飛鳥Ⅱ 九州島巡り・長崎花火クルーズ(5・完)釜山寄港
このクルーズの最終寄港地・釜山は10時について16時出港である。飛鳥Ⅱやにっぽん丸など日本の船に外国人船員を乗せる事について、海員組合との協定か国交省の指導か寡聞にして知らないが、とにかく日本のクルーズ船は一定期間に一度は海外の港へ寄る事を義務づけられている。しかし釜山での僅か6時間の寄港時間には入出港の為の手続きも含まれるから、乗客が上陸できる時間は実質的に5時間にも満たなくなる。その間に(当然と云えば当然だが)本船はちゃかりと日本国内より安い燃料(バンカー)を補油しており、釜山入港は云わば、形式的かつ一方的に船の都合による”寄港の為の寄港地”と云えそうだ。
せっかくこのクルーズでは種子島から八代、福江、長崎と九州の素晴らしい港や海岸線を観光してきたのだから、最後に船の都合で釜山や済州島なぞに寄港するより、佐世保でも唐津でも伊万里でもクルーズ船のディスティネーションとして魅力的な港が九州には溢れているではないか。すでにプリンセスクルーズなど海外資本の外国籍大型船がカボタージュ規制に抵触せずに日本の市場に本格的に進出している時代である。訪船クルーズ各社は関連諸機関と粘り強く折衝し、外国人船員が乗船していても一定の条件を満たしているのなら、韓国などに延航しないで済むように尽力願いたいものだ。
さてこのクルーズの乗船客は600人ほどで、途中の長崎で100人強が下船したが替わりにほぼ同数の乗船客が後半のクルーズに加わった。ちょうどこのくらいの人数だと船内もゆったりしていて心地よい。我々はいつも通り夕食はセカンドシーティングだったが、ダイニングルームは適度に食事を楽しむ人がいるという感じで、混雑もしていなければ閑散ともしていない。朝食時のリドカフェで、食事を選ぶ前にテーブルにハンカチやバッグをおいて席とりをするというマナー違反の人もごく一部に見られたものの、船内では見知らぬ同士が行き会う際に会釈を交わす場面も多く「乗客の醸し出す雰囲気」も総じて落ち着いた上質なものを感じた。我々にとってはちょっと懐に厳しい8泊のクルーズだったが、クリスタルハーモニーを引き継いだ設備的に一流の船上で、楽しくかつ ”のんびり忙しく” 夏休みを過ごす事ができた。
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