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2016年9月

2016年9月28日 (水)

飛鳥Ⅱ 秋の日本一周・韓国クルーズ (2)函館編

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トラピスチヌ修道院

乗り慣れると云うのはこういう事を指すのだろうか。半年ぶりに乗った飛鳥Ⅱには非日常感をあまり感じないし、何より船内では顔見知りの乗客が急に増えてあちこちでお喋りの花が咲き、時間がいくらあっても足りないくらいだ。五百泊も乗ったアルバトロスクラブの方々には及ぶべくもないが、”本船が我が家”的感覚は宿泊数に応じて幾何級数的に増してくるようだ。こうなると別荘を、などと考えたり、時差やら飛行機の乗り降りがある海外旅行に耐えたりするより、楽ちんな船旅にもっとお金と時間を割こうかとも思うが、今のうちからこれにハマってしまったら、もっと年寄りになった時にどうなるのか思案のしどころである。


などと難しい事は抜きにして、函館、境港、釜山、佐世保、門司港と回り、11泊の日本一周航海は早くも後半になってきた。最初の寄港地、函館では1000円のバス・市電1日乗車券を使い、トラピスチヌ修道院と函館山に観光に行った。函館の女子修道院とかキリスト教と聞くと、私は若い頃に憧れた函館を舞台にした石坂洋次郎の「若い人」をどうしても思い出してしまう。高校生の時分「若い人」の文庫本を二度ほど読んで恋に恋したし、大学になってからはNHKの銀河テレビドラマとなって放送されたこの物語を、毎晩ひそかに楽しみにしていたのである。


と云う事でトラピスチヌ修道院の美しい前庭は、1972年のテレビの「若い人」の事を思い出しながら歩いていた。このドラマは主人公である東京から派遣された若き教師・間崎先生に石坂浩二、函館の奔放かつ美しい生徒・江波恵子が松阪慶子、そして間崎の同僚の香山美子演ずる橋本先生だったが、当時は画面を見ながら、ちょっと年上の香山美子に心惹かれた事が懐かく蘇った。修道院・函館山とめぐった後本船に戻り、今度は市街とは反対の上磯方面にジョギングで出かけたところ、たまたま七重浜の洞爺丸台風遭難の慰霊碑の前を通りがかった。1954年、1155名もの犠牲者を出した洞爺丸遭難の碑に頭を垂れ、飛鳥Ⅱの今航の安全を祈念したのであった。

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七重浜にある台風海難者慰霊之碑

2016年9月24日 (土)

飛鳥Ⅱ 秋の日本一周・韓国クルーズ (1)

遅い夏休みで飛鳥Ⅱの11泊クルーズに乗船している。と言っても先のワールドクルーズの船上特別予約割引に、船会社や旅行会社の各種クーポンやら泊数記念の特典をフルに駆使した、それなりに割安なクルーズである。その上、各寄港地のオプショナルツアーも全部で一つしか申し込んでいないから、港からは無料のシャトルバスと公共交通手段の移動とあって、下船前の精算書にもあまり驚かないクルーズとなることだろう。


初日は横浜を出て東京湾を抜け、関東に近づく大型台風16号から逃げるように本船は北上したが、フォーマルナイトの小久江船長のスピーチでは「ふだん、船舶の往来が激しい東京湾を航行しても小笠原航路の定期船と本船の他に動いている船がいなかったし、野島崎から北上するアメリカ行き船の銀座コースとも云える航路もこの船だけでした。十分安全への確信を持って航海を始めたのですが、台風の動きにふと『大丈夫かな?』との思いも胸をかすめました」との出帆だった。


それにしては大した揺れもなく到着した函館で、飛鳥Ⅱを降り洞爺湖のホテルに泊まり、新幹線で帰るツアーの乗客が百数十名が下船し、その後は船内にゆったりした雰囲気が漂っている。乗船客が少なくなったので函館からは夕食も一回制になって、そこかしこでこれまでのクルーズで知り合った人や顔見知りのクルーと合え、なんだかなじみの飲み屋に帰ってきた気がしてきた。「お帰りなさいませ」と日本人やフィリピン人のサービスクルーに言われるだけでなく、普段あまり合う機会のないフィリピンの甲板部のクルーから「Welcome back!」と言われると、「ここは第二の家だったか?}と感ずるが、これは一介のサラリーマンOBにしては分不相応に贅沢な錯覚であろうか。

2016
台風で船がまばらな東京湾

2016年9月16日 (金)

年に一度の一斉健康診断

気の小さい我が身にとっては、年に一度の一大イベントである会社の一斉定期健康診断が終了した。何度もブログにした通り、数年前までこの恒例イベントに向け、酒の量を減らしたり油濃いものを控えるなどして調整に励んだものだが、最近はそれも面倒になって「あるがまま」で受診しようと、直前の宴会でも誘われるままに杯を重ね、検査の前日もいつも通りフツーに酒を呑んできた。検診後しばらくして結果が来たが、予定通りと云うべきかやはり幾つかのリマークがついており、例によって会社の医務室に呼び出される事になった。「いちいち呼ぶな、健康などは個人の問題だから、半強制的に出頭せよというのは人権蹂躙だ」と内心ではむっとするも、それを声を出して言ったり、あるいは断固呼び出し拒否を貫くほど私は強くない。よって、今年もしぶしぶと会社嘱託の医師の診察を受ける事になった。


