第5回大阪マラソン2015・失速しても・・・・・
夫婦で迎えた大阪マラソン。昨日は天気も良く、失速した際に使うエクスキューズが見当たらないレース日和となった。人気のレースで妻が申し込んだのは当選しやすいと云われるペア枠とあって夫婦そろってのスタートになったのは良いが、この集団の待機する位置ときたら、大阪城脇から速い順に並ぶランナー達のはるか後方である。スタートの合図をスピーカーから聞いて我々が動きだすのが10分後、スタート地点を超えるのにそこからさらに10分もかかるのは3万人以上走る大会なのでやむ無しであろうか。走り始めてからも、とにかく道一杯に立錐の余地なく、溢れる大河のごときランナー達だから、最初は混雑で思ったように走れないものと覚悟を決めるのである。
という事で最初の5キロを30分以上かかるのは予期していたが、5キロを過ぎて御堂筋に入っても前が遮られてなかなか進まないのにはいささか焦ってくる。右に左に人をかきわけながら進むのも有りだが、ここでの消耗は後でじっくりと他の疲労と重なって倍以上のお返しとなるから、今回は夫婦で並びつつ各5キロを30分刻みでゆっくり走る事にした。レース後半で間隔が空いてきたらそこで挽回するつもりでじっくり序盤は走りを進めるも、後からネットで配信された速報記録を見ると各1キロ走る毎に平均300人ほど抜いており、これでは人をかきわけるのに精一杯で走るどころではない。
といっても沿道の応援する雰囲気は東京とかなり違って「よ、眼鏡美人」とか「奥さんかっこいいよ」などとあちこちから声がかかった妻は「ね、今の聞いた?東京じゃないよね、やっぱり大阪!!」と気持ち良さそうに走っている。大きな声で必死のランナー達に向かって「みんな、明日は会社ちゃうのん?」と歩道から叫ぶ男性のツッコミに、走っている方からどっと笑い声が起こるのはさすが大阪!である。あちこちで「飴ちゃんたべ?」「おにぎりあるで!」「水かけたろか」と浪速の人情に触れながらゴールに向かってステップを刻んだのである。
妻と一緒にゆっくり走ればそう辛い事もないだろうとタカを括っていたがマラソンとはそう甘いものではない。以前から故障していた左足の腿付け根が15キロくらいから痛み始め、これを気にしていたら徐々に太もも自体が上がらなくなってきた。ところどころで立ち止まってはストレッチを繰り返したり左足を手で押さえて走る有りさまで、これでは後半は飛び出して挽回するどころではないのである。足の痛みは徐々に増すばかりで速度を落とすと、その後少しの間は痛みが遠のくが、また痛み出すの繰り返しとあって歯がゆいばかりのスピードである。いつも以上に疲労困憊するもゴールははるか遠く、レースはもういいから誰かが背中でも突き飛ばしてくれて、気づいたらリタイアしてベッドの上だったら楽なのに等と不埒な思いが浮かんでくる。
とうとう32キロで妻に「痛いから先に行って。ストレッチをしてから追いつくから。」と別れたのを最後、彼女に追いつく事もなくほうほうの体で予定より40分も遅れてゴールにたどりついたのであった。歳が離れている妻にはいつの日か走りで負ける事になると予想はしていたが、やはり現実になるとショックで、これが老境の始まりかと弱気になってくる。もっとも妻は「いつも私の存在などないかのように、自分のペースを堅持して行っちゃうのに、今回は終盤まで二人で一緒に走れて嬉しかった。知らない町でとても心強かったのよ。」とニコニコ顔。本当は飛び出して行けなかっただけなのだが、今回のマラソン唯一の成果は、妻との絆だけは深まったという事であろうか。それにしてもゆっくり走ってもスタミナは切れるし足は痛くなるのだから、やっぱり何万人も走る大きなレースでは、自分の記録相応で走れるスタート位置がとても大事だと改めて認識したのであった。
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大阪マラソン、お疲れ様でした!!
スタート地点の写真、僕のいたBブロックとはかけ離れた感じで、同じレースか?と疑うほどです。
レース後の疲労困憊の姿には、メンタル的なダメージもあったんですね…(笑)
大阪マラソンで250分のLSDをしたと思えば、良い鍛練だったのではないでしょうか。苦笑
しばし身体を休めて、また走りましょう!!
大阪の借りは東京で!(笑)
投稿: 院長 | 2015年10月26日 (月) 17時46分
お疲れさまでした。昨日は秋晴れのよい天気でよかったですね。痛められた足をお大事になさってください。大阪のツッコミを楽しみに来年も来阪下さい。
投稿: あきら | 2015年10月26日 (月) 20時08分
院長先生
いろいろありがとうございました。
いえいえ、あれが今の実力です。ノーエクスキューズです。
ただ走る前にちゃんと申し出てテーピングなどの施術をして頂いたら結果が少しでも違ったかもと反省しきり・・・。妻の膝のテーピング効果を見て思い知りました。
つくづくマラソンは侮ったらいけないと感じました。
投稿: バルクキャリアー(ブログ主) | 2015年10月26日 (月) 23時34分
あきらさん、
自分の成績は別にして大阪の沿道のノリに大いに楽しませてもらいました。
スタート直後には「あと40キロ。がんばれ」などという表示もあったとか。
今度は東京マラソンで新宿のスタート直後に「あと41キロ、がんばれ」とやってみようかと思いますが、東京でこのジョークが通じるか?
しばらくはフルマラソンはこりごりの心境ですが、何時の日か大阪にまた戻って来たいと思います。
投稿: バルクキャリアー(ブログ主) | 2015年10月26日 (月) 23時42分
大阪マラソン、走られたのですか。
お疲れ様です。
「あと40キロ。がんばれ」には笑ちゃいました。
私はフルマラソンは第2回東京マラソンを走っただけです。
その時の苦しみがトラウマになり2度とフルマラソンを走る気がしません。
また42キロを走りきる自信もまったくなくなりました。
走ったその日は毎日欠かさず飲んでいるビールも身体が受け付けず即布団に潜り込んだ次第です。
42キロはホントウに長いですね。
毎日ジョギングはしてますが、今は時々10キロかハーフの大会に出て美味しいビールを楽しみにしているだけです。
投稿: 親スズメ | 2015年10月31日 (土) 12時48分
親スズメさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
親スズメさんも東京を走られましたか。本文でも触れましたとおり、ハーフや10キロとフルマラソンはまったく別のスポーツですね。ビールがおいしいのもハーフより短いレースである事は間違いありません。
そのフルの苦しさがまた人々に挑戦意欲をかき立たせるのでしょうが、私も当分(いやこれからずっと?)はフルマラソンはごめんで、ビールのおいしい距離を選んで走るつもりです。今回のようにいつの間にか妻がエントリーしてしまったらどうするか迷うでしょうが・・・・。
投稿: バルクキャリアー(ブログ主) | 2015年10月31日 (土) 17時32分