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2014年12月 8日 (月)

芝浦工業大学レクチャー&クルーズ【豊洲のクルーズ観光について考える】

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妻がパソコンで何かごちゃごちゃしていると思ってたら、豊洲にある芝浦工業大学の「芝浦工業大学レクチャー&クルーズ【豊洲のクルーズ観光について考える】」という催しに応募していた。芝浦工大といえばかつて野球の東都大学リーグの一部にいた事もある強豪校で、水原監督の下で東映フライヤーズ(現日ハム)が昭和37年初優勝した頃のショート岩下や、昭和49年に広島が初優勝時した時のキャッチャー道原などの名前が校名とともにすーっと頭に浮かんでくる。ただ最近は野球の強化をしなくなったためか、メディアで学校の名前を聞く事もあまりなかったところ、再開発された豊洲の地に2006年から立派なキャンパスを持っているとの事にあらためて驚いたのである。


妻が申し込んだ「レクチャー&クルーズ」は、文部科学省によって採択された「地(知)の拠点整備事業」の一環として一般向けに企画されたもので、芝工大でまちづくり等を専門とされる工学部の志村教授の講義と、それに続く約1時間のクルーズによって構成されている。豊洲と聞くと、かつて東京ガスの埠頭に陸揚げされた石炭を即座に思い出すのだが、最近の高層マンションが林立する街の発展を見るにつけ、往時の思い出は隔世のものとなり、このクルーズが再開発された地区への関心を呼び起こしてくれるのである。またこの講座は東京都港湾局の「運河ルネサンス」の一環として、水辺の魅力向上や観光振興のための「町おこし」の役目も果たしているとの事で、たしかに2020年にオリンピック会場となる近隣の水辺再開発は都民にとって喫緊の要事である。


当初予定された11月29日(土)の講義+クルーズは当日があいにくの雨で講義のみの開催、クルーズは延期となったため、この週末の12月6日に改めてクルーズが実施された。この日のためにチャーターされた船は屋根なしの露天船で、橋の下や護岸も舷側近く、水辺の情景を肌で感じる事ができるつくりである。大学のすぐ裏の船着場からボートに乗り込むと同大学女子学生のていねいな解説が始まり、やがて船は豊洲運河から隅田川の方に向かって舟足を進める。しばらくして晴海の客船ターミナルや、築地から移転工事が進む中央市場、江東区にあるいくつかの水門や架橋など下町のあちこちを船は通過して行ったが、ここでは普段見る事のない視点から東京の水辺を観察できたのがとても新鮮であった。


こうして水面にほど近い高さから過ぎ行く街々を見渡していると、下町は思っていた以上に縦横に水路が張り廻らされている事に気がつく。考えてみれば江戸の町の成り立ちからして、水のある情景がその原点であり、少し前までは東京の中心である数寄屋橋や京橋にも川が流れていたのである。2020年の東京オリンピックを契機に、少なくとも日本橋の首都高速道路は地下に埋設して欲しいと、このブログでも幾度かアップした通り、水辺の再開発や水との共存、水上の遊びやスポーツ行事について、東京都はもっと真剣に考えたらいかがとの思いを本クルーズで強くした。最後になるが、講座を企画された志村教授や、船上の解説はじめ諸事に尽力された学生の方々に、共感と好感を覚えたとても良い企画であった事を記しておきたい。

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