« 2013年6月 | トップページ | 2013年8月 »

2013年7月

2013年7月31日 (水)

夏休み その2 (ボーイング787)

マイレージで乗ってみたいと思ったのがボーイング787である。2年前にアメリカ・ワシントン州エバレットにあるボーイングの工場で、その組み立て工程を見学して以来、就航した暁にはなるべく早い機会に乗ってみたいと思い、シンガポール行きを予約したのだった。ところが例のバッテリー不具合による飛行停止で、一時はどうなるかと思っていたのだが、やっと対策を施したそうで、今回の夏休みの旅行に間に合ったのは事のほか嬉しかった。しかし好事魔多し、成田のラウンジで搭乗を待っていると「機材の準備で遅れる、新たな出発時間は追って連絡します」とのアナウンスである。まあ大した問題ではなかったとみえ、15分ほどして準備が出来たと云うので、やおら搭乗ゲートに赴くと、誰もそこにはおらず、どうやら我々が最後の搭乗客の様だ。これでもラウンジから真っ直ぐにゲートに来たのに、私もせっかちだが他の日本人は随分とせっかちなのだと改めて感じたのだった。


で、ボーイング787の新しいビジネス・クラスである。従来の長距離線の標準的ビジネスクラスだった”シェルフラット”は足が伸ばせ快適だったが、787の”シェルフラットネオ”は、それをかなり改良している。まず前の座席(シェル)の背後のスクリーンが大型化し、画面が見やすくなっている。パソコン用電源に加え、機内に持ち込んだ荷物を収納する物入れも豊富で、特に眼鏡置きなどとして座席の肘掛にいくつか小さなスペースがあるのが、日本のエアラインらしい細やかさである。私は機内でアルコールを飲むと、与圧が低い事もあって、食事後にあっと云うに熟睡モードに入り、その間にずりおちた老眼鏡が行方不明になったりし、今までずいぶん探し物に困った事があった。この眼鏡置きの設置でその悩みも解消という事で、ちょっとした工夫が便利で嬉しいものだ。何よりこの787は、機内の気圧が従来のジェット機より高く設定されているそうで、今回はアルコールで即気絶モードも経験しなかったし、耳がツンとなる事もなかったから、乗り心地に関しては大変な進歩だといえよう。


トイレに行けばウオッシュレットが付いているという事で、試しに大して行きたくない”大”を試みた後に、さっそく初の機上のウオッシュレットを使用すると、空中の水洗お尻フキは実に気持ちよく快適である。多分外国のエアライン向けにはウオッシュレット仕様はないのかと想像するが、これが標準なら外国人にもその良さがわかろうと云うもので、できれば世界の飛行機にウオシュレットが普及してほしいところである。鳴り物入りの液晶の窓ブラインドは、客室乗務員の省力化につながる上、美しくてなかなか優れたアイデアだと思った。ただ一点、機内オーディオに関して云えば、音質が従来通りなのは、いささかがっかりである。又これは機種の問題ではないが、音楽プログラム内容については、クラシックから演歌まで、私には選曲の傾向が以前とかなり変わったと感じた。私の好みの60年代オールデイズなどが減り、70年代や80年代以降の音楽を好む若者好みに選曲を変えたのかもしれない。主な客層、なかんずくビジネスで乗る乗客はもはや60年代ポップスではあるまいし、と云う事だろうが、このプログラムを聴くと私も歳をとったのかとちょっと寂しく感じたのだった。

20130731787

20130731787_3

2013年7月30日 (火)

夏休み、その1(シンガポールとスタークルーズ)

サラリーマンとしてこの後、何回くらい”夏休み”というものが来るのかわからない。ひょっとすると来年から”毎日がお休み”と言う事になるかと思っていたところ、もう一年契約を更新したいが、と会社から打診があった。それなら先立つものの心配もあまりせず、今年も安心して夏休みを取れるかと云う気分になったものの、夏はどこへ行っても人だらけである。どうしようかと思っていたら、エアラインのマイレージがこの夏で切れそうな事にふと気が付いた。米系のエア・ラインだと一度クレジットされたマイルは永く使えるが、日本の会社のマイレージは2年で失効してしまうから、それならどこかへ飛んで使わなければ損と云う事である。


