クルーズ船・シャトルバス
海運業の業界紙である日本海事新聞5月21日付け”記者の視点”と言う欄に「今春の外船寄港に思う」と題しておもしろいコラムが掲載されていたので以下引用してみる。
「西日本の港から聞いたケース。この港では、岸壁から町の中心部まで少し遠いことから『無料シャトルバスを提供しましょうか』と船社側に打診したという。帰ってきた答えは『寄港地観光が売れなくなる恐れがあるから、シャトルバスは不要』だった。この答えを返してきたのは、本船をチャーターした旅行業者だったという。」
「もう一つ。乗船客に港周辺にある観光ポイントや地元の魅力を少しでも知ってもらおうと、ある港の関係者は新しいタイプの寄港地観光を提案した。本船サイドからの答えは、先のケースと同じく『その申し出はお断りします』。回答の主は本船の寄港地観光を扱う旅行業者からで、やはり『すでに販売を始めている既存の寄港地観光ツアーが売れなくなる』との理由からだった。」
このコラムでは客船寄港による経済効果をアメに、地元に歓迎セレモニーやサービスを提供させておきながら、乗客の利便性より旅行業者の収益が優先する事に記者は釈然としないと嘆いている。考えてみると日本船の場合はたとえ便数が少なくとも、たいていは寄港地で町まで何らかシャトルサービスがあるのに対して、外国船の場合には料金が安い一方こんな不便がある様だ。外国船に関係した旅行業者にしてみれば、日本人向けにさまざな工夫をする上に、船内に日本語のわかる人を多数配置してコストが嵩む一方で料金は抑えなければならないから、オプショナルツアーで収益を確保したいという気持ちになるのも判らないではない。
ただ余りにもあこぎな稼ぎ方をすれば「何だ、日本船より遥かに安いと思って乗ったら、酒の持ち込みはできず結局高い酒代はとられるし、港から町へ行くタクシーは高いしでもう二度とクルーズ船には乗らない」という人が増え、せっかくの客船人気も一過性に終わる恐れもあって、このコラム子の指摘ももっともだとうなづきたくなる。港から町までの距離がある場合にはたとえ少々料金が高くともシャトルバスを運行をする事が、永い目でみれば船会社や旅行社の得になるのではないだろうかとも思う。それとともに我々はしばしば寄港地でレンタカーを借りてあちこち行くのだが、ハワイで見た様にレンタカーの業者が港まで来てクルマを利用できたらさぞ便利なのになあと感じるのである。
« シティー・オブ・ローズ | トップページ | 読売新聞「昭和時代」統帥権干犯 »
「船・船旅」カテゴリの記事
- 飛鳥Ⅱ 2024年世界一周クルーズ 乗船キャンセル(2023.09.02)
- SEA SPICA (シースピカ)号 せとうち島たびクルーズ(2023.07.12)
- 日本のクルーズ船の魅力・ライブラリー「灯台からの響き」(2023.07.06)
- にっぽん丸 「横浜/奄美/那覇クルーズ」3泊+「飛んでクルーズ沖縄Aコース~与那国島・西表島~」3泊 連続乗船 (2) (2023.06.25)
- にっぽん丸 「横浜/奄美/那覇クルーズ」3泊+「飛んでクルーズ沖縄Aコース~与那国島・西表島~」3泊 連続乗船 (1) (2023.06.23)
コメント