にクサビを打つ事が容易でない事をより強く世界に示せるだろう。それと共に首相が未来に向けたスピーチを真珠湾で行えば、いつまでたっても謝罪や賠償が基準となる韓国へ、我らが次元の高さを示す事にもなるのではないか。』引用終わり
さてオバマ大統領の弱腰な外交姿勢によって世界で紛争地域が広まったと云われたが、広島でのスピーチを聞くと彼の平和希求への思いの一部なりとも忖度する事ができ、私の心の中では、オバマ氏に対する評価もやや改善されたところである。ここで後を継ぐトランプ新大統領は中国への批難をツイッターで始めたり、台湾の総統と異例の電話会談をしたりと中国を牽制し始めたが、一方で選挙公約どおりTPPに参加しないとなれば中国の思うつぼであって、この新政権が一体全体どういう方向に進むのか甘い予断はまったく許されないところだ。
こういう時期における安倍首相の真珠湾訪問は、オバマ氏の思いを果たすとともに、トランプ新政権に対しても少なくとも一定程度以上のポイントをあげる時宜を得たものになるだろう。もっともトランプ氏の言動をみるにつけ、文春新書の「自滅するアメリカ帝国」で伊藤貫氏が述べる様に(8月15日ブログ)、日本がアメリカの属国的な地位にある事を脱し真の独立国になるためには、少数の核兵器を持つ事が本当は有効なのであろう。軍事費をミニマイズしつつ安全保障を全うするためには、一番の抑止力を持つ核を少数でも保有する事が、ポピュリズムが到来する国際社会において、独立を担保する有力な手段である事は論を俟たない気がしてくるのである。
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