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2015年2月 3日 (火)

ジャーナリストだけは特別なのか?

いつもひねくれた意見を云うのも嫌なので黙っていようと思っていたが、このところメディアのISILの人質交渉に関する報道にはひどく違和感を感じていた。テロリストの犠牲になった後藤さんは、何度も渡航を中止する政府の勧告を無視して中東に渡った事が伝えられている。彼は自らの意志で極めて危険な地に乗り込んでいったわけで、日本国内で工作員に拉致されてISILに連れて行かれた訳でもなく、また政府や企業の命令で行ったのでもないのである。後藤さんの職業は『ジャーナリスト』らしいが、危険地域に入るのも彼の職業上の理由、いわば自分の「商売」のために行ったのであって、彼があらかじめ周囲に告げていた様に完全なる自己責任の行動なのは云うまでもない。


テロは憎んでも憎みきれぬが、当初二人の日本人の解放に多額の身代金が要求されたというニュースが流れた時、我々の税金がこんな事に使われるのかと何とも釈然としないものを私は感じたものだ。スキーゲレンデを外れて滑走禁止の雪山に入って雪崩にあい、警察や消防の世話になるという類とはレベルが違いすぎる。もし何かあれば多額にのぼる国の金を使い、多くの関係者が巻き込まれるかも知れないと云う可能性も鑑みず、周囲の反対をよそに彼は出て行ったのである。日本人を巻き込めば相当な効果があるとテロリストをして寝た子を起こし、多くの日本人がこのあとテロに巻き込まれるリスクが増す事まで、彼は「自己責任」と言い放った時に想像したのだろうか。


何にも増して事件の後、彼の功績を賛美するかの様な大報道が続くのはいかがなものであろうか。こういうむこう見ずなジャーナリスト達がいるからこそ、我々は世界の悲劇や悲惨な現状を知る事ができるという一面があるのは認めよう。しかし「自己責任」と言いつつも多くの関係者に迷惑をかけ、あまつさえ彼の行動によって日本人全体がテロの対象になる可能性を生んだという事実を前にすれば、『ジャーナリズム』も陰が薄くなるというものである。もし民間の軍事会社にいたと云う湯川さんだけが今回の事件の犠牲者であったなら、これほどまでメディアは大騒ぎしていたのであろうか。後藤さんのヒロイックな面をどうしても強調したいなら、事件は真の『自己責任』で、政府が関与する必要は一切ないくらいの報道を展開してもらいたい。中東支援の安倍さんの発表が問題だったなどという意見も噴飯だが、何だかジャーナリストだけが特別であるかの風潮も嫌である。

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