と云う事で、夫婦二人でビジネスクラスに乗って、それも出来れば新鋭のボーイング787が飛んでる路線で、などと考えていたところ、候補地としてシンガポールがあがった。米国東海岸ボストンへも787型機が飛んでいるらしいが、残念ながら最近は海外出張ともすっかりご無沙汰で、ボストンまでビジネスクラス2人分のマイル数はなく、マックスでシンガポールである。と言ってもシンガポールにはこれまで仕事で随分来たし、物価が高くなった上に暑いわ、妻もかつて銀行員時代にここに長期出張でいた事があるわで、いまさら観光と言う気分にもあまりなれない。ならばかつて出張で良く泊まったちょっと高めのホテルでプールにでもつかりゆっくりし、久しぶりにスター・クルーズに乗ってみようかと出かけてきた。


考えてみればここのところ海外に行ったと云えば、最近日本を中心にクルーズを展開する外国船がカボタージュ対策で韓国のブサンなどにワンタッチ数時間寄る時だけくらいである。飛行機で海外に旅立つのは2年ぶりくらいになるから、国際線フライトに乗るなどはちょっとした今ウラシマの気分となる。まず東京駅から乗った成田エクスプレスが新型車両になったのにびっくりし、成田空港第二ターミナルが随分きれいに改装されたのに驚く。ターミナルをブラブラと流していると、なんとブッルクスブラザースの店まであるではないか。昔から着るものは何とかの一つ覚えで、ブルックスなどのトラッド物だったのだが、ブルックスはこの頃あちこちに出来てちょっと興ざめではある。しかし成田にまで店があるとなると、フライトの時間つぶしでひやかすのにちょうど良いし、旅行モードで財布の紐もゆるくなり新製品を買おうかなどと思いそうだ。などと感じながら久しぶりに成田から飛び立った。

新成田エクスプレス
20130730nex

ブルックス・ブラザーズの成田店
20130730

2013年7月21日 (日)

デトロイト財政破綻とビバリーヒルズコップ

1990年代にアメリカ東岸や五大湖向け鋼材・鋼板輸送の仕事をしていたので、何度か出張でデトロイトに行った事がある。よく泊った郊外のホテルのそばにはフォードの大きな看板が立っていて、ここはいかにも自動車の町という事を肌で感じたものだった。デトロイトはセントローレンス川に面したアメリカらしい町だったが、街中には治安が悪い地区があるからそこには近寄るな、と地元の人に注意を受けた記憶がある。1980年代前半から日本車の輸入攻勢に押されてアメリカの自動車産業は斜陽となり、失業者が溢れて市の財政が厳しくなるとともに治安も悪化していたのである。


そのデトロイトが財政破綻して連邦破産法9条(チャプター・ナイン)の適用を受けるという。ニュースによると市内で事件が起き、通報しても、警察が来るまで1時間近くかかり全米で最悪の状況、救急車は半分が動かないというから住民に対する各種サービスは完全に機能マヒに陥っているようだ。これから市の職員の待遇を下げたり、退職者の年金減額などで財務負担を減らしながら再建を目指すと報道されているが、車窓から見た寂れた一角を思い出すにつけ、果たして順調に再生できるのか、道のりは長いのではないかと予想する。


そんなデトロイトの警察といえば思い出すのが、1984年エディ・マーフィの主演になる”ビバリーヒルズ コップ”である。デトロイト市警のぶっとび刑事アクセル(エディ・マーフィ)が、殺人事件を追ううちにビバリーヒルズに行き着き、痛快無比な活躍で事件を解決するという娯楽映画で、当時は続編も出る人気作品だった。映画は華やかさの象徴、カリフォルニアのビバリーヒルズのスマートな警察と、寂れた町デトロイトのやさぐれ警察の違いを見せながら、さまざなアクションとともに痛快に筋が展開していく。公開された当時は何と云う事なく画面を見ていたが、なぜアクセル刑事がデトロイトから来てビバリーヒルズなのか、困窮と富を象徴する2つの町を対比する事でストーリーをより際立たせる狙いがあったのだろう。ニュースを見て、そんな事が脳裏に浮かんだのだった。
20130720bhc

2013年7月19日 (金)

クルーズ船・国後水道の航行自粛要請

日本を中心とするクルーズを今年から本格的に展開したプリンセス・クルーズとコスタビクトリア号をチャーターしたHISに対し、さきごろ「 国後水道の通行は認められない 」と政府が自粛を求め航路変更を要請したと業界誌が報じている。記事は「日本政府は、これら北方4島への船舶航行について、すでに自粛を求める閣議決定を行っており、日本のクルーズ会社は、北海道東岸からサハリンなどに向かう場合でも、択捉島とウルップ島間のウルップ海峡を通るなど、運航面で大きな負担を強いられている」としている。


