界 伊東
週末は義父の法事を兼ねて、妻方の一族郎党で伊東の星野リゾート「界 伊東」へ一泊旅行へ行った。ここへ来たのは3度目なのだが、最初の時は以前のオリジナルブランドの旅館であって、経営不振に陥ったホテルや旅館を再生させる事で有名な星野リゾートの運営になってからは2度目の宿泊となる。なぜ温泉名の前に「界」とつけるかは 「小さくて上質な温泉旅館」で「洗練された和の空間を備えた旅館だけを選び、『界』という名をつけました」とウエブサイトに説明がある。なぜ”界”がそういう事を示すのか今ひとつ良く判らないところなのだが、広辞苑によると”界”とは生物分類上で最高の階級を言う学術用語だそうだから、私の大学同窓後輩にあたる星野社長はアタマをひねって最高を目指してブランド名を考えたのだろうか。
その凝った命名にたがわず「界 伊東」はJR伊東駅にごく近い町の中にあれど、芝生の庭やプールも備えた豪華な旅館である。うれしい事には午後4時から5時まで庭園を眺める小部屋で生ビールをただで飲める上、今回は風呂場への通路脇でサンマの干物を肴に日本酒の試飲まで出来る。20米のプールで泳ぎ、源泉かけ流しの湯を浴びた後、手っ取り早く喉を潤す事ができるというこの特別サービスはさすが他とは一味違う。いつも温泉に浸かると食事まで我慢できなくなり、自販機でビールを買ってしまう私たちは、やはりお値段の事だけはあるなと感心しながら優雅に無料生ビールに日本酒を楽しんだのであった。夕食も今年始めての松茸の土瓶蒸しをはじめ写真の通りの豪華バージョンで、秋の味覚をゆっくりと美味しく味わった。
「界」は精鋭スタッフを揃えているそうで、すべてに一呼吸を置いているかの様な丁寧な応対がなされる。もっともそれが何度目かの私達にはやや冗長に感じて、丁寧な説明や笑顔を受けているうち、「それは分かってるから早くやってよ」と言いたくなるような気がする時もある。例えば夕食開始時の乾杯で「とにかくすぐビール!ビール!すぐ持ってきて」と急くのが酒飲みの常だが、ここでは係りの若い女性が客一人一人に対して真摯かつ丁寧に対応する仕事ぶりで、それを見ていると、ここは一瞬グッと催促は我慢しようかと云う気持ちになってくる。しかしこんなワガママな文句以外、他には何も言う事がありませんと言える素晴らしいサービスで、特に頼んでおいた事がきちんと当該の係に伝わっているところをみると、このリゾートチェーンがなぜ人口に膾炙するのかその理由がわかった気がしたのであった。
界 伊東の名物料理、ご当地金目鯛のぐり茶蒸し
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