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2013年12月14日 (土)

敗戦史観を超えて

時々買う雑誌 VOICE 1月号 (PHP研究所) 誌上で、評論家・渡部昇一氏と「永遠のO(ゼロ)」作者の百田尚樹氏が 「『永遠のO(ゼロ)』で敗戦史観を超えよ」 と題する対談を行っている。骨子は第2次大戦後に進駐軍が彼らの理屈で日本人に植えつけた贖罪感や罪悪感を、我々日本人が後生大事に持つ必要などありませんよ、というもので「『永遠のO』が『はだしのゲン』なぞ駆逐して、小学校に副読本として置かれる日を楽しみにしています。(笑)」と締めくくっている。中国が第2次大戦の戦勝国側だったという理由だけで国連の安全保障常任理事国になり、最近は何かというと日本の行動は戦後の国際秩序を崩すものだ、等と偉そうに発言するのを聞く度に、それは単に戦争に勝った側の理屈に過ぎないと憤る我が心情にぴったり添う対談といえよう。


真珠湾は卑怯な日本人のだまし討ちだ、とアメリカのルーズベルト大統領は叫んだが、その後の研究で日米戦争はルーズベルトが日本を誘って引き起こした面が多分にある事が明らかにされた。また日本の最後通告手交が「単なる事務手続き」のミスで遅れたという事実も、ルーズベルトは充分知っていたとされている。アジア各国で旧日本軍が蛮行を重ねたという中国や韓国のプロパガンダに対して、VOICE誌の対談で、百田氏はインドネシア人は「長年、オランダの植民地支配に耐えかねていたインドネシア人が『解放者』の日本を支援」しバレンバンの石油施設を日本軍に引き渡したと述べているが、これに限らず物事には良い面と悪い面の両方があって、戦前の日本や旧日本軍だけが一方的な悪行を重ねたかの様な自虐史観から私達も卒業したいものだ。その意味で中韓が声高に歴史認識を持ち出すほど、前の戦争は日本だけの責任ではないと考える日本人が増えている様で、批難のエスカレートが日本人を逆に覚醒させるとは皮肉な現象である。


歴史にイフはないものの、この対談では真珠湾攻撃の際に、軍艦を狙うよりなぜ石油基地と米海軍工廠を徹底的に叩かなかったのかが残念だと渡部氏は述べている。同時に我が潜水艦をアメリカの西海岸に配置し、ハワイへ向かうタンカーを攻撃して兵站を切ってしまえば、真珠湾に空母がいくらあっても燃料切れで動けず、あの戦争の戦い方も相当変わっていただろうと氏は言う。その時は米空母をおびき寄せ攻撃せんとしたミッドウエー海戦も無かったかもしれないし、「アメリカ陸軍は日本軍の進撃に備えて西海岸に集結せざるをえず、アフリカ戦線までイギリス軍を援護しに行く余裕はなかった。」として戦争のシナリオが大きく変わり「日米戦はドローゲームになっていたのではないか」と、作家ハーマン・ウオークの仮説を紹介している。とまれ兵站(ロジスティクス)の軽視や、レイテの栗田艦隊反転に見られる海軍のガッツのなさが結局戦局を変えてしまうのだが、もし米英と日独伊が引き分けていたら戦後の日本人のメンタリティも随分と変わっていた事であろう。

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