朝日新聞「終わりの始まり」
「捏造」「日本をおとしめる」などと高まる世論に抗しきれなくなったのか、ついに朝日新聞が『慰安婦』に関する検証記事を書いて、強制連行の事実は確認できなかった事や、女子挺身隊と慰安婦問題を混同した事で、自らの過去の誤りを『一部』訂正した。有史以来、世界中であった軍隊相手に商売をする女性たちを、ことさらセンセーショナルに「従軍慰安婦」なる呼称で呼び、挺身隊と結び付けて、あたかも国策で強制的に連れてきたかの如く虚報を発しつづけて30年間、橋下大阪市長の云うとおり朝日の犯した罪はきわめて重い。この問題について朝日がどう決着つけるのか、かねてから興味を持っていたのでさっそく昨日は購読する読売新聞の他に朝日・毎日・産経の各紙朝刊を買って読み比べてみた。
毎日新聞は、一面で朝日関係者の国会喚問をほのめかす石破幹事長に対し「報道の自由懸念残す」との見出し。ニセの記事がきっかけで外交問題に発展しているのだから、その記事が作成された経緯を国会の場で公けにする事は、むしろ「国民の知る権利」につながると私は思うが、朝日と同じく偏向している上、斜陽の毎日らしくいささかピントはずれの記事が笑える。産経新聞は西岡力氏(東京基督教大学教授)の「日本の名誉傷つけた」などのコメントで堂々の論陣、朝日の最近の主張 『強制連行なくとも強制”性”はあった』 というやけくその言い訳を論破し、この問題で完勝した喜びが紙面から出てくるようだ。読売も思ったより冷静ながら「朝日こそ問題の直視を」(坂元一哉・阪大教授)のコラムに「朝日の責任問う声」の記事が意地をみせる。
肝心の朝日は、「1990年代当時は他紙も同様の記事を書いていた」と、まるで間違えたのは皆も同じで「悪いのは僕だけでないもん」とふて腐れた子供の様だ。朝日がかつて報じた如く国家の後ろ盾で強制的な連行があり、何万人もの女子挺身隊が意に反して『慰安婦』とされたか否かが事の本質だったのに、その記事が間違いとわかるや「女性への暴力」だとか「本質は人権問題で、強制があったかは大きな問題ではない」などと識者のコメントに託しつ話をすり替えるあたり正に三百代言。教師に反省文を書かされた中学生が「書きゃいいんでしょ、書きゃ。本当は何も悪いと思ってないし」とペロっと舌を出しているかの様な往生際の悪い検証文である。
なにしろ朝日新聞たるや戦争中は最も軍国主義を煽ったと思ったら、戦後はニセの伊藤律の単独会見、最近ではサンゴ礁事件とデッチあげがお得意の新聞である。お祭りどんどんに主義主張の為なら何でもOKの空気が社内に蔓延しているのだろうか。本当に慰安婦問題を検証するなら、下手な言い訳と問題の敷衍化をさけ、これまでの記事の全面撤回と真摯な謝罪をしたらどうなのだろうか。私も朝日新聞を祖父の代から購読してきたが、余りの偏向ぶりにとうの昔に読売新聞に代えてしまった通りである。正力や渡邉礼賛とジャイアンツばかりの読売も少々ウザイが、朝日の偏った記事に較べれば可愛いものである。西山事件が一つのきっかけで毎日新聞は傾いていったが、慰安婦問題の検証をはぐらかしている朝日を見ると、この会社の「終わりの始まり」がいよいよ始まった気がしてならない。
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