飛鳥Ⅱ 2015年世界一周クルーズ
2011年に飛鳥Ⅱで世界一周をした乗客のうち、船内で自然発生的にできた友人のグループがあって、下船してからもその仲間達10数名で年に2度ほど東京近辺で飲み会をしている。我々夫婦は仕事の関係で定例会以外まだ参加できないが、その他にグループの有志達は一緒にクルーズ船に乗ったり、仲間の別荘を訪れたりとあちこちで親好を深めているそうである。それまでまったく見知らぬ者だった同士が、100余日間同じ船に乗って生活を共にするとこうして友人となってしまうのも、クルーズの不思議な縁である。乗客の中には多くの医師や弁護士の他、文筆家なども乗船していたそうだが、我々の様に気が合って集まる仲間達は、どうやら会社の経営者や役員、サラリーマンなど企業人だった人が多い様だ。集まっても皆偉ぶらず、現役時代の手柄話などをほとんどしないのが心地よい。
昨日は東京駅近辺で、仲間のうち比較的年の近い2組の夫婦と計6人で忘年会を行った。ダンス教室やブリッジ教室など飛鳥船内で経験したいろいろな思い出、出会った人のあれこれ、これからのクルーズ予定やら旅行社の情報交換などに花が咲き、いつも通りあっという間に数時間がすぎてしまう。そんな中、話題に上ったのが先ごろ発表になった2015年の飛鳥の世界一周クルーズである。今回は飛鳥初代から数えて20回記念のワールドクルーズだそうで、5年ぶりにスエズ運河を通って地中海に入るルートはちょっと注目である。先の国会で通った特措法によって、ソマリア沖の海賊に対して日本船にも武装ガードが乗船できる様になった為に、2015年はアフリカ沖喜望峰を廻らずに、インド洋から地中海にスエズ運河経由で抜けられる事になったのである。
ただこのクルーズ、乗客はインドのボンベイで全員下船し、アラブや中東、ヨーロッパなど3コースに別れて7日間の陸上ツアーを行い、スエズ運河の手前にあるアカバで船に戻ってくる変則スケジュールになっている。船やクルーは紅海を通るが、乗客なしの空船航海という措置は、海賊対策で保険会社などとの交渉の結果なのだろうか。外国の客船はここを頻繁に通過しているのに対して、何とも過剰なまでの安全策である。もっとも600名ほどの乗客全員を飛鳥流の至れり尽くせりツアーで案内するにはコストも相当かかるはずで、その分クルーズ料金も例年より高く設定されている様だ。ただ高齢者の中にはゆっくりと船内に残りたいと云う乗客もおり、そういう要望にはどう対処するのだろう。「何があっても責任を負いません」という念書でもとって、船内でじっとしていて下さい、と云う事にでもするのだろうか。2015年世界一周は寄港地も面白そうだし、念書を書いてサービスのない船内で1週間我慢すれば料金が大幅に安くなるのだったら、また金の工面をして乗ってみたいものだと酒飲み話で盛り上がったのだった。
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