今回、普通に飲み食いした結果、基準値を超えたのは、いつもの血圧の他に中性脂肪と尿酸値である。しかし、そもそもこの基準値というのが、どうやって設定されるのか良くわからない。ネットで調べると、血圧に限らず検診の各種基準値は「20歳くらいから60歳」くらいの「健康」な人のうち、上と下各2.5%をとった中間の95%の人の数値を云うらしい。しかし血圧に関して云えば、健康診断の結果、50歳代では過半数が高血圧と判定されているそうだから、「高血圧だが健康」な人も母数に含まれているのだろうし、逆に20歳台の健診受診者が多ければ平均値はぐっと下がるであろう。そもそも健診に来た人のデータしかないはずだから、受診しない多くの人の数値はまったく反映されていないし、60歳以上の記録も入ってないから、簡単に云えば「若く元気(そう)で健診に来る人」から導かれた基準をベースに、老若男女を問わず上下限が決められ、皆がそれに合わせるべく国民的な大運動と医療費の浪費が為されていると云えよう。


これほど高血圧だらけの不健康な国が、なぜ世界有数の長寿国となるのかも疑問だが、医療関係者から云えば国民的健康診断を行い(こんな一斉健診をしているのは日本だけらしい)、厳しい基準を設定しているからこそ長寿国になるのだと反論も聞こえそうで、どちらが卵かニワトリなのか議論が尽きないところだ。私自身に関して云えば、直ちに大きな病院に行って検査を受けて下さいなどという重篤な結果がなくて今回もまずは一安心だったが、老化をもっと加味した柔軟な基準値が設定されるとか、酒飲みのための測定法が開発されたらとも思う。「毎年のように医務室に呼び出される」と夕食を食べながらブツブツ呟いていたら、傍らで妻が「学校の成績でもないのにあなたは結果に一喜一憂し過ぎ!」「ここ一年ほとんど休肝日を作っていなかったのだから、来週からまた禁酒日を作ればいいじゃない」と正論を述べるので、反論もできず、「たしかに・・・」と唸ったままその日はますます晩酌の杯を煽るのであった。

2016年9月13日 (火)

平和ボケ

都知事選挙に出た鳥越俊太郎が、「日本にどこの国が攻めてくるというのですか?」と集団的自衛権や日米安全保障体制について現政権の姿勢を否定的に語っていたが、彼の様なサヨクは今の憲法さえ後生大事に護っていれば、日本の平和は何もせずとも保たれると錯覚をしているようだ。そんな彼らをあざ笑うかのように、北朝鮮は5度目の核実験を成功させた上、今度の核弾頭のターゲットの一つは日本であると明言している。一方で南シナ海を廻る中国の脅威についてロシアは中国に同調的だし、当事国のフィリピンのドゥテルテ大統領は、南沙諸島問題で中国とどこまで毅然と交渉をするのか甚だ怪しい限りである。


尖閣では相変わらず中国は公船、漁船を繰り出し日本に脅威を与え続けており、次は漁民に扮した中国民兵の上陸かと現場はまさに一触触発の状況だと云う。一方で北朝鮮は韓国を火の海にすると広言しているし、中国は北朝鮮に本気で制裁を加えられるのかも疑問視されている。肝心の韓国は中国にすり寄ったかと思うと、日米の側に回帰したりと、東アジアは「どこの国が攻めてくるのですか」などと平和ボケしたサヨクの理解をはるかに超える魑魅魍魎、国家間の思惑が跳梁跋扈する世界のようだ。こうしてみると「諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と日本国憲法前文に謳われた世界とは、まるで逆方向に事態が進んでいる事がよくわかる。


こんな時に限って、いざとなったら国連があるなどと云う人がいるが、その国連はロシアと並んで中国が常任理事国で、彼らは安全保障理事会の議案拒否権をもっている。ロシアのクリミア問題然り、中国は先の国際司法裁判所の南シナ海についての判断を「紙くず」と切り捨てている通り、法やルールを認めない国である事が明らかになった。こんな国々がキャスティングボードを握っている国連に、我が国や東アジアの安全保障を委ねる事ができるであろうか。「『ドイツ帝国』が世界を破滅させる」(文春文庫)などで有名なフランスの歴史学者エマニュエル・トッドが、文藝春秋2015年9月号で意味じくもこういう趣旨の事を述べている。「日本が軍国主義だったのは20世紀初めのほんのひと時で、当時は世界中がそうだった。なぜ日本の軍隊だけが再び暴走すると日本人だけが恐れるのか」。大東亜戦争のショックから生まれた空想的理念主義による平和ボケをこの辺で改め、我々も憲法改正や国防、安全保障問題についてもっと真剣に考える時が来ていると思う。

