寝台特急カシオペア
秋になったらどこかちょっと旅行したいね、と妻と話していたら、彼女は寝台特急の「カシオペア」に乗りたいという。できれば展望室タイプのカシオペアスイートの切符をゲットしたいそうだが、これは人気が高くなかなか手に入らないものらしい。あれやこれや旅行誌やら鉄道誌を比較しつつ、実現する可能性があって、彼女なりに「一番おトク」だと結論付けた部屋はカシオペア・デラックス(広さ8.2㎡)。この部屋はカシオペア・スイート(広さ11.5~11.7㎡)の寝台料金よりも一人7000円以上も安い上に、スイートと同じく、シャワーがあり、ウエルカム(アルコール)ドリンクサービスが付くそうだ。それにしてもカシオペアに1室しかない部屋だから人気がありそうだという事で、ゲット出来る確率がより高そうな札幌発上野行きの上り列車にターゲットを絞って最寄駅のみどりの窓口に行ってみた。
発車一ヶ月前の10時に予約開始とあって、発売の10分ほど前にみどりの窓口に切符を申し込むと、受付はまだうら若き女性である。用紙に記入した内容を真剣な眼差しでコンピューターの端末に打ち込み、10時4分くらい前から窓口を閉鎖していわゆる「10時打ち」に備えてくれる。時計の針が10時を過ぎること15秒ほどだろうか、この時間のもどかしさを毎度の事ながら感じつつ窓口で待っていると、「お客さま取れました!内容をご確認下さい」とこの女性駅員は、本人が当たった様な嬉しそう顔で告げてくれる。「どうもありがとう」と礼を言いつつ発券してもらったが、さて帰りは良いとして札幌までの行きはどうするのか、これからじっくり考えねばならない。この夏の初め、新日本海フェリーの新造船「すずらん」に乗船するために渡道した際は、羽田から千歳空港に行き千歳アウトレットで買い物をしたから、今回は乗車まで秋の道央を少し時間をかけて楽しむか、はたまた東京から八戸まで新幹線で行って、八戸~苫小牧のフェリー新造船に乗ってみるかなどと旅の計画が膨らむ。
それにしても「北斗星」に「トワイライトエキスプレス」、商船三井フェリーに太平洋フェリー、新日本海フェリーと、我々はただ乗り物に乗るためにロクに観光もせずに、北海道ばかりをここ数年往復している事となる。そんな折、JR九州では「ななつほし」という、クルーズ船の列車版の様なディーゼル列車の運転を始めるそうだが、時間がたっぷりあるシニア世代の退職者が増える昨今、東京から西日本方面にも乗って楽しい列車や船が運転(運航)されないものかと願うのである。かつてブルートレインと呼ばれて人気だった九州連絡の夜行寝台特急は姿を消してしまった。航空機や新幹線網が発達した上、JRが発足して経営が各社に任された結果、多社に亘る機関車や寝台車の保守運用に手間と金がかかるので、九州連絡だけではなく夜行の寝台客車列車は衰退の一方である。しかし客車による列車の乗り心地は電車より格段に快適だし、夜行列車の車窓から流れ行く軌条や信号の明かりを眺めるのは、とても旅情をかきたたせるものだ。かつての食堂車の華やかなざわめきなどを思い出すにつけ、少々追加料金を払ってもよいから寝台客車特急列車の復活をのぞみたいところである。
「トワイライトエキスプレス」ジョイント音とJR東のカシオペア牽引機(樫釜)EF510(上)
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JR西日本・東日本も参戦しますよ。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/130803/wec13080319060006-n1.htm
投稿: へき | 2013年9月15日 (日) 21時40分
へきさん
コメントと情報ありがとうございます。クルーズ列車楽しみですが、旅程に比べてちょっと料金は高いですね。これなら船旅の方が良いと思う人も多い事でしょう。
ただ色々と楽しみの選択肢が増える事は大歓迎です。
投稿: バルクキャリアー | 2013年9月16日 (月) 11時20分