イースター島など絶海の孤島
モアイ像で有名なイースター島はチリに属し、本土から遥か3700キロも離れた南太平洋に浮かぶ孤島である。こんな島にはこの先2度と訪れるチャンスがないだろうが、そこに簡単に来れるのがクルーズのメリットと云えよう。と云う事で周囲60キロ、伊豆大島ほどのイースター島に飛鳥Ⅱは新年1月7日に到着した。島の港湾施設が貧弱なために本船のテンダーボートで上陸する上、島内受け入れ側の交通手段もキャパシティに制限があって、乗客は決められた時間に下船し島内では集団で行動する事になった。
このイースター島には工作しやすいと云われる凝灰岩の山があって、ここから10世紀以降18世紀頃までモアイ像が製造・切り出されて島内各地に運ばれたと云う。像の建立目的としては各部族の守護神的な意味あいや祭祀用のためだったと云われるが、さらにより宗教的・墓碑的な背景もあった様で、はっきりしたその存在理由はいまだ分からないらしい。このモアイ像は単独で立っているものから15体が列をなしている壮観なもの、さらに倒壊しているのや製造半ばで放棄されたものまで島内のあちこちで見る事ができる。これらを見ていると、テレビ「世界不思議発見」のミステリー・ハンター、竹内海南江ちゃんが今にも眼前に現れそうな気がしてくるものだ。
さてニュージーランドから南米チリまで、タヒチやイースター島寄港を除き、南太平洋を横断するという退屈な日々ではあったが、この間に映画「バウンティ号の反乱」で有名なピトケアン島に接近した。ここは1790年イギリス船バウンティ号で船長に反乱をおこしたクルーが辿りついた面積4平方キロ余の島で、以後その子孫を中心に数十人の人々が住んでいる。現在の人口は50数人だそうで、定期航路も飛行場もない絶海の島で彼らは一体どういう生活をしているのだろうか。遺伝的学的にも極めてユニークな例が見られるのではなかろうか。そのほか「ロビンソンクルーソー漂流記」の舞台になったロビンソンクルーソー島が今では有人の島であるのを見たり、大海原の航海中でも、興味深い事物が眼前に展開して行くのである。
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