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2015年10月

2015年10月30日 (金)

阪急・京阪乗り較べ

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阪急電車の三複線 向こうの神戸線、真ん中宝塚線、そして乗車している京都線

せっかく大阪まで来たからにはマラソンだけ走って帰ると云う訳にはいかない。日曜日のレースに備え金曜日の夕方に夫婦二人で来阪した我々は、土曜日の午前に大阪城近くスタート地点の下見を終え、午後は京都まで京阪間の私鉄乗り較べをする事にした。行きは大阪・梅田から京都・河原町まで阪急電車の特急に乗り、帰りは三条から京橋まで京阪電車の特急である。「ええ~??電車だけ乗りに行くの~?」とあきれる妻には「河原町の呉服屋でウインドウショッピングを付き合うから」などと何とか誤魔化しての往復である。


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速度計は114キロ

という事で土曜の午後のひと時、阪急梅田駅から二人して京都河原町行き9300系特急車のかぶりつきに陣取った。阪急に乗るたびに興奮する三複線区間が終わり十三を過ぎるといよいよ京都本線である。最近も神戸線には時々乗る機会があったが、京都線に最後に乗ったのは2800系の特急で今から40年ほど前になろうか。当時はまだJRが国鉄だったから私鉄との競争などあまり意識していない時代である。対してその頃の阪急の特急は、十三を出ると京都四条大宮までノンストップとあって、何と速くて快適な電車かと感激したものだった。


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新幹線と併走

今回十三を発車した特急は淡路・茨木市・高槻市・長岡天神・桂と昔の急行なみに停車駅が多いのはややがっかりだが、ボルスタアンカ付き台車をはいてぐんぐん加速する前面の車窓は素晴らしいの一言。運転士の独特の指差し換呼やデジタル表示の運転席の速度計を見入るうちに、電車はあっと云う間に時速100キロを越し関西私鉄お得意の高速運転に入った。時速115キロに達すると運転士はマスコンのノッチを力行(前進)の1ノッチ目から動かさず、どうやらそこが2000系オートカー以来の阪急の定速運転モードらしく、少々の勾配でも速度計はピタっと114~115キロを指したままである。ほどなく新幹線の線路が近づいて来るが、新幹線に乗る度に大山崎近辺で阪急電車と併走しないか期待しているのに、今回は逆からの光景とあっていつもと変わった視点が新鮮である。


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京阪3000系 特急

あっと言う間に京都・河原町に着いた後は、お約束のウインドウショッピングなどで場をしのぎ、帰りは予定通り三条から京阪電車に乗って大阪に戻る。それにしても京阪電車の始発駅・出町柳とは何と風情ある駅名だろうか。三条駅にやってきたのが(新)3000系の特急電車。たしか30年くらい前にテレビカーと呼ばれた赤とクリーム色の旧3000系の電車をわざわざ東京から乗りに来た記憶があって、当時は車内に液晶画面などないからカラーテレビを備えた京阪電車の先進性に目を見張ったものだった。今回もかぶりつきに立つと阪急と違って勾配や曲線が多く最初はなかなか高速運転が楽しめないが、寝屋川を過ぎお待ちかねの複々線では大いに乗り鉄を楽しんだ。「せっかくの京都だから名古屋帯の一本でも買ってくれるのかと思ってたのに」と傍らでいつまでもぶつぶつ言っている妻を横目に、こうしてとんぼ帰りで大阪に戻ってきたのだった。

2015年10月27日 (火)

第5回大阪マラソン2015・その後

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さて予定時間をはるかにオーバーしながら何とかゴールにたどりついた大阪マラソンである。思わぬ結果にがっくりし、とぼとぼ帰路についたがそれはそれ、記録にかかわらず新幹線の中での完走ご苦労さん会は別の楽しみである。あれだけのエネルギーを使ったのだから、今日ばかりはうんと体に悪そうなものを食べてやろうと、新大阪駅でサラミソーセージに唐揚げ、串かつ、焼き鳥にとんかつ弁当などをしこたま買いこんで新幹線に乗り込んだのだった。水分といえば朝から各給水所でスポーツ飲料ばかり飲んでいたので、口の中が妙に甘辛くて気持ちが悪い。ビールは500ml の「大」なのは当然として、スポーツ飲料の口直しにはウイスキーが良いかと水割りとハイボール缶も買っての乗車である。


