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2014年2月 9日 (日)

日曜日の朝に

おっちょこちょいで短気なため、人生でどれほど損したか計り知れない。若い頃から会社でも一言多くて、煙たがられたであろう事は想像に難くない。ちょっと前まで、飲食店に行った際もサービスが期待と違ったり、意に沿わなかったりすると、すぐに店員に嫌味をたれるので、妻は 「お願いだから黙っていて。そんな事に腹を立てて文句をつけても何も変わらないでしょ 」と私を諭していたものだ。それでも60才を過ぎてから、自分でだいぶ怒りをコントロールできる様になって、「俺も丸くなったものだ」と自画自賛していたこの頃である。


さて今日は久しぶりの雪道を妻と都知事選の投票に行き、帰り道にお茶でも飲むかと、二人で近所のスタバに入った。日曜日の朝はパソコンをいじったり新聞を読んだりする人でそれなりに席が埋まっているなか、一隅だけポツンと空いたテーブルがあるので、妻に注文を頼んで一人でそこを確保する事にした。と、数メートル離れたところに一人で座っている中年女性が、数分おきになにやらブツブツ意味不明の事を呟いている。それとなく見ると、携帯で電話をしているわけでもなく、空中に向かって一人話しているのが気持ち悪い。そのまわりは、と見るとちょっと離れた席で新聞を屏風の様に立てつつ、「 私には絶対関わるな 」と、無言で意思を示すかの若者が一人いるのみの状況。


この場面、混んだ電車でたまたま空いている一隅を見つけ、これ幸いと腰をおろすと何やら”やばい”人がお隣で、そこだけ空いていたと云う時の様だ。そのうちこの女性は一番近い席にいるこちらの顔を見ながら、人質がどうのこうのと訳の判らない事をさかんに喋りかけてくる。コーヒーを持ってきた妻は事態がのみ込めず困惑していたが、他に移動する席もないので聞こえぬふりである。しかし気が短いのは江戸っ子の性分、しばらく我慢していたが、妻を安心させねばとむかっ腹に火がついた。「 誰に向かって喋ってるんだ、うるさいんだよ。独り言か?それなら正面向いて喋ってろ、こっちを向くな 」 (妻の注:本当はもう2ノッチくらい過激な喧嘩口調だったとの事 )と中年女性に一言ほえると、一瞬ぶつぶつと何かを言いつつも彼女はトイレかどこかへ消えてしまった。


多分先ほどからこの客をマークしていたのだろう、事態を遠巻きに観察していた店員がすかさず私達に、「お客様、大変失礼しました、席が空きましたからあちらへどうぞ」と遠い席に誘導してくれたのには助かった。ちょっと向こうに座っていた男性が、ホっとした笑顔で「気持ち悪いですよね」などと話しかけてくる。いつも私の態度にバツの悪い思いをする妻も、「 今まであなたがキれた時はハラハラするしかなかったけど、この十年で初めて『よく言ってくれた』とスカっとしたわ 」と珍しく誉めてくれた。「俺だって相手がこわそうなお兄さんだったら、さっさとこちらから店を出るさ、反撃されるかどうか位は観察済だ」と余裕のある処を妻に見せつつ、「あんなのがいるから血圧が上がって困るよ」と苦笑すると「血圧が高いからこそ、そういう反応をしてしまうのよ」とさっき持ち上げたと思ったらすぐに切り返された日曜の朝だった。

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