ブラタモリ(2)東京駅地下
先日NHKテレビの”ブラタモリ”が丸の内・八重洲の地下街について放送していた。以前「ブラタモリ(2011年2月4日)」でも触れたとおり、日頃なじみの場所をあらためてテレビで案内してもらうのは嬉しいが、一方で江戸っ子の私としては東京の街を九州出身のタモリに案内してもらうのもちょっと複雑な気持ちがしないでもない。もっともタモリの興味の向かう方向にはきわめて共感がもてるし、メディアの力で普段知る事のできない情報や公開されていない場所が明かされるのは、好奇心が刺激され楽しいものでもある。特に今回は「大手町・丸の内・日比谷地下通路 (都心遊歩道)」として最近このブログでもアップした場所なので、番組のなかでは、はたして何が出てくるのか興味深く見入ってしまった。
総延長は14キロにもなる東京駅周辺の地下街も、通路としての性格が強い丸の内側と商店街を中心とした八重洲側では風情がかなり違う。番組はあらためて江戸時代から大名屋敷が並んだ丸の内と、新たに開発された八重洲の歴史を紹介し街の成り立ちを説き起こすあたりがタモリの面目躍如、他とは一味違うところである。普段何気なく歩いている地下通路にもちょっとした勾配や階段があるが、そこがなぜそうなっているのかタモリに説明されると、「なるほど!」とあらためて認識をあらたにするのである。大手町の永代通りの下には将来の弾丸道路計画の一部として「まぼろしの自動車道トンネル」があるのが偶然発見されたり、まだ掘り返している丸の内駅前広場の整備が間もなく終了する事など、知っているとためになる話題も多い番組であった。
という事で、番組を見て数日後あらためてタモリが紹介したうち「ははーん!」と感じた場所をあるいてみた。テレビで印象に残ったのが、戦後間もない頃に浅所に造った地下鉄丸の内線によって、地下街のあちこちに起伏が出来た点である。特に大手町から日本橋方面に向かう東西線に沿った地下通路には、突如2米ほど下がり上りする奇妙な階段があって、いつも不思議に思っていたのだが、これが丸の内線を貫通させるためのアンダーパスで、「行って来いの階段」と云いえて妙な名前がついているのがわかった。こうして時代とともに新しい工夫が次々なされて、この地下街もますます発展して行くのだろうが、一方で昔からの喫茶店にラーメン屋、立ち食いそば屋なども残っていて、以前と変わらぬおもむきを感じさせる場所もある。番組に刺激されて歩きつつ、ここは炎暑の夏は涼しく、冬暖かいし雨にも濡れない便利なよき地下街だと再認識したのだった。
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