選手をほめてやる
優勝して「東北の子供たち、全国の子供たち、被災者の皆さんに勇気を与えてくれた選手たちを『ほめてやって』下さい」と楽天の星野監督が素晴らしいメッセージを発するのを聞いて、「選手をほめて”やる”って星野は良い事言うね」とテレビを見ながら妻と話していた。最近は子供におやつを「あげる」と言うのはまだしも、あろう事か飼い犬に餌をやるではなく「あげる」のだそうで、そんな日本語を聞く度に思わずのけぞってしまうのである。久しぶりに星野監督の正しい日本語に喝采していたら、日曜日に放送されたNHKのスポーツニュースでは、わざわざその談話に「・・・・選手達をほめてあげて下さい」と字幕がふってあり、テレビ局に抗議電話をしたい衝動にかられた。
私は、とにかく最近の「ばか丁寧化」するおかしな日本語に抵抗を感じるタチで、話題の「させていただく」口調の氾濫はもとより、テレビのグルメ番組で乱発される「○○をおいしくいただく」までもひどく気になって、「○○をおいしく食べる」で良いだろうといつもテレビに向かって罵っているのである。そのほか最近は男性が接尾語に「ませ」を使っているのを良く聞くが、立派な男子が人前で「○○をして下さいませ」など言っていると、俄かに違和感を感じて「おとこのくせにそんな言葉を使うな」と思ってしまう。
そういえばビジネス英語も、かつて我々がテレックス英語を習った頃より、かなり丁寧になっている様で、しばしば違和感を感じるこの頃である。テレックス時代には、文章を短くする目的もあって、取引会社に対して"Your Good Company"などと書くと、上司にGOODは不要とばかり赤ペンで横線を引かれて添削されたものだった。しかし最近は海外から来るEメイルの文章も、どんどん丁寧化して "Your Good Company" も随分と見かける様になった。また以前にも書いた通り、精算されない金などを督促するのに、やたらとGentle Reminderと銘打ったメールがやりとりされているが、余程の場合を除いて催促には"2ndとか3rd Reminder"の方が直裁かつ効果的だと私は思っている。どうも世界中で物事を丁寧で遠慮がちに表現する方向に進んでいる様で気になってしょうがない。
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