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2013年8月 9日 (金)

夏休み その5 (シンガポール)

スーパースター・ヴァーゴのクルーズ前後に都合3泊シンガポールに滞在した。以前は仕事で良く訪れていたが、2011年4月に飛鳥Ⅱで数時間立ち寄って以来で、ここに何日か滞在するのは久しぶりだ。考えてみれば1990年代初めに、初めて出張でシンガポールを訪れた際に、経済を含めいろいろな意味で、日本はこの国にいつか追い抜かれると思っていたが、「失われた20年」とやらで停滞している間に、想像していたよりも早く、あっさりと日本は抜き去られたのである。今やシンガポールの一人あたりのGDPは5万ドルを越えているし(日本は4万5千ドル)、私が従事してきた海運業も、かつてはアジアの中心と云えば圧倒的に日本だったが、船舶融資はもとより船舶メンテの拠点などがほとんどシンガポールへ移ってしまった。


という事で、海上を見やると沖には夥しい数の船舶が補給や修理、荷役の為に停泊しているし、陸には次々と高層ビルが建ち、毎度来るたびに町が新しくなっている。かつて出張で来た際に良く走ったジョギングコースはいまやF1サーキットの路面になってしまい、マリーナ・ベイ・サンズがシンガポール新名所になったと思ったら、その隣ではガーデンズ・バイ・ザ・ベイと云うさらに新しい公園がオープンしている。一方で伝統的なチキンライスや蝦麺をその場でこさえて売る屋台が減り、ホーカーズに代わって近代的フードコートばかりが目に付く様になった。以前ここに長期出張でいた妻は、風情がなくなった上に値段が高くなったと嘆くが、なにしろ経済成長に伴って物価も毎年5%くらい上昇しているから物が高くなるのは当然と云えよう。それにしても巨大ショッピングモールがあちこちにあって、一体何を購入したと云うのか沢山の人が紙袋を提げて歩いている。


シンガポールは東京23区と同じ位の大きさの島に、500万人の人が住んでいる。石油製品や化学品・IT機器や機械を輸出するほか、金融や観光・サービス業・海運業などで稼ぎ、その富は海外投資に回すという産業構造である。自由主義経済学者がしばしば引き合いに出すとおり、農業などなくても国は成り立つという典型的な例だといえよう。しかし、ここに永く住みたいか、というと私は否である。企業から派遣されて来た日本人も3年~5年で帰りたいと言う者が多い様だし、そもそもローカルの人間も息抜きにタイやマレーシアによく出かけて行く。国土が狭く、小さな社会と云う窮屈さをここに住む人間は感じるのだろう。科学技術はあり産業があり、プラナカン文化もシンガポールにはあるが、かつてハンチントンが唱えた様な、歴史や伝統と融合した幽玄な文化・文明の香りというものはあまり感じられない。”無機質”な繁栄という言葉が頭のすみをよぎりつつ、地下鉄も通じてますます便利になったチャンギ空港から帰国の途についたのであった。 

シンガポールといえばチキンライス(上)に蝦麺(ドライ)
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