海の民・タヒチから
飛鳥Ⅱはタヒチ諸島のモーレア島に2015年暮れの30日に着いた。ここは映画「南太平洋」の舞台になった島で、画面にも出てくる特異な形状の山、バリハイ山のふところに位置するオフレフ湾に本船は錨を降ろした。この山には現地の別の名前がついているそうだが、映画でバリハイの名があまりにも有名になったために、今では皆がこう呼んでいるとのツアーガイド説明である。そういえば遥か昔に渋谷の映画館に足を運んでリバイバル上映されていた「南太平洋」を見た事を思い出したのだが、今回こんなに近くまで来るなら映画のDVDでも買って見ておけば良かったと思った。
この日は天気予報が良い方に外れて好天気となり、申し込んでおいた「モーレア島ボート遊覧と無人島体験」ツアーを充分楽しんだ。これは現地の業者の小型双胴ボートに乗り、シュノーケルをつけて熱帯の魚を見たりさんご礁の海岸を楽しむツアーで、その一部にはなかば餌づけされたサメやエイと一緒に泳ぐ箇所もあって、なかなかスリリングな体験がであった。サメやエイといっても体調は1.5米くらいの小ぶりなものだが、彼らがウヨウヨ周囲にいる海を泳いでいるとやはり映画「ジョーズ」を思い出してしまい、なかなか他では味わえない気分である。もっともサメの中でも獰猛で危険な種類があると判ったのはごく最近の事だし、大半のサメは人間を襲ったりしないそうである。
さて本船はモーレア島に半日滞在後、数時間のシフトでその日の夕方にタヒチの首都パペーテに着いた。例によって入港作業を見ているうち、パペーテ港のヨット係留場にハワイのホノルルからやってきたクルーザーヨットがいるのがわかった。ポリネシアとは多くの島々という意味で、この辺りではこうして大海原を越えて航海するヨットがよくあるらしい。そもそもポリネシア人はインドシナ半島やインドネシアあたりに居た人々が遠い祖先で、航海術の進歩とともに海洋に乗り出し、トンガやタヒチ・ハワイあるいはニュージーランドに進出したと云う。もともとは同じ所から来たのでポリネシアに住む人々の話す言葉はとても似ているそうで、海洋を隔てて何千キロも離れていてもお互いにかなりの会話が成立するらしい。我々が習う世界史は平地や砂漠の民などの歴史だが、それとはまた違う海の民の歴史がここにはあるのである。
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