たしかにこの水域に北方領土の問題が存在する事は事実だが、一方で船舶については他国の領海といえども無害通行権が国際的に認められている。すなわち害を与えないかぎり、どの国の船舶も他国の領海を自由に航行できるから、客船が国後水道を通航するのは何ら問題ないはずである。ましてやここは日本の領海だと主張している海峡を、日本人が多数乗船しているとは云え、外国籍の船が通過する事に政府が口を挟めるのだろうか。これまで日本籍の客船はおろか、パナマなどの船籍でも実質的には日本が運航する貨物船でさえこの地域は航行しなかったのは、閣議決定までされた我が国の方針があると云う事が今回初めてわかった。


「領土問題があろうと、無害通行権があるから自由に問題水域でも航行できるのに、なぜこんな自粛要請が出るのだろうか?」と知り合いの外航船の大船長に聞くと、「多分、その海域で事故や事件があった際、救助や捜査を実質的に相手国に頼まなければならなくなり、我が国の主張がそこで通らなくなる事を恐れているのではないだろうか」との見解である。確かにもし国後水道近辺で何らかの事件・事故がおきれば、我が国の海上保安庁ではなくロシア側の艦艇に救助や処置を委ねばならない事になりそうだ。そうなるといくら北方領土と叫んでも、わが国の実効的な支配が及んでいない事を認めざるをえなくなるだろう。政府としては、この地域で不測の事態が起こる可能性を万に一つでも摘んでおきたい所に違いなく、それが国後海峡通航自粛に結びつくと考えられる。


記事は「コース設定については、昨年から明らかにされているもので、すでに募集が行われており、『 国後水道を通過するから 』という理由で、乗船予約をした乗客も少なくない。一方、日本政府にとっても、国後水道不通過は、北方領土政策の基本に関わる指導方針であり、譲れないところ」と事態の成り行きを注目している。もしこの問題を避けるならプリンセス船やコスタ船は北海道の西を大廻りするか、ロシア領海として疑義のない100マイル余り沖のウルップ海峡(択捉島とウルップ島の間)のロシア水域を廻るしかないようである。クルーズの行程が伸びる事はさておき、もっぱらロシア領を通過するなら逆に問題にならないと云う逆説的な事象を見るにつけ、領土問題の難しさを垣間みた気がしたのだった。

2014年に予定されている北海道周遊とサハリンクルーズの航路図
20130719sp(プリンセス・クルーズのHPより)

この点について触れた「プリンセス・クルーズでの追加特典(2013年1月25日)」

2013年7月14日 (日)

船体の大型化はこのままで良いのか?

8000個積みの新鋭大型コンテナ船”MOL COMFORT”号は、6月17日にインド洋において何らかの原因で船体中央部に亀裂が入り、その後船体が真っ二つになった。船体の後ろ半分は6月27日に沈没してしまったが、残った前半部は積荷とともにタグボートで陸地に曳航されていた。しかし曳航中の7月6日に火災が発生し、消火活動に努めたものの、結局7月11日にインド洋に沈没したと発表されている。当初、このニュースが報道された時は、本船は韓国か中国の造船所で出来たコンテナ船に違いないと思ったが、実は三菱重工の長崎造船所で出来た船だと云うからびっくりした。なにしろ中国の造船所で出来た船は、必要な各種の基準に達していなかったり、デッキの鉄板が柔らかかったり、船体の各所に欠陥が見つかったりと云うケースが世界で頻発しているなか、日本の船については極めて安心だと世界中の海事関係者に信頼されていたからである。


かつて日本の高度成長期、貨物船が大型化した時代に”ぼりばあ丸”や”かりふぉるにあ丸”など船体が折れる大きな海難事故が起き、それ以来、現在に至るまで船体の強度について永年に亘る不断の努力で改善がなされてきたはずである。すでに世界では1万6千~8千個も積める巨大なコンテナ船が出現しており、8000個積みのCOMFORT号クラスでは強度なども充分解析されていると私は思っていたので、船体が真ん中でぽっきり折れるという事故は衝撃的である。2011年の春、飛鳥Ⅱのワールドクルーズの際は、遮る陸地のないインド洋で、はるか南からの大きなうねりが永く続き、そのエネルギーの巨大さを実際に体感したものだった。しかしCOMFORT号は2008年に出来た人間で言えば青年期の働き盛り、どう考えても船体に経年劣化が出る年齢でない。新しい鋼材が使われたと云う船体強度に何か根本的な強度計算ミスがあったのか、あるいは積荷であるコンテナの積み付け(重量配分)を誤ったのか疑問は深まるばかりだ。


