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2016年10月 2日 (日)

飛鳥Ⅱ 秋の日本一周・韓国クルーズ (3) 境港編

20161002
境港入港・左方が岸壁、右の水路が境水道 

航海5日目朝、大山の彼方から上る朝日により、山の影が日本海に映るのを左舷に見つつ、飛鳥Ⅱは境港に入港した。境港は米子から伸びる弓ヶ浜の突端にあり、島根半島が防波堤の様に町を日本海の荒波から護り、港が面する狭水道は日本海と中海という汽水湖をつなげている。大山や弓ヶ浜の雄大な景色を飽かずに船上から眺めていると、かつて読んだ志賀直哉の「暗夜航路」の情景が頭に浮かんできた。小説のクライマックスで主人公の時任謙作が早暁に大山から望むと、遠く中海や弓ヶ浜にかかっていた大山の朝の影が、次第に山すその米子の町へたぐりよせられていく例の有名な場面である。今回はそのシーンを反対の海側から見る事ができ、とても心に残る飛鳥Ⅱの入港であった。


鳥取県の西端にある境港は江戸時代は北前船の寄港で賑わったと云い、境水道を挟んで港の反対側(島根県)には、海上安全・大漁・商売繁盛などの神様えびすさまの総本宮である美保神社がある。また中海を西にたどれば宍道湖の向こうに出雲大社が鎮座するというロケーションで、まさにこのあたりは日本の国造り神話と外海・外界との接点に当たっていた場所のようである。大陸や朝鮮半島にも近いから、上代・古代から海の向こうからも様々な影響があっただろうし、多くの民俗学者や歴史学者が、このあたりの水路や地理の事を研究している事であろう。


さて境港市は漁港として有名だが、三万数千人の小さな市ゆえか、町おこしとしてここの出身者である漫画家の水木しげるを前面に出している。例によって着岸後、本船を飛び出し、ジョギングしながらJR境線の終点境駅前から700米ほど続く水木しげるロードを辿ってみると、「ゲゲゲの鬼太郎」に出てきたキャラクターの像が道の両側に置かれ街路が整備されていた。ただ私は、昔から水木しげるの作風やら妖怪には興味がなかったから、ここはさっさとパスし、水木ロードのすぐ近くにある大港神社に行く事にした。神社には江戸時代に日本の各地の船主などから奉納された石の鳥居や、長明燈、手水鉢などの石物などがあって、境港が近世において海運の要衝であった事を偲ばせてくれるのだった。

大港神社の境内
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