車中、体が疲れ過ぎてビールが苦いと珍しい事を言う妻を横目に、プシューとタブを開けビールをゴクゴクと飲み始めると、これがいつものビールなのにやけに甘く感じるから不思議なものだ。苦味がビールの醍醐味だと云うのに、苦さを感じる神経が麻痺し、疲れで甘さを欲しがる本能が味覚を変えてしまうのか。甘く感じるビールを飲み干すと次はウイスキーを、と思うもこの日はなぜかウイスキーにあまり意欲がわかない。胃腸はそう疲れていないし疲労もそう強くはないが、体が「こんなきつい事を課しやがって、ちょっとサボらせてもらうぜ」と飲酒を拒否しているような感じさえする。


「魔の30キロ、地獄の35キロ」と幾度か書いた通り、フルを走ると20キロのレースやハーフマラソンにはない強い肉体的ダメージを受けるもので、どうみても40キロ超の走りは20キロ走の倍ではなく2乗くらい疲れる気がする。世の中には100キロマラソンやらウルトラマラソンなどと云う競技もあるが、私には42キロ以上は到底無理であろう。そんなフルマラソンを走った後は体内の細胞という細胞から水分を使い果たした様な感覚が押し寄せて、近ごろ年齢相応に増えたトイレの回数もその日はピタっと止まってしまう。大阪では朝8時のスタート前にトイレに行ったきり、ビールをいくら飲もうと東京の家に着くまで12時間ほど催さなかったし、その晩も寝る前にトイレに行ったきり、普通は明け方に行くトイレもなかったのだった。


さきの検診の結果、毎朝計れと医師から言われている血圧は、マラソンの翌朝は上下ともいつもより10以上低い事が今回わかった。体内のエネルギーが枯渇してしまい充電レベルが低下し、血圧まで下がってこういう事になるのだろう。まあ、こうやって一年に一度くらいはフルマラソンを走り切り、体内充電池をEMPTYにしたり細胞内の水分を出して、新たにチャージし直すのも健康面では何となく効果がありそうで、断食療法などはこれの静的版だと云う気がしてくる。一般的に運動は体に良いとは言われているものの、はたしてフルマラソンはそうなのかどうか解らなくなるが、こうして完走した後の2~3日間だけは、体重やら何やらを一切気にせず好きなものをたらふく食べ、運動もしなくて良いというのがご褒美、かつストレスからの解放、極楽生活である事は間違いない。

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2015年10月26日 (月)

第5回大阪マラソン2015・失速しても・・・・・ 

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スタート前の様子

夫婦で迎えた大阪マラソン。昨日は天気も良く、失速した際に使うエクスキューズが見当たらないレース日和となった。人気のレースで妻が申し込んだのは当選しやすいと云われるペア枠とあって夫婦そろってのスタートになったのは良いが、この集団の待機する位置ときたら、大阪城脇から速い順に並ぶランナー達のはるか後方である。スタートの合図をスピーカーから聞いて我々が動きだすのが10分後、スタート地点を超えるのにそこからさらに10分もかかるのは3万人以上走る大会なのでやむ無しであろうか。走り始めてからも、とにかく道一杯に立錐の余地なく、溢れる大河のごときランナー達だから、最初は混雑で思ったように走れないものと覚悟を決めるのである。


という事で最初の5キロを30分以上かかるのは予期していたが、5キロを過ぎて御堂筋に入っても前が遮られてなかなか進まないのにはいささか焦ってくる。右に左に人をかきわけながら進むのも有りだが、ここでの消耗は後でじっくりと他の疲労と重なって倍以上のお返しとなるから、今回は夫婦で並びつつ各5キロを30分刻みでゆっくり走る事にした。レース後半で間隔が空いてきたらそこで挽回するつもりでじっくり序盤は走りを進めるも、後からネットで配信された速報記録を見ると各1キロ走る毎に平均300人ほど抜いており、これでは人をかきわけるのに精一杯で走るどころではない。


といっても沿道の応援する雰囲気は東京とかなり違って「よ、眼鏡美人」とか「奥さんかっこいいよ」などとあちこちから声がかかった妻は「ね、今の聞いた?東京じゃないよね、やっぱり大阪!!」と気持ち良さそうに走っている。大きな声で必死のランナー達に向かって「みんな、明日は会社ちゃうのん?」と歩道から叫ぶ男性のツッコミに、走っている方からどっと笑い声が起こるのはさすが大阪!である。あちこちで「飴ちゃんたべ?」「おにぎりあるで!」「水かけたろか」と浪速の人情に触れながらゴールに向かってステップを刻んだのである。


