志木高出身の第2エース
日曜日は初夏の日差しの下、神宮球場の東京六大学野球、慶応ー明治、法政ー早稲田の観戦に行く。リーグ戦後半の好カードとあって、相変わらず初老のファンが多いものの、神宮球場は1万数千人入っているようだ。特にこの日ひそかに期待するのは母校である慶応2年生の左腕加嶋君(慶応志木高校)のピッチングである。というのは慶応義塾一貫教育校のうち、日吉にある慶応義塾高校(塾高)にはかなりのジュニア逸材が集まって、彼らは大学でも活躍しているが、一方で特別に野球を強化していない志木高校や湘南藤沢高校出身の選手の中から努力してリーグ戦に出場してくる選手がいる。そういう無名の選手の姿を神宮球場で見る事は、進学校から進んで来た者を応援するのと同様に神宮球場の野球観戦を楽しいものにしてくれる。
なにせ慶応志木高校出身のピッチャーといえば、2004年に卒業して日石エネオスに進んだ清見君以来ではなかろうか。加嶋君はすでに第2エースとして今シーズン数試合に登板しているが、どんなピッチャーなのか私にはまったく情報がないので、予想通り登板した彼のピッチングに注目してみる。初めて見た彼の体はそう大柄でもないし直球も130キロ台の前半で、スタンドから見た目には今にも長打を浴びるのではないかと心配になるが、ランナーは出すもののどうも打たれそうで打たれない。どうやら長く空中に上げている右足でタメをつくったうえ、肘や手首の使い方がうまくて変化球がキレているようだ。
5月19日を終了した時点で加嶋君はリーグ戦17イニングで21安打、7奪三振というから三振を取るより打たせてとるタイプらしい。しかし四死球がわずか2と記録されているので、その制球の良さが監督、コーチの信頼を得ているのだろう。塾高出身でプロも注目していた球速150キロのエース白村君の調子がいまいちの今シーズン、ピッチャーは速球だけではないのだと改めて思いつつ観戦していた。この日は相手明治の先発、関谷君(4年日大三)の出来がすばらしく残念ながら試合は負けてしまい、慶応は早稲田と共にリーグ戦の下位争いをしている有様だが、こんな時でも早慶戦だけは勝ってくれよと念じつつ神宮球場を後にした。
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