先年ブラジルの鉄鉱石をアジアに運ぶために韓国で造られた世界最大40万重量トン級の鉱石船は、鳴り物入りで完成した後に船体に欠陥が見つかって大きな問題になった。また船がドックに入ると思わぬ亀裂が見つかったり、ホールド(貨物倉)に漏れる筈のない燃料がにじみ出ていたりすることがあって、ただでさえ船の世界は予想外のことが起こるものである。8000個積みのコンテナ船でさえ、二つに折れてしまう光景を見ると、船体の大型化がこのまま進んで良いのかという事を考えさせられる。殊に大勢の乗客を乗せるクルーズ船は近年大型化するばかりで、最近では20万総トンを超えクルー2000人乗客4000人を収容する、一つの町の様な巨大船が出現している。もちろん最新の技術を使った様々な強度計算が為された上で竣工しているに違いないし、重い荷物を運ぶ貨物船とクルーズ船は要件が違うのも事実である。しかし自然は侮れない上に人知は限りなく、大型化にはまだ解明されていない様々な危険があると云う事を、この事故であらためて思い知らされた気がする。

三菱重工長崎造船所で建造中の沈んだMOL COMFORTの同型船
(コスタビクトリアから撮影) 隣のイージス艦(ちょうかい)との大きさの違いが判る
20130714mol

2013年7月12日 (金)

この世の偽善

私の好きな作家・曽野綾子と保守の論客である金美齢による対談集「この世の偽善」(PHP研究所)が本屋で平積みになっているので買ってみた。曽野氏については以前にもブログで書いた通り、スッチーだった友人がかつて氏を機内でアテンドした事があって、日ごろ偉そうな意見を述べていても機内では威張ったりする人が多いなか、彼女はその反対で極めて立派な振る舞いだったと誉めていたものだ。様々な本に著された曽野氏の考え方だけでなく、そんな評判もあって私は彼女の本を時おり読んでは共感を覚えている。また金氏はテレビでコメンテーターとしてよく顔を見るとおり、日本で台湾の独立運動に加わり旅券を剥奪されるなど永い苦難の歴史と戦ってきた女性で、日本に帰化した今も人間としての覚悟を問う凛とした物言いに好感がもてる人である。


という事で早速読んでみたところ、期待にたがわぬ内容に納得である。東北地方の津波による瓦礫処理について東京都の石原知事がいち早く「みんなで協力しなければしょうがない」と受け入れを表明したのに対し多くの反対が寄せられたが、金氏は「やれ『絆』だ、『頑張ろう日本』などと言いながら、一方では(そういう)現実がある」と指摘する。「そこには自分が卑怯だという自覚がない」と対談は続く。僅かな献金しかできない人は自分の卑怯さを自覚しながら献金すれば良いのであって、命もかけない、最低限の金も出さない、それでいて「弱者」を助けなければならないと言ったり抗議運動や示威運動を行うのが今の風潮だと嘆く。その自覚もなく、単なる自己満足の「きれいごと」が日本を覆い、それしか認めようとしない偽善が日本を危うくする、と二人の舌鋒は鋭い。


予想通りの展開と云いながら、「この世の偽善」を読み進むにつれ、私には「そうだよね」とうなづく事ばかりのオン・パレードである。二人は助けられる側、弱者と云われる人の権利や正当性ばかりがまかり通る世の中に警鐘をならし、”ちびくろさんぼ”まで出版できなくなった「言葉狩り」の問題や、「報道ごっこ」に堕するマスコミを保守的な観点から痛快に斬る。日頃、私は日本が世界でも最も格差の少ない国の一つだと考えているから、最近格差が開いたとするメディアのデマゴーグには眉に唾をつけて聞くようにしているが、この対談はそんな私の認識に重なるものだとあらためて意を強くしたのだった。金氏は国が何をしてくれるか、ではなく自分が国に対してどう貢献できるのかを考えるべし、とかつてケネディがスピーチした内容と同じ趣旨の発言をしているが、政治の世界やメディアの報道に今こそこの精神が必要なのだと「この世の偽善」を読んで感じたのであった。
20130712