妻と一緒にゆっくり走ればそう辛い事もないだろうとタカを括っていたがマラソンとはそう甘いものではない。以前から故障していた左足の腿付け根が15キロくらいから痛み始め、これを気にしていたら徐々に太もも自体が上がらなくなってきた。ところどころで立ち止まってはストレッチを繰り返したり左足を手で押さえて走る有りさまで、これでは後半は飛び出して挽回するどころではないのである。足の痛みは徐々に増すばかりで速度を落とすと、その後少しの間は痛みが遠のくが、また痛み出すの繰り返しとあって歯がゆいばかりのスピードである。いつも以上に疲労困憊するもゴールははるか遠く、レースはもういいから誰かが背中でも突き飛ばしてくれて、気づいたらリタイアしてベッドの上だったら楽なのに等と不埒な思いが浮かんでくる。


とうとう32キロで妻に「痛いから先に行って。ストレッチをしてから追いつくから。」と別れたのを最後、彼女に追いつく事もなくほうほうの体で予定より40分も遅れてゴールにたどりついたのであった。歳が離れている妻にはいつの日か走りで負ける事になると予想はしていたが、やはり現実になるとショックで、これが老境の始まりかと弱気になってくる。もっとも妻は「いつも私の存在などないかのように、自分のペースを堅持して行っちゃうのに、今回は終盤まで二人で一緒に走れて嬉しかった。知らない町でとても心強かったのよ。」とニコニコ顔。本当は飛び出して行けなかっただけなのだが、今回のマラソン唯一の成果は、妻との絆だけは深まったという事であろうか。それにしてもゆっくり走ってもスタミナは切れるし足は痛くなるのだから、やっぱり何万人も走る大きなレースでは、自分の記録相応で走れるスタート位置がとても大事だと改めて認識したのであった。

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今年の参加Tシャツはタイガース風?

2015年10月20日 (火)

『ドイツ帝国』が世界を破滅させる

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シリアの難民がドイツに押し寄せているとニュースが伝えている。東ドイツの崩壊で安価な労働力を得たドイツがいまEUで一人勝ちしているように、次は中東から来た人々を使ってこの国はより栄えようとしているのだろうか。「『ドイツ帝国』が世界を破滅させる」という刺激的なタイトルの新書が文藝春秋社から出版されて本屋の店頭を飾っているので、欧州の出来事には極めてうとい私でもそこで何が起きているのか知りたくなり、ついこの本を買ってしまった。筆者のエマニュエル・トッド氏は最近わが国でも名前が知られているフランスの歴史・人類学者で、世界の諸民族の家族形態が、各地域の国民性や経済にどう関連するかなど彼の独自の理論が注目されているそうである。


そもそも先のギリシャの国家財政破綻に関する騒動でも明らかな様に、ユーロという単一通貨を使ったEUという仕組みがいつまでもうまく行くと私にはとうてい思えない。国家の成り立ちや民族性の相違はもとより地理的条件も異なる国家同士なら、本来なら外国為替を通じて経済的な不均衡を調整するはずなのに、その手段をEUは持っていないようである。であるならば我が国の地方交付税交付金の様な各種の助成金などがあって、富んだ国からそうでない国への予算措置や財政支援があって然るべきだが、そういう仕組みもここにはないらしい。英国がユーロを採用せずポンドを基軸にしているのはけだし先見の明があったと言うべきではないだろうか。


トッド氏は本書でヨーロッパは「すべての国家がそれぞれのパワーの大きさにかかわらず平等に扱われる中、それらの国家間の力関係を度外視するリベラル民主主義の空間・・・。」を目指したはずだったと云う。しかし現実は「今言ったような創設神話とは似ても似つかぬもの・・」「今あるのは、信じがたいほどの階層序列システム」で「一方には弱小国、そして他方には強国(絶対的強国はドイツ)。弱小国が追い詰められ、自らの民主主義を奪われる一方で、社会を牛耳るべく現れてくる新しいタイプの人間はブリュッセル(ヨーロッパ委員会の所在地)、フランクフルト、ベルリン・・・」で、その結果ドイツ経済がヨーロッパの民主主義を破壊すると警告している。たしかに先のギリシャの混乱を見ると、トッド氏の指摘がいま大変な危機感をともなって現実になった事がわかる。


