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2014年12月12日 (金)

SB新書 長谷川慶太郎「大局を読むための世界の近現代史」

50才代の初めに数年出向していた会社で、オーナー一族が長谷川慶太郎の主宰する会員紙を購読していた。当時、その会社の役員だった私も、時々社内回覧されてきたB4版数枚の会員紙を読んでみたものだが、そこに書かれていた長谷川氏による時代分析や未来の予測について、後から見ても概ねそれらは妥当だっただろうとの思いを持っている。という事で本屋の店頭にあった、長谷川氏のSB新書新刊「大局を読むための世界の近現代史」をさっそく購読し、久しぶりに氏の明快な議論展開を楽しんでみた。


この本は、前半で20世紀に起きた2度の世界大戦と東西冷戦やソ連の崩壊を俯瞰し、「歴史の大きな流れをつかみ・・・」「その背景を丹念に読み解く・・・」とし、後半は「未来を予測すること」へと展開する構成になっている。19世紀末からおきた民族国家の誕生と産業革命によって、戦争がそれまでの限定的な局地戦から世界的な総力戦へと形を変えた事、その後に起きたソ連の瓦解は、共産党一党独裁に内在する根本的な矛盾から生じた歴史の必然だった点などが、長谷川氏一流の平明な文章で解説されているのである。


これらを踏まえ、本書の後半で現在の東アジア、日・中・韓・北朝鮮の現状分析と近未来の予測が熱く語られていてとても興味深い。それによると中国は不動産バブルとシャドーバンキング問題に端を発した国家の崩壊が間近である事、すでに中国の北朝鮮への支援に影響が出ており、近い将来に北朝鮮が崩壊するのは必至であろう事、難民状態になった北朝鮮の人民を受け入れたのちしばらくの間、韓国経済も停滞状態に陥る事などが語られている。


北朝鮮の滅亡後、2年以内に中国は内戦状態になり、旧ソ連の様にいくつかの共和国に分かれると長谷川氏は予想しているが、たしかに中国共産党の一党独裁体制が遅かれ早かれ機能しなくなるのは、ソ連や東欧の歴史からただちに学べる事である。考えてみれば成熟した資本主義や自由主義経済は民主主義と表裏一体のものであり、それが担保されるには思想や表現の自由が機能している事が前提だから、中国の崩壊と分割は歴史の必然であるとも云えよう。ごく近い未来におこるその時には、大変な混乱が中国全土を覆うであろうから、それまで日本人は中国にあまり関わるな、との氏の警告に私も大いに賛成するのである。

20141212

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