慶応野球部 34回目優勝おめでとう
先週末は関西や九州に妻と旅行に出かけていて、旅空の下NHKテレビによる早慶戦の全国中継放送で慶応の優勝を知った。応援しながら言うのも何だが、今春の慶応野球部は東京六大学野球リーグ戦で優勝できる戦力とは思っていなかった。よって早慶戦で勝った方が優勝というところまでこぎつけたのは出来すぎか、と云うのが放送前の偽らざる本心である。チームはシーズン開幕前のオープン戦こそまずまずの成績だったが、昨年春の5位、秋4位から大きく戦力アップしたとも思えなかったし、東大以外の各校は変わらず多くの甲子園球児による充実したラインナップを誇っているのである。と云う事で今春は4位か5位がせいぜいと危ぶんでいた上、新たに指揮をとる竹内監督が病気入院とあって、まずここは秋に向けてのステップアップ・シーズンと捉えれば良いかと云う程度の期待感であった。新聞や雑誌各紙(誌)論評も慶応の優勝を予想するものはまず見当たらなかったのである。
それが開幕から一分けをはさみ、あれよあれよとチームは序盤に六連勝した。だが、私がこの春リーグ戦に3回ほど神宮球場に足を運んだうち、4月20日の東大戦は東大の辰該投手の好投に序盤苦しみ、4月27日の明治戦は勝ちムードの中で終盤追いつかれてプロ併用日で引き分け、5月18日の立教戦では押さえの三宮投手(3年・慶応)が9回に連打を浴びるあわやの展開とあって、とても相手を圧倒できる力ではない事を実感した。案の上、立教3回戦で澤田投手(2年・大阪桐蔭)に押さえ込まれて勝ち点を落としたあたりで、今春のチームもここまでかと思えたのだった。それでも最終週は勝ち点を挙げた方が優勝という展開に持ち込んで早慶戦に挑んだが、正直に言えば昔から「早慶戦は弱い方が勝つ」というジンクスが唯一の頼りか、と一人考えていた情けないファンなのである。
という事で、投は有原(4年・広陵)、打は武藤(4年金沢泉が丘)を筆頭とする打棒ワセダにはかなわないのではないかという思いで、旅空の下、日曜日は2回戦のテレビ中継の前に座った。前日1回戦の慶応・加藤(2年・慶応)と早稲田・有原の投手戦に次いで、この日の2回戦は慶応はなぜかここまでエース格の加嶋投手(3年・慶応志木)ではなく三宮投手の先発であった。前のカードの立教2回戦で相手バッターに外角球を狙い撃ちされた事をワセダが学んだのか、序盤から三宮は打たれて大荒れの模様。不思議な事にプロ出身の江藤監督(監督代行)はベンチに5人しか投手を入れないから、投手繰りがどうなるかといつもながらハラハラの展開である。しかし早稲田も有原以外の投手に絶対的な力がなく、辛うじて慶応が乱戦をものにして連勝し、6季ぶり34回目の優勝を果たした。下馬評は高くなかったチームがここまで来た裏には、素人の一ファンからは計り知れない皆の努力と工夫があったと想像し、まずは優勝を喜んで旅先で妻と乾杯したのだった。ただ6季ぶりの優勝、それも早稲田に連勝とあって、「野球は甲子園球児を集めれば勝つわけではない」とつい杯が進み、旅の翌日が辛かった事は言うまでもない。
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