フランス人であるトッド氏が分析するところに拠ると、直系家族なかんずく長男が重視されるドイツと日本はとてもよく似た社会形態だと云う。そう言えばドイツ人と日本人がスイスのレマン湖で一緒に釣りをしながら「今度は日本とドイツでもっとうまく戦おうぜ、ただし次はイタリア抜きでな」と話すブラックジョークが以前はやったが、本書においても様々な箇所で日本がドイツと良い意味で較べられている。その一方で中国が新しい秩序を作らんとする東アジアにおける危機感について本書ではあまり言及されていないが、大陸の彼方の人達には難民の問題やフォルクスワーゲンの排ガス事件など、目の前でおこる問題に目が奪われてアジアは遠い世界の出来事なのだろうか。しかし文春編集部が本書のあとがきで述べている通り、最近のドイツの動きはアジアでの中国の台頭ともリンクしており、ユーラシア大陸の両側で二つの新しい覇権国家が出来ているという事実は注目すべき事である。

2015年10月15日 (木)

JR西日本227系新型電車のブリンカー

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東京を離れ各地に行くと、かつて国鉄時代に画一的に設計・配備された電車が、その地に応じて様々に改造されて、未だに活躍しているのを見る事ができる。例えば広島に行くと、ダイダイと緑色に塗られて大阪地区で走っていた115系電車が、グレーや白色に塗りなおされて働いており、車両自体はいささかくたびれているものの、その変わった色使いが鉄道ファンの我が目を楽しませてくれる。とは言ってもやはりJR各社が、それぞれ創意工夫を凝らして地区ごとに導入した新型の車両を見たり、それに乗ったりするのはもっと楽しい事である。


という事で、先日広島へ出張した際に印象深かったのが、JR西日本によって広島地区にぞくぞく新造増備されている227系新型電車だった。広島ベースのこの電車は、車両の内外共に赤ヘル・広島カープのレッドを意識した赤系の色でデザインされ、その愛称を”レッドウイング”と云うのだそうだ。台車は最近のJR西日本のお約束、一両にモーターのついた電動台車と付随台車を一台づつ配置した0.5M方式というのがわれわれ関東人には興味をそそられるが、この新型電車で一番目を牽くのが運転台の両脇やや下に突き出ているまるで馬の目隠し(ブリンカー)の如き巾30センチ、高さ1メートルほどの板である。


今回は呉から広島まで新型227系電車に乗る事ができキョロキョロしていたが、広島駅で乗務が終わって交代する運転士に「この板は何の為にあるのですか?」と尋ねると「乗客がホームから車両と車両の間に転落するのを防止するためです」との返事。なるほど東京や大阪と違いこの地区では乗客の多寡に応じて、編成を2両・3両から最大8両まで分割・併結するから、しばしば運転席がついた車両同士が隣り合って連結される事になる。運転席同士の連結は普通の妻面同士の連結より車両間のギャップが大きくなるので、酔っ払い客などがそこに転落する危険も多くなるようだ。最近ではほとんどが8両や10両固定編成の首都圏の電車にはない広島地区のひと工夫で、「ほほぅー!そうか」と思わず鉄オタの好奇心が呼び起こされたのである。

2015年10月14日 (水)

明治屋

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なぜか夫婦で走る事になってしまったフルの大阪マラソンが2週間後に迫り、先週の3連休は妻と二人で少なくとも30キロ超の距離を走ろうと云う事となった。10月末に行われるフルマラソンは、暑くて走り込みが出来ない夏場からあまりにも時間的余裕がなく、本来ならこの時期はレース前で疲労を取り除きたいところなのだが、已む無くの付け焼刃的な距離走である。30キロ以上走るとなると手っ取り早く一周5キロの皇居を6回強廻れば良いのだが、普段走り慣れているコースなので今さら6周もするかと考えると何とも気が重い。なので今回は気晴らしも兼ね、東京の中心を駆け巡る東京マラソンのコースを5キロ付近から35キロまで辿る東京の街走りにした。