2013年7月10日 (水)

夏の思い出

暑い。という事でかねてから主張する2時間のデイライト・セービングタイム(夏時間)を個人的に実施する。夜は10時頃に眠り朝は5時におきてジョギングである。東京ではこの時期は5時でも十分明るいし、運動するには日中の日照りより朝早い方がずっとましだ。どう考えても夏の東京の朝は遅すぎて明るすぎで、この季節は時計を2時間進めて現在の朝9時を11時とした方が良いのにと毎年思う。そうすれば今の午後3時に会社や役所は終業となるから、少々残業をしてもまだ十分明るいうちに職場を出る事ができる。原発に反対などと言ってないで夏時間をさっさと採用し、朝は涼しい内に活動を開始し夜は早く寝る国民生活にしたら余程エネルギーの有効活用に効果があるはずだが、原発反対の野党からも一向にこんなアイデアが出てこない。


冷房があるといっても、やっぱり外は暑いので真夏は嫌なものだが、そういえば子供の頃は冷房もなかったし、夜は蚊帳を吊って寝ていたのにこんなに夏は暑くはなかった気がする。子供の頃、東京の郊外に住んでいたけれど、夜は雨戸を明けて寝ると月明かりがきれいだったし、大抵の晩は風が涼しい風が吹き込んできて、夜半になると父母が雨戸をしめて寝たものだった。眠れぬ夜などは月明かりに映える雲をあかずながめて、宇宙の事やクラスの可愛い女子の事などを想像しているといつか眠りに落ちたものだが、都市化によるヒートアイランド現象で、夜中でもクーラーが必要な今の都会では、子供たちも夜空を見ながら寝るという事は出来ないのだろう。


夏といっても当時は冷蔵庫などなかったから、暑いさかりに来客があると冷たい井戸水を金ダライに汲み上げて、ビールやすいかを冷やしていた。来客の準備に忙しい両親に井戸水を汲んでおく様に言われ、往時の手漕ぎポンプでギッチラ、オッチラ水を汲むと、最初は生ぬるい水が次第に冷たくなるのが気持ち良かった。そのうちタライを溢れた水が庭を流れるうち、そこここに水溜りが出来て、そこをわざわざサンダルでバシャバシャと入っては泥んこ遊びとなってしまい、しまいには親に怒られた事なども夏の思い出である。さて今では季節を問わずいつでも様々な野菜が売られているが、この時期になると妻には夏の味として茹でただけのトウモロコシ、切っただけのトマトを出してくれと時々頼む事がある。しかし最近のとうもろこしもトマトもちょっと甘くなりすぎて、昔の素朴な味が懐かしくなるのである。くそ暑い夏はいやなものだが、また夏休みを思いださせるちょっとノスタルジックな季節でもある。
20130710


2013年7月 6日 (土)

体育会同窓会

還暦を過ぎると皆ちょっと若い頃が懐かしくなるのか、懐かしいお誘いが舞い込む様になる。昨日は大学体育会を同じ学年で卒業した全員の同窓会を初めて開くというので、会場の丸の内のレストランに行った。体育会の同窓会と言っても一体卒業した当時はいくつ部があって、部員が何人いたのかはるか記憶の彼方、家の書棚で埃をかぶっていた当時の『體育會誌』を引っ張り出してみると、36の運動部があって同期の卒業人数は女子を含み280名弱のようだ。当時の体育会主事による『體育會誌』巻頭言には、「今年の各部の成績はかなりさびしい。さびしいというのは、全日本学生とか、関東学生の選手権をとった数が昨年より少なく、また個人としてみても全日本選抜チームに選ばれた者が少ないということである」「しかし、各部の成績をみると・・・・全般的に成績が低下しているわけではない。・・・各部の成績は昨年よりいくらか向上しているのではなかろうか」とあるから、入試が大変になった頃だが何とか各部が踏みこたえていた時代か、などと往時を思い出しつつ会場に赴く。


