振り逃げ逆転さよなら
秋の東京六大学野球リーグ戦、開幕日の14日(土)、夏の日差しが残る神宮球場に慶応-立教第1回戦の観戦に行く。毎年毎年、半世紀に亘って春と秋になると始まる我が恒例の神宮球場通いである。ここのところ、スポーツ推薦を復活させて強くなった立教野球部。出場する選手の出身校を見ると帝京、興南、浦和学院、大阪桐蔭、横浜など野球強豪校の名前がずらっと並ぶ。対する我が慶応義塾はほとんどが慶応高校の出身者。慶応では、高校で野球に秀いでた子供をかなり入学させている様だが、大学も彼らばかりで、全国の高校から選手が集まって切磋琢磨する他の大学に対して、どうも最近劣勢なのは否めない。以前は慶応が全国区で、立教が立教高校出身者ばかりだったから、すっかり立場が逆転してしまった感がある。
このカード、今春はリーグ緒戦で立教と対戦し、慶応は勝ち点を落とし、そのままずるずる東大以外の各校に負けて5位になってしまった。立教も慶応が相手だと元気が出るのか、この10年くらい、いつも接戦を繰り広げる嫌なカードである。慶応先発の白村投手は、相変わらず初球から球速147キロと速いものの、立教のバッターにタイミングをあわされ、毎回先頭打者を塁に出してはこつこつ打たれる。しまいには変化球のリリースまでおかしくなって、とんでもないワンバンドの球が多くなり、本人もマウンドで首をひねるばかり。攻撃の方もランナーは出すものの、タイムリーが出ず結局9対1で立教に一方的に負けてしまい、「これはこの秋もあかんなあ」と足取りも重く神宮球場を後にしたのだった。
ところが台風で中2日空いたのが良かったのか、2回戦は延長の末に立教を破ると、昨日は投手の頑張りに、何といわゆる「三振振り逃げ」による逆転サヨナラ勝ちで2勝目をあげ、勝ち点1をゲットしたそうだ。報道によると試合は立教に一点リードされた9回裏の攻撃で、連続ヒットで無死2・3塁とした後に次打者が三振。ただそのボールが正規捕球でないため(下記)、バッターが一塁に走った処、キャッチャーが一塁に暴投し、球が外野を転々とする間に2人ホームインして逆転という珍プレーだったらしい。それにしても3塁走者だけでなく、2塁走者までがホームに帰ってくる1塁への暴投というのは私はこれまで見たことがない。立教キャッチャーの平本君(4年・報徳学園)は肩の良い選手だな、と思っていたので、敵ながらこんな失策で負けるのもちょっと可哀想な気がしてくる。平本君、これで気を落とさず、今度は残る明治、早稲田、法政を破ってくれよ等と思いたくなる。
<バッターアウト>
野球規則6.05(b):第3ストライクと宣告された投球を、キャッチャーが正規に捕球した場合。正規の捕球ということは、まだ地面に触れていないボールがキャッチャーのミットの中に入るという意味である。
<(キャッチャーが正規の捕球していない場合の)バッターアウト>
野球規則6.05(j):バッターが第3ストライクの宣告を受けた後、・・・・1塁に触れる前に、その体または1塁にタッチされた場合。
<バッターがランナーとなる場合>
野球規則6.09(b):ランナーが1塁にいないとき、またはランナーが1塁にいても2死のとき、キャッチャーが第3ストライクと宣告された投球を捕らえなかった場合。(注:正規の捕球をしなかった場合)
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