飛鳥Ⅱ 南極・南米ワールドクルーズ 業界誌
飛鳥Ⅱの100日に亘るクルーズを終え、4月1日からまた元いた会社に復帰し通勤電車に揺られる身となった。と云っても嘱託のオジサンだからルーティーンの業務などはなく、世界中の海で毎日の様におきる事故や事件に関する相談を受けたり、新しく異動してきた若手に講義したりと云った事が主な仕事である。しかし余程大きな係争事件にでも遭わなければ、それほど毎日の業務量が多いわけでなく、オフィスに居る時間がひどく長く感じるものだ。天国の様な船内からまた一介のサラリーマンに戻った訳で、この一週間はひどく疲れた様な気がしてならない。
その一方で友人の多くがそろそろ会社を去る時期で、電話がかかって来ては「無事帰ってきたか?俺もこれで都心ともさよならだから一杯やろうや」などのお誘いがやたらと多い。新聞に載っている上場企業の人事記事を見ても、交代する新社長はみな私よりはるかに年下ばかりとあって、どの会社も代替わりで老兵がしゃしゃり出る事もないかと寂しい気もする。そんな中、業界誌の古参の記者が来ると業務にやたら忙しい現役の部課長さんを捕まえるより、暇そうな私のところへ来ては駄弁って行く事がよくある。私もこれと云った話題がある訳ではないが、そこは永年のよしみ、今までお世話になった業界だからなるべく彼らの相手をしようと心掛けている。と先日「随分居なかったじゃない、どこか旅行でもしてたの?」と話しかけられたので、「うん、まあクルーズにね」などと雑談していたら、数日してその内容がコラム記事になっていたのでびっくりした。
引用すると 「 海運会の某OB『 飛鳥Ⅱで100日間世界一周に出かけてきました。南極や南米などすごく印象に残る船旅でした。』と日焼けした顔でにっこり。そこで『もちろん夫婦でということでしょうから、ずいぶん豪勢な旅だったでしょうが、100日間となれば船上で何日もという事ですから退屈しちゃうのでは・・・』と聞くと、某氏曰く『それがなかなかうまくできておりまして、いろいろな催し物があり、次から次へと時間がつぶれてしまいました。世界を回っていると、どうも客船ブームといった感が強かったですし、わが国も大型船が飛鳥1隻というのは淋しいことです。商売ということになると慎重にならざるを得ないかもしれませんが、それでいいのかなぁという気持ちにさせられます』としみじみ 」(ジャパンシッピングニュース 平成28年4月6日)。
記事になるとは思わず茶のみ話をしただけだが、なるほどベテラン記者、世相などを伝えるコラム記事はうまく纏めるものだとその筆致に思わず唸ったのだった。
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