大人の野球
5月20日のブログで慶応大学野球部2年の加嶋君の事を取り上げたら、なんとその加嶋君が今日の東京六大学野球リーグ戦 慶応・東大2回戦で東大相手にノーヒット・ノーランを達成した。長い歴史を誇る六大学リーグ戦でも史上24人目だそうで、加嶋君自身はリーグ2勝目が大記録になったわけである。相手が東大だからと侮るなかれ。先だつ日曜日の慶応ー東大1回戦、神宮球場に観戦に行ったが、首位を明治と争う慶応に対して、この試合はあわや東大が勝つかという内容で、かろうじて慶応が1対0で逃げ切ったのだった。東大も元ジャイアンツの桑田投手を臨時コーチに迎えて投手陣を鍛え、事実この夏のオープン戦でも東都大学などを相手にそこそこ健闘しており、観戦した慶東1回戦ではミスの少ないしっかりとした大人の野球を見せてくれていた。
5月20日のブログ
さて以前なぜ加嶋君の事をブログで取り上げたかというと、慶応高校(日吉)からの推薦組ばかりがリーグ戦に数多く出場する中で、野球がさして強くない慶応志木高出身の加嶋君や、湘南藤沢高校出身の稲垣君(外野手4年)が活躍するその姿に魅かれるからである。高校時代の実績は甲子園とほど遠くとも、大学に入って大人の野球の中で鍛えるうちに、甲子園組を超える様な活躍をする選手を遠く観客席から見るのは楽しいものだ。彼らだけでなく他大学でも、普通の公立高校の出身者や、浪人した選手がリーグ戦に登場してくると、「おい。がんばれよ」と、つい声でもかけたくなってしまうのである。高校時代の才能や経験も大事だろうが、大人として第一歩を踏み出す大学生にあって、自覚と自主的な努力で上がってくる選手ならきっと立派な社会人になるだろうと思う。
日曜日の1回戦も、そんな気持ちでいつもの神宮球場に出かけていくと、なにやら内野席の一角を持参のマフラーで仕切って、固まって応援している中年女性の一団がいる。別に混んでいるわけではないから、その一角を独占しようが、他人が入らない様に仕切ろうが構わないが、仲間が球場に入ってくると「ここよ、ここよ」と呼び合って段々と女性集団は増え、その数は10名以上だろうか。彼女達はメンバー表を見たり、選手の活躍に一喜一憂しているから、どうやら部員達の母親達らしいが、中高年男性の多い神宮球場観客席もママの応援団グループが目立つようになったと、オールドファンとしてはちょっと驚くのである。かつて40才台の終わり頃だろうか、同窓会に行った際、同級生だった女性が「明日は(強豪)大学の息子のアメフトの合宿に炊き出しに行くの」と嬉々として言うので、「大学生の息子の合宿にママが出て行くのか?」と皆で小馬鹿にしたのだが、いまや「大人の世界」と思っていた大学野球にも、段々ママたちのプレゼンスが増しているのかと複雑な気持ちがした。
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