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2013年11月14日 (木)

キャロライン・ケネディ新大使

昭和38年11月23日、勤労感謝の祭日でのんびりと起きた朝、テレビをつけると、白黒の画面から「今日、歴史上記念すべきアメリカからの初の衛星同時中継の日に、日本の皆さんに大変悲しいお知らせをしなければなりません」という趣旨の日本人特派員の中継が始まった。一体何が起こったのかとびっくりしていたら、「ケネディ大統領が狙撃されて亡くなりました」と放送は伝えているではないか。あわてて休みの朝寝を楽しんでいた父親をたたきおこし、「これは大変な事になった」と続々と送られてくるニュースを家族でながめ震撼した事を思いだす。その日は暫くするうち、ケネディ家の家族の写真が電波に乗り、美しいジャクリーン夫人やまだ小さいキャロラインちゃんの愛くるしい姿が、日本中の茶の間に流されていたのだった。あれからちょうど50年、そのキャロライン・ケネディさんがアメリカの駐日大使として日本に赴任するという嬉しいニュースが流れている。


ずいぶんと皺は増えたものの、いかにも名門家の出らしいキャロラインさんの顔が繰り返し放送されるうち、私は30歳代の後半アメリカに駐在で赴任した当初の事を思い浮かべた。当時はまだ一人で米国内あちこちに出張するのもおっかなびっくりの頃である。地方都市に向かう小さなプロペラ機の2列シートで、たまたま横に座った40歳くらいの上品な白人の婦人と会話を交わしたが、初めて行く土地で地理も不案内、空港でレンタカーを借りて訪問先の事務所に行く道順を尋ねた私が余程頼りなく見えたのだろう。この婦人は「レンタカーとはもったいない。クルマを借りるなら私が自分のクルマで連れて行ってあげるわ」と言う。「いやそれは悪いから」と固辞したのだが「その事務所の前で降ろすから、帰りは空港行きのシャトルバスにでも乗れば良いのよ」と、見ず知らずのヘンな英語を喋るアジア人に親切を施してくれたのだった。


いくら地方都市といっても、犯罪が多いアメリカである。我が国でさえ、飛行機の中で隣り合った男を目的地まで連れて行くなどという女性はまずいない。しかしヒッチハイクに象徴される様に、女性でも困っている人を見れば交通の便宜を与えると云うのが西部開拓時代以来のアメリカの伝統なのかと、その時いたく感激したものだった。今回キャロラインさんの顔をテレビで見るにつけ、隣に乗り合わせた品の良いアメリカ婦人の思い出が重なって浮かび、新しい大使には良きアメリカ、強いアメリカの女性流ホスピタリティを是非体現して欲しいものだと思った。彼女の父親は魚雷艇PT109で日本の海軍と戦ったが、日・米が世界でも有数の同盟国同士となった今、彼女の人気によって両国の絆が深まるならこんなに喜ばしい事はない。もし認証式の日程がわかるなら、東京駅から皇居にむかう新大使の馬車隊列に向かって日の丸と星条旗を合わせて振りたいものだ。

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