« ラテンアメリカ | トップページ | カタフリ »

2016年3月 3日 (木)

飛鳥Ⅱ2015-16南極南米ワールドクルーズ終盤

160226_181248

1週間前後のクルーズに乗船すると、その中に寄港地が数ヶ所あって終日航海日だけというのはそう多くない。船内でのダンスなど習い事もホンのさわりをやるだけで、ゆったりした航海だけの日が欲しくなるほどである。反対にこのクルーズは入港している日々のほかに運河や氷河、南極など風光明媚な場所を見る日を加えてもその日数は30日弱で、終日航海日が70日以上と海の上にいる時間が長いクルーズである。こんなクルーズの中で発見したのは、船内では鼻毛があまり伸びないと云う事であった。周囲が大海原だから空気もキレイで、鼻毛も伸びる必要がないのだろう。また日ごろ医者に朝・夕決まった時間に測定せよと云われている血圧も、ここではひどく安定していて、陸上よりも上も下も10くらい低いのである。


この様に陸地にいるよりストレスは圧倒的に少ないが、それでも船内でも感じの悪い輩がいて腹が立つ事もままあるし、何か心配事があったり、はたまた何となくムシャクシャしたりする時に、ちょっとクルマを運転したり町を歩いて気分転換すると云うわけにはいかない。好きな音楽を聞こうと思っても持参したソフトはごく限られていて、無償に「ああ、あの音楽が聞きたいな」と思う事もある。その昔、貨物船に実習で3ヶ月乗船していた時は、クルーの面々が「ここは金の貰える刑務所だよ」などと自嘲的に言っていたが、飛鳥Ⅱも良く云えば「動くホテル」、今回は船客の平均年齢が70歳代なかばとの事で「動く養老院」だと云えなくもない。


それでも一日が終わり水平線に沈む見事な夕日を見ながら飲むビールは陸とは一味違うし、時々刻々変化する海の色やたまに姿を見せるイルカの群れなどを見るのは素晴らしいものだ。時間を気にして空港に行ったりする手続きもなく、港に着いて船を出るとそこはただちに見知らぬ異国の地であるというクルーズの魅力は何物にも代えがたい。まさに自分のキャビンが、いつの間にか自分を知らない土地に連れて行ってくれるという感覚である。我々にとって相当な覚悟で出費した今回のクルーズだが、今回も知り合った多くの友や様々な思い出の他に、きっとかけがえのない「なにか」を得ているであろう。さて横浜までまだ2週間ある。最後まで旅を楽しむために、残りの期間どう船内生活を充実させるか考える時期である。

« ラテンアメリカ | トップページ | カタフリ »

船・船旅」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ラテンアメリカ | トップページ | カタフリ »

フォト
2023年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