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2016年5月26日 (木)

スポーツゴジラ 31号 たかがスポーツ紙 されどスポーツ紙

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特定非営利活動法人・スポーツネットワークジャパンが出している”スポーツゴジラ”という無料冊子がある。スポーツに関する著述が多いノンフィクション作家の長田渚左氏らが中心になって、野球の豊田康光氏、柔道の山口香氏などと共に 「商業ベースにとらわれることなく、真からスポーツを愛するための雑誌」 「スポーツに敬意を払い、心からスポーツを愛する人」 の為の雑誌(いずれも同法人のホームページ)という精神で発行されているそうだ。冊子は各地の大学キャンパスや都営地下鉄の駅構内だけに置かれているので、都営線に乗った際にはよくこれを持ち帰るのである。


その”スポーツゴジラ”31号が「スポーツ新聞ワンダーランド」と云う特集でとても面白かった。スポーツ新聞と云えば私も高校生の時分よりよく買ったが、当時はアンチジャイアンツ(と云うジャイアンツファン)で、負けた翌日に巨人の御用スポーツ紙である報知新聞を見るのがちょっとサディスティックで気持ちが良かったものである。また毎年秋から冬にかけて大学ラグビーのシーズンになると、ラグビーに紙面を割くサンスポもよく買ったものだった。会社に入れば昼休みに皆が買ってきた2~3のスポーツ紙を回し読みしたが、最近は電車に乗ってもスマホの画面に熱中する人ばかりで、スポーツ新聞がある光景が社会からどんどん消えていくのがちょっと寂しいところだ。


という事でこの”スポーツゴジラ”の特集号、まず「スポーツ新聞誕生秘話」では、日本で初めてのスポーツ新聞である「日刊スポーツ」が、戦後間もない1946年に誕生するいきさつやその成功の秘訣が詳述されていて、まるで終戦直後の世相史を読んでいる様な気分にさせてくれる。続いてスポーツ紙7社によるパネルディスカッションは、各紙の歴史や特徴、特ダネや誤報、取材の苦労話などが明かされるが、「『正しいのは日付けだけ』と言われる東スポの秘めたる取材力」による”人面魚”スクープの話題などが笑わせる。最後の池井優慶応大学名誉教授による「スポーツ新聞-アメリカの場合」の記事は、さすが大リーグ通の池井氏によるものと思わず唸ってしまうのである。


さてネットの普及で新聞の需要が減っているのに加え、団塊の世代の引退と新聞を売る駅の売店の数が減って、近年スポーツ紙の売り上げが大きく落ち込んでいると云われる。長田氏が本冊子の巻頭で誉めるとおり 、駅売りのアダルト面を宅配では別の記事に差し替え、 「日本的な細やかな配慮と努力で、庶民の生活に長く溶けこんできた・・・」 のがスポーツ新聞である。思い出すのはその昔、アメリカの事務所に一人で駐在していた時、週に一度ほど東京の本社から届く包みには、書類に混ざって友人達が入れてくれた週刊誌やスポーツ新聞があって、これが異国での無聊を大いに慰めてくれた事であった。私にとってスポーツ新聞とは、日本との絆を再確認させてくれたツールであり、日刊スポーツの荻島氏が書中で言うように 「たかがスポーツ紙、されどスポーツ紙 」なのである。

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