陸と海と空 その6 関が原編
フェリー”すずらん”を敦賀港で下船したのは夜8時半、頑張れば京阪神にもその夜に到達できるが、我々は急ぐ旅でもなし、敦賀駅前のビジネスホテルにゆっくりと宿泊する事とした。翌朝は起きぬけに市内に鎮座する気比神社に詣出て、気比の松原まで往復約一時間のジョギング。気比神宮は北陸道の総鎮守府・越前国一ノ宮の大社、気比の松原は三保の松原・虹の松原と並ぶ日本三大松原だそうで、邪気を払った後に朝の気を吸ってとても心地良い。朝食後はJR北陸本線で米原を経由し、彦根城を見学して東京に戻る事にした。彦根城は姫路城、松本城、犬山城と共に天守が国宝指定された数少ないお城との事で、城内やきれいに整備された城下町を半日かけてぶらぶらと興味深く見て廻った。
気比の松原
かねてから彦根や近江路を機会があれば訪れてみたいと思っていたのは、新幹線の車窓から見る景色にある。いつも出張で東京から新幹線”のぞみ”に乗車すると名古屋までがぐっすりと睡眠の区間、だいたい名古屋に停車する震動で目を覚ましてからトイレなどに行くうちに、”のぞみ”は濃尾平野を突き抜けて関が原の上り勾配にさしかかっている。このあたりで目を窓の外にやると山の端が迫り、そこを東海道本線の線路が右に左に新幹線に迫っては遠ざかる景色が続く。高速で疾走する”のぞみ”から、みどりの中を銀色の線路がうねって続くさまを見ていると、なんとなく日本の農村風景の原点がそこにある様な気がして、私は新幹線で随一と云われる浜名湖よりも関が原の方が好きだった。で、いつか機会があったら、在来線に乗ってゆっくりと近江平野から関が原を通ってみたいとの願いを抱いていたのである。
彦根城
今回の旅はフェリーのおかげで敦賀で宿泊できたのを幸い、かねてから気になっていたこの区間の旅を在来線で実現すると云う訳である。という事で彦根から米原まではJR西日本の普通電車を利用した後、米原からのJR東海区間では大垣まで各駅停車で関が原の下り勾配を行き、大垣より名古屋までは名古屋圏の新快速の旅を堪能してきた。関が原の垂井駅付近では大東亜戦争中に敷かれたと云う勾配越えの本線を初めてゆっくり見る事が出来、これが鉄道クイズで頻繁に出るポイントかと今更ながら感心したり、最後に乗車した新快速では運転士も車掌も女性で運転されて、時代の変遷を感じたりしつつ名古屋に到着、そこから新幹線で帰京したのだった。暇にまかせた週末利用の「陸と海と空」の旅、乗り物本位の行程もなかなか楽しいものだった。
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こんにちは。お久し振りです。前回のコメントからだいぶ開きましたが覚えてますか?私実は岐阜市に住んでおりまして、関ヶ原も大好きな場所なんです。夏の暑い日に車の窓を開けて関ヶ原に向かいますと関ヶ原に近づくにつれて風が冷たくなっていきつく頃にはひんやりした空気ですごく気持ちいい所なんですよ。夏の夕方にはよく夕立なんかにあったりもします。なんだか岐阜に来ていただき、また岐阜を気に入っていただき光栄です。今度はレンタカーでも借りて岐阜の夏を堪能してみてください。暑苦しい夏が好きになりますよ。
投稿: ひろしげととら | 2013年6月26日 (水) 15時34分
ひろしげととら様
その後、体調の方はいかがですか?ご自愛ください。
岐阜お住まいとの事、お近くまで伺っていたのですね。
今回の各駅停車の旅(新快速も利用しましたが)はとても楽しかったです。
岐阜と云えば高山本線にも久しぶりに乗ってみたいと思っているところです。
投稿: バルクキャリアー | 2013年6月26日 (水) 21時09分