という事で市ヶ谷近辺から日比谷・品川へ「ここにこんな店があったんだ」「今度このレストランに来てみるか」などとたわいもない会話をしながら時速10キロほどでチンタラとジョギングを続ける。三連休で賑わう銀座を駆け抜け距離も半ば、久々に京橋に差し掛かると進行左手に見慣れた明治屋のビルが目に入ってきた。再開発で建て替え中だった明治屋ビルもいよいよ完成間近とあって、表通りに面してかかっていた覆いがとりはずされ、そこには懐かしい街並みが再現されているではないか。ビルの外見は1933年に造られた以前の明治屋と寸分変らない風情に見えるのだが、その後ろは再開発された高層ビルに繋がっており、中身は完全に新しい建物である事をうかがわせる。


明治屋と云えば地下一階にある直営レストラン”モルチェ”に以前よく来ていたから、ビルの建て替えでお店がどうなったのか、走りながらも俄かに気になってきた。”モルチェ”は地下鉄・銀座線の出入り口に直結して便利な上、カウンターバーではまっ昼間からオジサン達が酒を飲む雰囲気が楽しげで、私もよくビールを飲みに来たものだった。街走りは余禄を楽しむ為にあるから、ジョギング中ではあるが妻に「ここでちょっと待っていて」と伝え、地下鉄の階段を降り入り口に立つと、この日は日曜で休業だったもののスナックバーだけはすでに営業を始めているらしい。レストランの方は来年の11月から再開予定との掲示を見つつ「そう云えばバーのカウンターを取り仕切っていたお婆さんは、再開後もまだ元気で働いているのかなあ?」などと懐かしさが蘇り、今度は会社の昼休みにビールでも飲みに来ようかと再び走るのを始めながら考えていた。

2015年10月13日 (火)

ラグビーワールドカップ2015・よくやったジャパン

イングランドで行われたラグビーのワールドカップ、日本チームは予選リーグで3勝を挙げるも惜しくもベスト8に残れなかったのがとても残念だった。最初の試合で南アに勝って以来、ジョ-ンズヘッドコーチ率いるジャパンの活躍に、私も試合当日はいつも深夜、早朝までテレビ前で観戦してしまった。なかでもキックで大活躍の五郎丸選手は、かつて早大在学中に母校が翻弄され、とにかくいやな奴という印象しか持っていなかったが、味方になると何と頼りになるプレーヤーなのか眼を見張った。以前の記録を見ると彼が在学中の早慶対抗ラグビーは対抗戦で慶應の4連敗、大学選手権では2回当たって2回とも負けているから、その名前を耳にすると不倶戴天の敵の如く思っていたが、今回は五郎丸さまさまである。


かつて新日鉄釜石の活躍などで盛りがったラグビーだが、私自身も最近はラグビーの観戦には母校の応援に秩父の宮ラグビー場に年に数回行くだけとなってしまった。ラグビー場に足を運ぶファンの数も減っているし、その観客席はと見ると東京六大学野球の様に見る側も高齢化が目立つようだ。正直に言ってジャパンの戦いなどはどうせ世界の強豪を前にコケ負けに違いないと、大会前はあまり興味も持っていなかったのだが、今回の奮闘には「ラグビーっておもしろい」とあらためて感動したのが事実である。またテレビで観戦していると、ロンドン近辺の各ラグビー場は英国各チーム以外の試合も満員盛況で、ラグビー競技発祥の地での人気を彷彿とさせる場面が印象的であった。


そういえば高校の体育の時間にラグビーの実習があって、突進してくる相手に向かってタックルするのがどんなに勇気がいる事かを身を持って体験したが、以来ラグビーの選手にはいつも尊敬の眼差しを向けてきたものである。「ラグビーは紳士のやる野蛮なスポーツ、サッカーは野蛮人が行う紳士のスポーツ」だそうで、次回のワールドカップは2019年に日本で行われるから、これを期にジャパンのさらなる強化に関係者は努めて欲しいところだ。ところで今回はジャパンの第三戦サモア戦を友人たちと一緒にテレビ観戦した。皆が「行け~!!!」などと叫んでいるときに、審判の笛と同時に「あれはオフサイド!」とか「倒れこみ!」などと解説の前にコメントするのはちょっとした優越感で、内心で一夜漬けのファンとは一線を画しながら”紳士のスポーツ”を堪能したのである。
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2015年10月 9日 (金)

