博多名物鶏卵素麺
ポテトチップスの次は鶏卵素麺(けいらん・そーめん)である。素麺といっても茹でる麺ではなく、これは博多名物の伝統の菓子である。会社の誰かが博多に出張したのか、福岡の代理店の手みやげなのか職場の棚の上に、しにせ松屋の鶏卵素麺が置いてある。思わず手を伸ばし「これこれ、これは美味いんだよなあ」と給茶器からお茶をくんで、久しぶりの鶏卵(たまご)素麺をデスクで味わいながら廻りの者にも勧める。
そういえば子供の頃、近所に住む祖母が鎌倉に墓参りする時は横浜崎陽軒のシウマイ、父が九州に出張に出張した際は博多名物の鶏卵素麺を希望した定番おみやげがこれだった。鶏卵素麺と云えば松屋の他にもう一軒博多に老舗があるそうだが、なぜか父が買ってくるのはしっとりした感じのこちらの方が多かった気がする。何でも氷砂糖を沸騰させて造った蜜の中に卵黄を流し入れそうめん状に固めてつくるとの事、口の中でふんわりと甘い玉子が溶ける様な独特の食感がたまらない。ただその味は極めて甘く、よってカロリーもすこぶる高そうである。
鶏卵素麺はポルトガル由来の菓子で、菓子箱に入っている松屋の「鶏卵素麺の栞」には「今から330有余年の昔、松屋の初代が・・・・長崎におもむきました。」「そこで初代はポルトガル伝来の南蛮菓子を・・・・伝授され」「さらに、それを日本の風土に適応するよう研究工夫をかさねて完成したのが『鶏卵素麺』です。」とある。この菓子はまた黒田節で有名な筑前・黒田藩御用達となり、毎年江戸へ献上する栄誉を担ったともいう。「名物に旨いものなし」などと云うが、佐世保の九十九島せんぺいと博多の鶏卵素麺はみやげのホームラン王だと私は思っている。
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