第90回記念早慶対抗陸上競技会
毎年かならず案内がくるものの、なぜか長い間足を運ばなかった早慶対抗陸上競技会である。スポーツ科学部の選手が中心の強い早稲田大学相手に、近年は慶応もなかなか善戦するものの及ばない状況だったが、今年は第90回の記念大会かつ慶応も戦力が充実しているとの事で、昨日は久しぶりに会場の横浜市日吉の陸上競技場に行ってみた。山縣君の慶応の選手としての最後の力走をこの目で見たいし、ひょっとすると今年の戦力なら勝てるのではという期待をこめつつ、かつて通いなれた東横線の日吉駅に降り立った。この試合はトラック競技が4x200米継走を含む5種目、フィールド種目も跳躍・投擲の5種目で計10種目、両校から代表選手3名づつが出て競い合い、1着を3点、2着2点、3着1点として総得点を競う伝統の対校戦である。
改装されてすっかりきれいになったが、思い出の競技場に入ると慶応の応援席は近年になく(近年顔を出していないが多分そうだろう)多くのOBやその家族で賑わっている。かつて部員として同じ時期に在学していた人たちも、それぞれ前後して会社勤めを終える頃とあって、おのずと後輩の応援に顔を出すようになるのだろうか。スタンドのそこかしこに懐かしい顔を発見するが、中には在学の時以来40数年ぶりに会う人もいて、声をかけられても最初は誰だが判らない顔もいる。そんな人も話している声の特徴に耳を傾け、じっと表情を見ていると往時の面影が徐々に浮かんで来て、一挙に懐旧の念が湧き起こるものだ。昔は練習の鬼で怖かった大先輩が、社会人の間ご無沙汰していたうちにすっかり丸くなり、近況を交換しあえるのも不思議な気持ちである。
晴天の下で始まった対抗競技は、注目の山縣君が余裕の走りで勝ったものの、最後はいま一歩伸びず記録は10秒25であった。試合続きで多種目に出場とあって疲れもあるのだろうが、この後のアジア大会では日本代表としての活躍を期待したい。感動したのは1500米競走でこれまでの自己記録からすると早稲田が圧倒的に有利の中、理工学部1年生の中谷君(藤嶺藤沢)が残り1周でスルスルとトップに出て、最後まで粘りきり自己記録を6秒も更新して勝ってしまったレースである。強豪ぞろいの相手に対して、想像するには仲間の選手が良いペースをつくりつつ中谷君が残り一周まで後方に位置し、最後にスパートする作戦だったのではないだろうか。団体で戦う対抗戦の面白さとともに、伸び盛りの選手の勢いを感じたのだった。
山縣君は余裕の1着
フィールド種目ではディーン元気選手らが卒業後の早稲田の層の薄さからか、跳躍、投擲とも圧倒的に慶応が勝り、最後の対抗800米リレーの前に慶応の優勝が決まってしまった。慶応の優勝はなんと平成6年以来20年ぶりとあって、観客席のOB連中も大いに盛り上がったのであった。大会最後を飾る800米リレーでは、早稲田大学が昨年のこの大会でマークした日本記録を今年も更新して一矢を報いたのはさすがであった。久しぶりに応援に行ったら優勝、それに山縣君の最後の走りや1年生の奮闘、目の前での日本新記録の誕生など、秋空の下でのとても充実した一日であった。現役の諸君はお疲れ様、そして楽しい一日をありがとう。
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