神宮球場建て替え
東京オリンピックを契機に明治神宮野球場を建て替える計画が発表された。2020年頃からまず隣接の秩父宮ラグビー場を壊してここに新しい球場を造り、そのあとに新ラグビー場を現神宮球場の跡に建設する計画だという。学生野球を行うだけならまだしも、狭い上に古式蒼然たる神宮球場で高い料金をとってプロ野球を見せるのは日頃からいかがなものかと感じていたから、この発表を聞いてやっとその時代が来たか、さもありなんと思うのである。
もっとも50年以上通い続けた神宮球場は私にとって第二の故郷の様なもので、ここでの思い出は山ほどあり、新球場建設の発表に一抹の寂しさを覚えるのも事実である。神宮球場は大正15年に開場したそうで、私も昭和30年代の中ごろから父親に連れられて頻繁に学生野球の見物に来たものだ。さすがに立教の長島・杉浦の時代こそ知らないが早稲田の八木沢・荒川、法政は山中・田淵の時代や下って怪物・江川、慶応の高橋由伸、明治だと高田などなど、自分のやった陸上競技よりスラスラと神宮で活躍した選手の名前が口をついて出てくる。
かつて父親に連れられ来た頃は、早慶戦だけでなく他の学校の試合でも多くの学生や観客が観戦に訪れ、テレビの中継もあって球場は賑わっていたものだ。ナイター設備が整ってからは六大学野球を2試合見てから券を買い直し、プロ野球の試合までまる一日、3試合の野球を楽しんだ事もよくあった。そういえばスタンド下の長い回廊は、服飾雑誌の撮影にも使われるほど風情があるので、新しい球場になったらモニュメントとして移設して欲しいとも思う。ただラグビーの関係者や神宮球場の優先使用権をもつ東京六大学野球の関係者は、これら発表された建て替え案ですべて合意したのかいささか気にかかる。
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