驚異的な慶応の大型打線

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今年度のプロ野球志望届けを提出した選手が発表になった。いつも観戦している東京六大学野球リーグからは、先輩の高田が持つ通算127安打の最多記録に並んだ明治の高山(日大三)はじめ11人がプロを目指し、来るドラフト会議での指名を待つことになる。この中ではやはり我が母校・慶応の横尾(日大三)・谷田(慶応)・山本泰(慶応)の3人を贔屓目もあって注目してしまう。というのも9月12日に始まった秋のリーグ戦では、前半4週を過ぎた時点で放たれたホームラン39本のうちこの3人だけで13本、なんとリーグ全体の三分の一を叩き出しているからである。


日程の都合で明治・法政はまだ2カードしか消化していないのに対し、他の4校は3カードをこなしているため単純な比較はできないが、ここまでの慶応は、3年生の山口(桐光学園)の2本を含め全部で17本も本塁打を量産し、勝ち点3でリーグトップにいる。またリーグ全戦の長打(2、3塁打+本塁打)104のうち慶応だけで37(一試合当たり4.6)、短打を含む全安打308のうち76(一試合平均9.5本)、塁打149とダントツが慶応で、正にこの秋は打ち勝って来た事がわかる。現在リーグ戦順位2位の明治は東大戦が今週末で、東大は今季もそこそこ強いから、東明両校の奮闘とともに高山君の新記録や明治打線の数字が今後どう変わるのか見るのも楽しみだ。


この明治・慶応が直接対戦する次週の第6週が今季の優勝を左右する大一番になる事は必至だが、明治の投手陣・柳(3年・横浜)やプロ志望届けを出した上原(広陵) 対 慶応打線というのがこのカードの見所。ここで慶応投手陣エースの加藤拓(3年・慶応)の他に三宮(4年・慶応)・加嶋(4年・慶応志木)・小原大(3年・花巻東)のサウスポー・トリオがどこまで明治打線を抑える事ができるか。かたや明治の上原も今季は一皮むけて好投をしている様で、慶応大型打線とどう戦うのか試合を予想するだけでワクワクする。ただ最近はいつも拮抗する慶明戦なのに、ヤクルトがクライマックスシリーズで球場を使うので、試合開始は早い上に延長戦がないのがいささか残念である。それにしてもこうして数字をいろいろ拾っては、あれやこれや戦力を分析するのも野球の楽しみだとつくづく思うのである。

2015年10月 5日 (月)

40ウン年後の伊勢路

60才を過ぎた頃から各種イベントへのお誘いがやたら増えてきた。幼稚園から大学までそれぞれ学校時代の繋がり、はたまた会社に同期で入った仲間の集いなど、皆そろそろ時間が出来た上に、体は割りと元気な年代だから、昔の仲間に会いたくなるのだろう。この週末は大学の競走部の同期で鳥羽・伊勢への一泊旅行であった。すでに亡くなった者や体調の悪い者、それにこの種の会にはあまり出ないと決めているのも中にはいるが、それでも10数人が参加するのだから、同じ釜のメシを喰った競技仲間というのは良いものだ。かつては紅顔の美少年たちが、今や髪の毛がないやら腹が出るやらの典型的オッサンで、団体になってぞろぞろと伊勢路のお参りである。


伊勢神宮といえば、最近はクルーズ船の”にっぽん丸”や”コスタビクトリア”で鳥羽に入港した際に妻と幾度か訪れたが、同じ場所でも昔の仲間と廻るのはまったく気分が違うものだ。道中、競技仲間の先輩や後輩の近況報告、それに「俺はここの調子が悪いよ」「いやおれこそ」「この前の検診ではね・・・」などと云うお約束の病気自慢の会話で盛り上がりつつ、伊勢神宮で買ったお札で一番多かったのが「安産祈願」であった。ちょうど自分の子供たちに孫が生まれるラッシュの時期に我々の年代が差し掛かっているのだろう。などなど昼からの酒で盛り上がりつつ、伊勢神宮のいくつもの鳥居の前では全員で一礼、手水の作法や二礼二拍一礼と怠りなく励行するあたりが歳の功だと云えようか。


