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2013年6月20日 (木)

陸と海と空 その5 フェリーすずらん 船内

エンジンの快い振動音に身を任せて熟睡した翌朝、部屋のカーテンを明けると”すずらん”は秋田県沖を順調に南下している。朝食前にさっそく朝風呂という事で、大浴場へ行けるのは日本のフネの醍醐味で、特にこの時期は乗客もがらがらだから、広い設備を独り占めできて気持ち良い。大浴場の一角にある本船自慢の船上露天風呂から凪いだ日本海を眺めなつつゆっくりお湯に浸かっていると、初夏の海風がほほをなでて何とも幸せな気分になってくる。露天風呂を大浴場に設置するのはとても良いアイデアで、今後日本のクルーズ客船にもどんどん採用してほしいものだ。その他、専用シアターこそないものの、本船にはフィットネス、カラオケ、キッズルームやドッグフィールドなどのパブリック諸設備が完備し、航海中はビンゴゲームやコンサートのサービスもあって船内生活に退屈する事もない。朝食後、さっそく我々もフィットネスで7キロほどゆっくりジョギングを楽しんだのだった。

(露天風呂は最上階の6デッキにある。ガラスの向こうと天井がオープンで気持ち良い風が顔に当たる。)
20130620

ジュニアスイート以上の乗客が朝・昼・晩と三食利用できる(それ以外の乗客も料金を払えば利用可能)グリルのサービス・クルーはとても良く気がきくし、それ以外のクルーも決め細やな対応で実に快適である。また料金に入っているグリルの食事は写真の通りで、味も客船並みに美味しかったのは特筆ものだ。ツーリストクラスも雑魚寝でなくすべて独立した寝台になっているのが進歩的で、最近のフェリーは豪華になったものだと感じる。本船は二重反転プロペラを使ったアジポット推進の効果か、高速で走っても船体に変な共振やビビリ音を感じる事がなかったし、エンジン音も他船よりやや小さい様だった。苫小牧・敦賀860キロ(460マイル)を21時間で結ぶうえ(苫小牧行きは19時間)、敦賀湾内は減速するから日本海を航行中は平均すると25ノット近い快速で走っている事になる。

(グリルの昼食、春爛漫の一皿)
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その反面、高速で走る為という理由で航海中は最上部のデッキはおろか、遊歩甲板や船尾のデッキも一部を除き閉鎖され、潮風に吹かれる場所はごく限られてしまう。我々は部屋にベランダがあったのでまだ海の気を味わえたものの、ほとんどのデッキの立ち入り制限はあまりにも味気なく、少なくとも夏場は開放したらどうだろうか。通常フェリーや客船が航走する速度である20ノットに較べても、対地速度にしてみたら僅か2~3米/秒増えるだけだから、これで重大な危険を招くとも思えない。内装はせっかくの船体に対して、銀色を多用したギンギラの内装がちょっと興ざめ、レセプションホール中央のモニュメントも随分とチープな感じで、カーペットも高級感が感じられず、船内からは”シック”とか”気品”とか云う雰囲気が伝わってこなかったのがとても残念だ。飛鳥Ⅱやダイヤモンド・プリンセスなどを作った三菱長崎造船建造だから、船主と造船所でアイデアを出し合ってもっと粋な内装にして欲しかった。西欧のフェリーに乗るとしばしばアコモデーションが素晴らしい事に気づくが、船内インテリアという点ではまだまだ我彼の差は大きいようだ。

(反航する僚船とのすれ違いがフェリー乗船の楽しみ、向こうは姉妹船”すいせん”)
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