2016年9月 7日 (水)

秋の予定表

暑かったり台風が来たりの日々だが、耳を傾けると虫の声もして外は秋の気配である。思い出すと会社員現役の頃は、秋となると週末に業務の付き合いゴルフ予定がたて込んで、あまりこの種目が得意ではなかった私にはひどく疲れを覚える季節であった。会社員の第一線を退くと同時に、下手な上にさらにスコアが後退し始めたゴルフに見切りをつけ、プレーのお誘いは断る事にしたので、以後秋といえども週末は自由時間が増えて喜んでいたものだ。と思っていたら、最近は友人たちがそろそろリタイヤするなかで、まだみな家に引きこもるにはエネルギーが有り余っているのか、先輩・後輩の縦関係や仕事や趣味の横の繋がりを通じ、週末に限らず平日の夕方も様々な企画が目白押しである。


ざっと手帳を眺めても、幹事に指名されてしまったのが小中学校の同期会や大学体育会全体の同期会で、こちらはいずれも300名ほどの同期生のうち常時集まるのが100名余りの会とあって、会の準備にも思ったより手間ひまがかかる。一方で大学の出身運動部の創立100周年記念パーティやら、新卒から30年以上勤めた最初の会社のOB会、さらに後輩の試合の応援など案内メールも多いが、こちらは幹事ではないから欠席しようかと思いつつも、あまりいつもお断りばかりしているのも気がひける。お世話になった人々、人生の一時期に深く関わった諸関係は可能な範囲で繋がっているのが人情というものだろう。


最近増えたのがクルーズをともにした乗船仲間との集まりである。といっても日本全国からの乗船者で世代も違う人達が何百人も同じ船に乗り合わせるのだから、その中で友人になるのは年齢的にも環境的にも比較的近い感じの人が多い。クルーズの船内で知った気の合う船友と、他船の話やらこれまで行った旅行の話を陸のレストランなどでしていると、時間が経つのも早く夜もあっと云う間にふけていくのである。こうして同級生など学校の仲間や運動部の仲間、会社の関係者などの従来の繋がりに加え、新しい付き合いが増えていくのも人生楽しいものだ。この秋の予定表もかなり埋まってきたが、飲みすぎの傾向がある私には、これらさまざまなお付き合いの回数は、週に2回くらいに控えておいた方が、経済的にも体力的にも良いようだと自戒するのである。


2016年9月 5日 (月)

ブエノスアイレスの丸の内線

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旧丸の内線770、側面にはステップが加えられている

南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで活躍していた営団地下鉄丸の内線500形車両が、20年ぶりに里帰りし横浜港で陸揚げされたと先ごろ報じられていた。これら丸の内線車両は地球の反対側、第2の職場アルゼンチンでも引退時期を迎え、徐々に新しい車両に置き換わるなかで、うち4両が鉄道技術の発展に寄与したという事で日本に帰って保存されるそうだ。我々も今年1月に飛鳥Ⅱのワールドクルーズでブエノスアイレスに寄港した際、旅の思い出として丸の内線車両が活躍するメトロB線に乗りに行ったからこのニュースを興味深くみていた。


考えてみれば今回里帰りした丸の内線の500形に初めて乗車したのは昭和33~4年頃であったろうか。開通まもない池袋から大手町あたりまで乗車した記憶があって、それまで乗り慣れた銀座線に較べて丸の内線は地上を走る区間が長いし、大騒音を撒き散らした銀座線車両のつり掛け駆動に対し、500形のWNドライブがきわめて静かな事が印象深かった。飛鳥Ⅱ船上の案内では、ブエノスアイレスの地下鉄は治安が良くないから単独行動で行くのはお薦めできないという感じであったものの、赤のボディに白い帯、帯の間には銀色のサインカーブが装飾された名車がまだ走っているというから矢もたてもたまらず駆けつけた。


時間の制約があり今回乗車したのは街の中心部フロリダ(Florida)駅から、B線の終点のアレム(L.N. Alem)駅までの僅か一駅間だったが、久しぶりに乗車したのは500形6両編成の先頭車770号。予想通り車体には落書きが多く、かつて輝いていた自慢の赤色もすっかりくすんで、お世辞にも車体はきれいとはいえないものの、その区間はオフィス街や商店街とあって、乗客の雰囲気も東京とそんなに変らない。ここは鉄道の規格が少し違うので、車両下部にステップが張り出していたのには違和感が残るも、かつて第三軌条のデッドセクションを通過する際、各ドア脇にともっていた小さな電灯が残っているのがひどく懐かしい。中南米では港湾に限らず各種輸送機器が中国製で席捲される中、こうして久しぶりに日本の名車両に乗るとやはり心和むのであった。

車体塗色はひどく毀損されているが、シートや車内壁に残るデッドセクション用の電灯(右上)、冷房がない車内のファンデリアなどが懐かしい
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