そういえば70年代初頭に10日ほどの夏合宿で、ここにごく近い三重県営陸上競技場に来た事があった。あらためて当時の仲間との再訪問となった訳だが、40数年前の合宿でどう練習をしたのかよく覚えている者に、合宿をした記憶さえ定かでない者もいて人の記憶とは実に千差万別である。私も当時の事についてはほとんど記憶が薄れていたが、昼食に訪れた寿司屋から五十鈴川の清流を眺めていたら、一人が「この橋を渡って宿舎から競技場に毎日通ったよ。先輩のなかにこの川に飛び込んで泳いだのがいたよなあ、それも真っ裸で・・・」と昔話を始めた。五十鈴川の清流を前にして、いかに下らない事をして男所帯のうっぷんを晴らそうか、暑さと猛練習で体がきついが故に逆に何か悪い事ができないか、と始終悪巧みを考えていた青春時代の記憶が蘇ってきた。おはらい町の五十鈴川で、今もし真っ裸で泳いだらすぐ警察が飛んで来るだろうが、当時はのんびりしていたと懐かしさが急にこみ上げてきた。

この橋の近くで先輩が素っ裸で泳いだその今の風景
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2015年10月 2日 (金)

安全保障法案公布

この度、安全保障法案が公布、来年3月末までに施行される事が決まりほっと一安心である。この法律が制定される事は極めて当然、むしろこんな内容で中国の急速な軍国化や朝鮮半島の暴発など、我が国の周囲に起きている事態に対処できるのかと危惧される抑制的な安全保障法案である。何せ中国は漢や唐時代を念頭において自国の勢力を拡大したい上、太平洋の西半分を自ら管理すると意欲的だし、北朝鮮もいよいよ末期的状況に陥っていつ暴発してもおかしくない状況である。案の上、中国と韓国だけが今回の安全保障法案に反対の様だが、それ以外のアジア各国は概ね好意的で、なぜ一部の日本人だけが自虐的に”徴兵制が復活”などとおよそ在りえない嘘と、”戦争法案”などとタメにするキャンペーンを打つのか実に不思議なところである。そういえば法案採決前に野次馬根性で国会前の反対デモをヒヤカシに見学に行ってみたが、地方ナンバーの貸切バスを仕立てて参加する集団も目につき、特定の考え方を持った団体による組織的な動員がなされている事が歴然である。


こちらは定年後の嘱託社員の身、さして忙しくもないので昼ひなかにしばしば日比谷の図書館に行っては、最新の月刊誌や週刊誌を片っ端しから読んでいる。岩波の「世界」などサヨク誌は別にして、この安全保障法案については、むしろ海外の学者や評論家の方が適格な評価をしている事がこれらの本から良くわかる。「ドイツ帝国が世界を破滅させる」(文春新書)で我が国でも最近話題のフランスの人口学者エマニュエル・トッドは文芸春秋9月号で、日本の軍国主義は20世紀の始めのごく短い間の出来事であり、当時は欧米列強が揃って同じ事をしていたのに、なぜ日本の軍隊がまた暴走すると日本人だけが恐れるのか疑問を呈している。トッドの指摘に対しては、この現象は云われるところの進駐軍の見事な洗脳教育(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の賜物であり、それに乗った朝日・毎日・東京などの大メディアの成果だと答えるべきであろうか。


読売新聞の日曜日の特集「地球を読む」(9月27日付け)では、親日家で知られる元米国務長官のリチャード・アーミテージのコラムが掲載されていたがこれにもうなずくところが多い。いわく「日本をとりまく安全保障環境は2000年当時と比べ、はるかに危険性を帯びている」とし、今回の法案によって軍国主義が復活するなどという恐れは「目下の財政事情、政治的環境においては、まったくありえない話である」と極めて常識的な考え方を示している。また違憲性を争点とした国会での論議は「成熟した民主主義にふさわしいもの」でかつての「脆弱だった『大正デモクラシー』時代の繰り返しでなく・・・」と述べ、日本の民主国家ぶりを日本人より評価しているのである。世界中で認められている自衛の権利、それも我が国の危急に関する限定的なものを、米国の戦争に巻き込まれるだの軍国主義復活などと一番心配しているのはどうやら当事者の日本人だけらしい。と云う事で今回の反対論議をみると、世のなかには日本の国益より中国や韓国の視点にたって反対する人がいる事に驚くのである。ただそれも、民主国家の良さと言えばそう言えるのかもしれない。

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