ラテンアメリカ
その昔、船乗り達の間ではコロンビアの港は「男は泥棒、女は女郎坊だぜ」と言われたほど治安の悪い国だった。しかし飛鳥Ⅱが入港したカルタヘナの町は高層ビルが立ち並ぶ一方、世界遺産に指定された旧市街地はすっかり観光地化されており、往時のそんな流説が感じられる酷い場所は我々が訪れた場所にはなかった。資源開発などでコロンビアの経済も伸びたそうで、タグボートやクルーズターミナルなど港の設備もとても立派だし、やはり経済が発展していく事は総じて人々を幸福にして行くのだと実感する。
カルタヘナの翌日はパナマ運河である。いつ出来るのかと訝っていた第2パナマ運河の工事もどうやら完成間近のようで、間もなくこれが開通する事がわかったが、そうなるとパナマックス型が主流の商船や客船、さらには軍艦の世界がどう変わっていくのだろうかと仕事がら興味津々である。それにしても40年前に初めて訪れたパナマ市は低い建物が連なる汚い町だったが、運河を通峡して遠望する町は高層ビルが立ち並んでいる事にここでも驚いた。僅かづつでも世界は進歩しているのである。
40日ぶりに太平洋に戻ってきた本船は、コスタリカのプンタレナスとメキシコのアカプルコに入港し、長い長い中南米のクルーズの旅がここで終わった事になる。振り返ってみるとチリの氷河や南極の氷の世界、それにリオのカーニバルなどはとても印象深いが、それ以外はそれぞれの町がどうであったのか記憶がしばし渾然となる。2011年のワールドクルーズではアジア・アフリカ・ヨーロッパ・北米・カリブとはっきり特徴が別れる場所に寄港したのに対して、ラテンと一括りにされる中南米の各地は町の雰囲気が似ていた感がする為だろうか。ただ今回はそういうラテンの世界に馴染む事が出来て、帰国した後はニュースなどを見るにつけ、これらの国への思いも深まっていく事であろう。
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