飛鳥Ⅱ A-style :クルーズはこちらから楽しまなければ損だ
今回のA-styleクルーズ~冬彩~では一年ぶりの飛鳥Ⅱ乗船となったが、船内には各所に顔見知りのクルーがいて「おや、××様。お久しぶりです!」などと挨拶してくれる。驚いた事に日本人クルーだけでなく、フィリピン人クルーでも我々を見るとにっこり笑って名前で呼んでくれる人が結構いるではないか。こうやって歓迎されるとそれはそれで嬉しいものだが、我々は何百泊もしている金持ちの常連ではないし、クルーにすれば年間何万人も乗船してくる客の一人にすぎない。乗組員用の事務室などで「えーと、今日乗ってきたあのお客さんの名前なんだっけ?」と、皆で確認大会でもしているのだろうかと詮索したくなる。
そんな疑問を日本人のエンターテイメントクルーにそれとなく尋ねると、「だて眼鏡にカンカン帽、腹巻にステテコ(注)、クレープのダボシャツを来て雪駄でデッキディナーや乗客参加の船内イベントにいらっしゃる方はあまりいませんから、それは強烈に覚えてますよ」と返事が返ってきた。「いや・・・あれは、こそっと会場のデッキの様子を下見した上で、まあ大丈夫かと勇気を奮ってやったんだよ。実は顰蹙ではないかと心配で仕方なかったし・・・」と言うと「いえいえそんな事はありません」と彼女はお約束のお答えである。「ニューヨークでは持参の星条旗柄のトランクスでセイルアウェイに参加し、メキシカンナイトでも麦わらにつけ髭、それに持ち込んだメキシコ国旗のエプロンをしたし・・・。それは変な客だと名前くらい記憶に残るかもなあ・・」と妻とさすがに納得の会話である。
そういえば下手くそな社交ダンスも、以前よりは人目を気にせず船内で踊る事ができる様になってきた。夜のダンスタイムでも上手なカップルはごく少数だし、そもそも他人は私たちのダンスなどほとんど注目していない、という当たり前の事がやっと判ってきた訳だ。と云う様に最近はクルーズ船に乗船すると「せっかく大枚をはたいて乗ったのだから、船から与えられる楽しさだけでなく、自ら思い出を作らなければ勿体ない」とばかりに、普段よりもテンションを高めにして勝手に盛り上がる事にしている。
自分のことは元来シャイな性格だと思い込んでいた妻もいつの間にか同じ心境に至っており、今回も横浜出港時の恒例ダンス”ダンシングクイーン”の音楽が鳴るやいなや、クルーの間にいち早く混ざって船側の人間かの様にノリノリで盛り上がっていたのだった。日本船・外国船を問わず、クルーズでは変な自意識を捨て、人目を気にせず(もちろん最低限の節度を守る必要はあろうが)、自ら積極的に事に参加して楽しまなければ損というものである。福沢諭吉が言った「自我作古」(自らいにしえをなす=自ら歴史をつくれ)の精神だと云えば大袈裟な、と怒られようか?
注:ステテコ姿はクルーの扮装だと間違える乗客がかなりいた様だ。
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