東大70連敗・リーグワースト記録タイ
4月になれば恒例、神宮球場の六大学野球リーグ戦観戦となる。今日は母校・慶応と東大の2回戦だが、母校の応援とは別に東大にも肩入れしたい微妙な試合だ。それは東大が今日負けると70連敗と云うリーグワースト記録とタイ記録になるからである。東京六大学野球が他の多くのリーグと異なって”六大学”たるゆえんは、入れ替え戦など行わずどんな時にも固定した学校で戦うところにある。その原点は例えばオックスフォードとケンブリッジのボートレースの如く、お互いに尊敬できる学校同士の定期戦にあって、東京六大学野球もリーグ戦の形態をとっているが、その根底を流れるものは対校戦なのである。早慶戦が順位に関わらずリーグ戦の最後に行われるのは、対校戦の精神に則っての事であろう。
であるから、リーグ戦の中の一校が常に弱いと云う事は、対校戦形式を基礎に永年同じメンバーでリーグを運営する六校のレーゾンデートルに関わる事だと危惧する。なにしろ東大の前回の勝利といえば2010年の秋、早大1回戦でハンカチ・齋藤に勝ったのが最後で、以後6シーズン勝利がないそうだ。他の学校にとっても簡単に勝ち点をとれる相手と喜ぶより、リーグの存在自体を問われる問題だと認識する必要がある。同じ様に伝統校の対校戦形式をとっていた関東大学ラグビーの対抗戦グループも、もともと入れ替え制のあったリーグ戦グループとの交流を最近はより密接に行っている時代である。という事で、慶応の勝利を望みつつも、今季の東大が戦力充実し、あわよくば母校以外のどこかの足をすくって、大いにリーグ戦を盛り上げて欲しいものだと期待半分で神宮球場に足をはこんだ。
試合は東大・先発の辰亥君(3年・高松)の巧投に慶応の打者が泳がされ、前半は投手戦で互角の勝負である。好投の彼に代わり6回アタマからなぜか東大のピッチャーが交代して試合が動き、最後は慶応打線のつるべ打ちで、13対2の一方的な試合になってしまった。冬が戻ったかの様な寒空の下、なかなかアウトカウントが増えずにゲームが長引く中、楽しみは高校時代に甲子園などで活躍し次代を担う慶応の1・2年生、川崎君(智弁和歌山)、山口君(桐光学園)、須藤君(創志学園)、照屋君(沖縄尚学)などの登場を初めて実際に見る事が出来た事であった。それにしても、東大もそろそろスポーツに秀でた秀才を限定的に入学させたらどうだろうか、いやそれでは東大の栄光や伝統がなくなってしまうのだろうかと、毎年人ごとながらいろいろ心配しつつ東大の戦いぶりを眺めているのである。
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