おめでとう山縣君 400米リレー日本チーム
リオ・オリンピックも最終ステージに入って、注目の陸上競技は日本人選手がメダルもないまま終わってしまうのかと思いつつも、先の週末はテレビで各種目の観戦をする。その中で金曜日の夜遅く実況された50キロ競歩は、荒井広宙選手が終始トップ集団に喰らいつき、どうにもテレビスイッチを切るわけにはいかなくなった。我々の時代は競歩と云うとインカレの得点かせぎとも思われた種目で、中長距離の下級生から歩くのに有望そうな選手者が選ばれては専門の訓練を受けたものである。しかし石川県の輪島では永らく競歩の日本選手権が開催されており、近年は地元の有望なアスリートが競歩を目指しているとの事で、荒井選手も経歴を見ると大学は福井県内、就職先もかつては北陸のホテルと競歩王国の出である事に納得。テレビで見る荒井選手の歩形はとても美しく勝負どころの判断も冷静と、まさに競歩の申し子のような選手で、彼の活躍を見てこの競技に進む若者が多くなる事を期待したい。
荒井選手の興奮さめやらぬ翌日、土曜日は、いよいよ400米リレーの決勝である。6月27日のブログ(山縣亮太君、祝オリンピック・リオ大会の出場)でアップしたように、日本短距離陣はそれぞれの個人種目より、400米リレーでコンビネーションを磨けば、そこそこの処まで行くのではないかと思っていたが、その期待通りに彼らは実によく走った。一走・山縣は例によってあぶなげないスタートで加速も素晴らしいし、2走・飯塚も前を追い上げて快走、3走の桐生は個人のレースよりずっとリラックスして素晴らしい走り(多分フラットレースなら9秒台か)、アンカーのケンブリッジにバトンが渡った時点では、日本がほぼトップの位置である。横を走るのはジャマイカのボルトとアメリカチームとあって、彼がどこまで逃げ切れるのか、テレビを見ている方も思わず力が入る。最後にボルトにやや離されたのは仕方がないとしても、全員9秒台を揃えたアメリカチームを(のち米チームは失格と判定)しのいでケンブリッジがゴールに駆け込むと、画面に向かって思わず「やったー!」と大声で叫んでしまった。
山縣君は、これで母校競走部のなかではベルリンオリンピック棒高跳びの大江季雄さん以来のメダル獲得者となって、来年の創部100年にむけてこれからOB会なども大いに盛り上げてくれる事だろう。そういえばテレビで彼を見ていたら、OB会の会費の他に、毎年払ってきた後輩への特別強化資金を今年はまだ払っていない事に気がついた。様々な優遇措置がある体育の専門的な学校に押されて母校は強化にも苦労しているのだろうが、こういう後輩が出てくるのなら飲み代を数回節約してでも、僅かばかりの寄付は忘れてはならないと自戒の気持ちが蘇ってくる。それにしても日本人は個々で劣っていてもチームワークなら世界と戦う事ができるのを見ると、来たるべき東京オリンピックは、地形や区間距離にバラエティーを富ませた駅伝競技を正式種目として国際陸連に認めさせる事ができないだろうかと興奮冷めやらぬ頭で考えていた。やー、オリンピックってやっぱり面白い!
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