安保法案反対集会参加人数のデタラメ
涼しくなり走りやすい季節になったので、この週末2日間もホームコースの皇居周回道路におもむく。と、日曜日には霞ヶ関から国会議事堂あたりが拡声器の音や警察の車両でやけに騒がしそうだ。そういえば安保法案反対の集会が行われるとどこかのニュースにあったが、そんなものに出くわしたかと内心で僅かに不快感を覚えながらジョギングに励んだのであった。しかし走った時間がちょうどその集会の終わった頃らしく、かなりの参加者が走路であるお堀ばたの道を通って最寄の駅に帰るので、ランナーはその間をジグザグにすり抜けねばならなくなる。まあ「ここはランナー専用ではありません」と立ち看板もある如く歩道は我々のものでないし、日本では表現や集会の自由が保証されているのだから仕方ないとゆっくり走る事にした。
このところ急に気温が下がって身体が軽くなり速く走れると思っていたのに、すっかり気勢を削がれてしまったので、仕方なく集会から帰路につく参加者たちをそれとなく観察していると、まず半数以上が段階の世代OBのような高齢者である。どうやらかつての全共闘世代が社会の第一線を退いて暇になり、「安保」などと聞いて青春の血が蘇り往時を懐かしみながら政治集会に参加しているかに観察できる。なかには遠方から貸切バスに乗って参加している団体もあって、一体この金はどこから出てくるのか、考えてみると実に不思議でもある。市民の活動というより時間のある高齢者が、どこかの組織に動員されて参加したのだろう。
帰って調べてみると議事堂前の集会参加者は、主催者側発表で12万人とあったが、どうみてもその数字はいい加減すぎないか。空中撮影された写真を見ると議事堂に向かう道路に集合した参加者は、密集しているところで長さ60米、幅が40米くらいで面積では2400平方米ほどである。比較の為約3万人が参加する東京マラソンはと見ると、スタート地点の新宿都庁前で15米ほどの幅に広がったランナーの帯が400米以上に渡って立錐の余地なくびっしりだから、6000平方米で3万人となる。昨日は議事堂前の他に隣接の公園に参加者がいたとしても、狭い場所に警察発表の3万でも無理。マラソンの経験からしても、せいぜい2万人動員が水増しの上で精一杯というところであろう。
東京で2万人が集まる競技場といえば私もよく行く秩父宮ラグビー場で、ここで早明戦や早慶戦などのビッグゲーム終了後は、青山通りの外苑前駅やJR信濃町駅に向かう広い歩道は人で一杯になる。それに較べても、昨日は集会を終え永田町や霞ヶ関、桜田門駅に向かって歩く人の数は明らかに疎らであった。そういえばかつてはプロ野球の観客も大幅に水増しされていた事があったが、最近は正確な数字が発表されるご時勢である。集会やデモの自由はまことに結構な事であるが、いくら景気づけと云っても参加者の数倍にものぼる大幅な水増しはいかがなものか。安保法案に反対し真剣に抗議活動をしている人が世の中にどの位いるのか、それをきっちり把握し虚偽の発表をしない事こそ政府に対する正当な抗議の第一歩になるのではないか。もっとも本当のことを言ってしまうと、そのあまりの少なさに存在意義を疑われてしまうのだろう。
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お久しぶりです。岐阜に住んでるものですが覚えていますか?今回の安保法案、僕は大賛成です。8月15日、日本は70回目の終戦記念日を迎えました。頭の悪い僕の意見ですが、70年たってもこの国は何一つ変わってないしあの戦争から一番学ばなければならないことを忘れています。当時、日本はマスコミの情報操作、そして偉そうな大人たちの煽りによって戦争を始め、その結果多くの若者、国民を犠牲にしました。そして今、またマスコミによる情報操作、年寄りたちの時代遅れの考えに煽られ間違った道に進もうとしています。このツケはきっと今の若者たち、子供たちにいくことでしょう。大人なら誰しもてめぇのことはてめぇで守るなんてわかっているはずです。てめぇの国や国民はてめぇたちでまもらなあかんでしょ?それにすぐ戦争と結びつけますが時代は流れているんです。今は兵器は使うためじゃない、抑止力のために持つものなんです。それが何故ダメなんでしょう?反対の人は沖縄にアメリカがいることは逆に賛成なんでしょうか?きっと反対でしょう。野党も代替案がなくただ反対だけ。若い人たちは煽りに負けるんじゃない。まず世界少しでも勉強して、それから考えてほしい。冷静に考えれば戦争するために兵器を持つのではなく戦争しないために兵器を持つ。そして自分たちの事はこれからは自分たちで守らなければいけないとわかるはずです。長々とコメントすいませんでした。どうして伝えたかったことでしたので。一人でも多くの若者にこのコメントを見ていただければ幸いです。
投稿: ひろしげととら | 2015年8月31日 (月) 19時04分
ひろしげととらさん
ご無沙汰しております。その後の体調はいかがでししょうか。早速の熱いコメントありがとうございます。心強い限りです。
まあ「戦争法案」だとか「徴兵」だとか、世界情勢も最近の軍事知識も無視した”タメ”にするピントはずれ、かつ兆発的なメディアにのって、いかにばかばかしい運動が繰り広げられている事か、まことに憂慮に絶えません。
ただ「全国的な広がり」とは、たかだか1万人ほどが実態。それも貸切バスで集合とあっては、その金はどこから出たのか、その裏に誰がいるのかいぶかしく思うばかりです。ひろしげととらさんのおっしゃる通り、年寄りの時代遅れの考えはそろそろサヨナラしたいところで、それにつけても先の戦後70年の安部談話「次世代に謝罪の歴史を負わせてならない」とのくだりには拍手を送りたいです。
ひろしげととらさん、今後とも憂国の素晴らしいコメントを時々お寄せください。
投稿: バルクキャリアー | 2015年8月31日 (月) 21時10分
デモの写真を見ると、日の丸の旗が一つも見えない。
法案に反対して国を良くしたいと思うのなら国旗の一つや二つ有ってもいいと思うなだが。
何を考えている連中やら。
投稿: 親スズメ | 2015年9月 1日 (火) 02時10分
親スズメさん
コメントをいつもありがとうございます。今まで「日本はけしからん」と言っていた人ほど、「日本のこれまでの平和は素晴らしい」の論調になったり、「反米」と主張する人がアメリカが作った今の憲法に固執したりと何だかおかしな時代ですね。
時代に即して本当は憲法を変える事が必要だと私は信じますが、中・韓の味方であるサヨクマスコミがあれでは道は遠しですね。
我々よりわずか上の全共闘世代がいなくなるのを待つしかないのでしょうか?
投稿: バルクキャリアー | 2015年9月 1日 (火) 19時08分