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2016年4月18日 (月)

中国経済はどこまで崩壊するか

4ヶ月ぶりに仕事に復帰し、北米・南米やオセアニアの港から輸出される穀物や材木などの船舶のラインアップを見ているうち、ふと気づいた事がある。これらの国から中国向け輸出に配船される隻数が大幅に減ってしまい、代わりにかつての様に日本や台湾、東南アジア向けに使われる船が目立つようになっているのである。このラインアップは各港から輸出される荷物やその数量、いつ積み港に船が到着するかが一覧表になっているものだが、これを見ると中国に関連した国際貿易が大幅に減っている事が一目でわかるのである。こうした中国の経済の落ち込みはどこまで進むのかについて、今や中国は崩壊寸前とする説もあれば、まだまだ成長を続けると云う賞賛論まであって見方は識者の立場によって多種多様、その行く末についても人によって随分と考え方に開きがある様だ。


先のエドワール・ルトワックの 「中国4.0暴発する中華帝国」 による政略的な視点からの中国分析も興味深かったが、経済面から見るとこの国は一体どうなるのかも隣国に住む住人としては、にわかに興味が湧くところである。そこで店頭に並ぶ多くの中国本のなかから最も真面目そうに書かれている様に思えた、「中国経済はどこまで崩壊するのか」( 安達誠司著PHP新書 ) を手にとってみた。この本では日本の高度成長やバブル期の対応なども例にしつつ、 ①中国のバブル崩壊自体はそれほど世界の経済にとって大きな問題ではない ②但し中国の当局が正しい政策運営をしていないことから混乱が広がるかもしれない③場合によってはハードランディングの可能性さえあるとして、マクロ経済学的観点から中国の現状を分析し、その危機への対応を示している。


それによると人民元の固定相場制を死守する事が、今の中国の経済的な諸矛盾を引き起こすキーポイントであると云う。これを他の先進国並みに変動相場制にする事が必須だが、それは国内で不正蓄財されたマネーの問題などもあってそう簡単に行かないらしい。為替と関連して資本や経済諸活動の自由化、構造改革が経済成長には必要になるが、そもそもグローバルで自由な資本主義が、一党独裁の政治システムとマッチするかは疑わしいと筆者は云う。中国人の「経済観」も引き合いに出しつつ、ブラジルやアルゼンチンが陥った「中所得国の罠」に中国もハマるか否か。筆者はしばらくは中国経済が低迷する確率が高く、次いで為替が変動相場制にかろうじて移行し対外開放路線をとれば一定の経済成長を遂げるシナリオも在りうるとしている。この中国、私のような場外見物席から見ても共産党一党体制がどうなるのか、統計の信頼性が著しく低い中で、”新常態”なるものがどこに落ち着くのか、クラッシュしたらどうなるかなど野次馬的な興味は尽きないのである。

20160417

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