マッサンとニッカ記念ボトルとアイリッシュ
以前は余り見なかったNHKの朝のドラマだが、年をとるに連れてフツーの番組をフツーに見る様になって、「梅ちゃん先生」あたりから毎朝テレビの前に座るようになった。もっとも半年で前シリーズが終わってしまうと、次のドラマに慣れるのに少し時間がかかるのだが、しばらく見ているうちに新しい主人公に感情移入して、朝が待ち遠しくなる毎日である。という事で今のシリーズ「マッサン」も、いつの間にかハマってしまい、毎朝出勤前にお約束の「外人嫁いびり」を楽しんでいる。
さて昨日は関東地方に台風接近という事になったので外出の日課は午前中にすませ、午後は本や新聞などをパラパラめくりながらまったりと過ごしていた。悪天候で夕方早く暗くなってくると、かつて旅行で行ったイギリスのどんよりした空を連想し、「マッサン」を見て刺激されたウイスキーに対する興味がにわかに心に湧きおこってくる。日頃、我が家ではスーパーで1000円以下で特売されるバレンタインしか飲まないが、「マッサン」の主人公、竹鶴正孝が始めたニッカウイスキーから送られてきた『 ニッカ十年浪漫倶楽部の記念ボトル 』(2012年11月26日ブログ)が封も切らずに我が家にある事を思い出し、にわかに心がざわめいてきたのである。
もっとも台風で自宅に居る時に、この大事な記念ボトルの栓を開けるのもウイスキーの神様に悪い気もする。これは会社を退職した夜に、40数年の社会人生活を顧みながら、一人粛々と飲むかなどと考え直すも、代わりにいつもの1000円のバレンタインでは、一旦燃え上がったこのウイスキーへの衝動を消す事ができない。と、ふと見るとニッカの記念ボトルの傍らには、2010年夏にイギリスをクルーズ船で周遊した後に購入したBUSHMILLSがあるではないか。かつて東京のホテルでバーテンダーから「ブッシュミルズの街を訪れる事ができるなんて!」【「にわかスコッチファン(2010年9月 6日ブログ)」】とうらやましがられたあのBUSHMILLSである。「マッサン」のスコッチではないが、今日はアイリッシュでいくかと購入後4年になるBUSHMILLSの封を切ったのであった。
せっかくのアイリッシュである。水に薄めては作り手に申し訳ないから、まずは生のままで一杯、香りや味を楽しむ事にすると、ストレートBUSHMILLSはいたって癖のない飲み易いお酒である。あの荒涼たるアイルランドの田舎町からは、もう少し刺激的かつワイルドな味を連想をしたのでちょっと拍子抜けとも言えるが、封を切った直後の壜から立ち上る馥郁たる香りは本場を感じさせてくれる。味と香りを楽しむと次は我が自慢の新鋭冷蔵庫製氷(2012年9月30日)を入れてオンザロックで一杯、そして最後にアイリッシュには硬水と、エビアン水を入れた水割りで昨日は午後を過ごした。
それにしても日本はスコッチ、アイリッシュ、バーボン、カナディアンと共に世界の5大ウイスキー産地だそうだ。BUSHMILLSを味わいつつ、”マッサン”こと竹鶴氏のニッカウヰスキーに代表される先駆的なもの造りへの探究心や情熱、それに本物志向に驚嘆しながら、台風の近づく中で徐々に訪れる酔いに身を任せていったのだった。
写真はニッカ十年浪漫倶楽部の5年記念ボトルとアイリッシュのBUSHMILLS
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