各部ともOB会など縦のつながりは強いものの、部を超えた横断的な集まりはあまりなく、最初は何となく遠慮がちだった会場も、乾杯が終わればそこは往年の「体育会のノリ」に一変する。共通の友人を通じて、あるいは高校の仲間だったり、卒業後に同じ業界に勤めたりなどと、あちこちで話が盛り上がるうち、あっという間に40年弱の溝は埋まり、司会者の声も届かぬくらい会場は盛況である。そういえば、かつては名選手だったはずが今や見る影もなく腹が出ている者もいるし、遠くで眺めているだけだった憧れの女子選手がただのオバサンになっていたりするのも同窓会ならではといえよう。なかには早慶戦で神宮球場を湧かせた顔、ラグビーの日本代表になってテレビでよくみる顔などもいるが、往時は顔こそ知っていても若気の気恥ずかしさ、他の部なので何となく挨拶も交わさずにいた者同士が、百年の知己の様に打ち解けられるのは、加齢に伴うズズしさに加え同窓同期の心地良さに依るところだろう。


幸い私の出た競走部は現役の山縣君がロンドンオリンピックで活躍し、この夏の世界陸上に日本代表で出る事を皆が知っているので、話をしていても話題が途切れる事ない。やはり現役の選手が活躍してくれると、こういう会でもちょっと鼻が高くなって嬉しいものである。それにしても地方から駆けつけた者も加えて、初回の体育会同窓会で100人以上の懐かしい顔に再会できた事は嬉しく、やっぱり運動部のOBは母校が大好きで集まりが良いのものだとあらためて実感した。これから幹事持ち回りで毎年定期的に同窓会を開くと初代幹事が言っていたから、仕事で現役を引退する者が増えるに連れ、今後ますますこの会も盛り上がっていく事だろう。会の最後は応援指導部OBのリードで恒例の『若き血』に加え『慶応讃歌』の大合唱である。現役時代は何度競技を辞めようと思ったか判らないが、何とか運動部を4年間つづけて良かった、体育会を出て良かったとの思いが歌声と共に脳裏に湧き上がってきたのであった。

2013年7月 5日 (金)

TBS偏向報道  喝!

ニュースによると、自民党はTBSの報道内容が公平さを欠いてるとして取材を拒否すると云う。参院戦を前に全国ネットのテレビ放送に自ら出演しないのも大変な決断だが、私も常々TBS系列の日曜日朝の”サンデーモーニング”が偏向していると疑問に思っていたので、自民党の怒りもなるほどと理解できる気持ちだ。今回の原因はTBSの「NEWS23」6月26日の放送が、先の国会会期末に電気事業法改正案などが廃案となった原因を、自民党にあるかのように報道した為だとしている。ちょっと思い出してみれば、会期末に少数野党から出された形ばかりの首相問責決議案に対し、「問責決議より重要法案を通すことが 先だ」と意思表明をしていたはずの民主党が、その僅か2時間後の採決で賛成に廻ったため可決されてしまい、結果いくつかの重要な法案が審議出来なくなった訳で、これが自民党の責任だというのはどう考えても首を傾ける報道だ。


今回廃案となった中には日本船舶警備特例法案も含まれていて、これが通れば海賊対策の為に日本籍の船舶に武装した警備員を乗船させる事が可能になるはずだった。日本籍のタンカーの安全運航だけでなく、現在、飛鳥Ⅱなどの客船が海賊を避ける為に、はるかアフリカ最南端を廻って世界一周しているのに対し、法案が通ればスエズ運河や東地中海を通って航海できる可能性も出て来るだけに、クルーズファンとしても注目していたのである。まあ客船などはごく一部の事だが、そのほか廃案になった重要法案を見ると、今回の首相問責決議でどれだけ多くの国民が実質的な迷惑を蒙るのか、問責決議の提出やそれに賛成に廻った党の不見識、国民不在の党利党略の国会に憤りたくなる。


さて”サンデーモーニング”である。毎回の偏向的な報道に辟易としているのだが、土曜日の夜にマチャアキの”チューボーですよ”を見てテレビを消すので、日曜の朝にスイッチ・オンするとそのままTBSが始まるから、ついダラダラと見てしまう事が多い。そもそも出演する数人のコメンテーターの顔ぶれを見ているだけで、随分と偏っていると感じているうち、彼ら彼女らはお約束通りおおむね競争やら自由貿易、自己の責任という事に後ろ向きで、社会主義的かつ観念的なコメントを述べるので辟易としてしまうのである。おまけにかつてはレフトに球が飛ぶと、ピッチャーが「こらあかん」としゃがみこんだと云うほど下手くそな守備だった張本が、自分の事は棚にあげて「渇!」などとスポーツコーナで叫んでいると、思わず耳を覆いたくなってチャンネルを変えるのが日曜日の朝である。TBSの報道はもう少し何とかならないか?

« 2013年6月 | トップページ | 2013年8月 »

2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